現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 途方もない“猛牛愛”──日本人がオーダーした唯一無二のランボルギーニ チェンテナリオ ロードスター

ここから本文です

途方もない“猛牛愛”──日本人がオーダーした唯一無二のランボルギーニ チェンテナリオ ロードスター

掲載 更新
途方もない“猛牛愛”──日本人がオーダーした唯一無二のランボルギーニ チェンテナリオ ロードスター

クーペとロードスター、併せて世界限定わずかに40台。そのうち、クーペ1台、ロードスター2台が日本に上陸し、すでに幸運なオーナーのもとにある。ベース価格で軽く2億円超え。ほとんどすべてのカスタマーがランボルギーニの特注部門アドペルソナムで、思い思いのカスタマイズを楽しんだはずだから、結果的に乗り出し3億円前後という個体も多くなったはず。これぞ真に、スーパーカーの世界というべきだろう。

「チェンテナリオ」とは、イタリア語で100周年を意味する単語。フェルッチョ・ランボルギーニ(1916年4月28日生まれ)の生誕100周年にあたる2016年に登場したスペシャルモデルの名称として、これ以上ない選択だった。

マクラーレン史上、最も刺激的なスポーツシリーズ──マクラーレン 600LTが上陸

基本的には「アヴェンタドール」のメカニズムを踏襲するものの、エンジンはLP770-4というサイドエンブレムが示す通り、その出力を770psにまで引き上げている。エクステリアは、フロントウィンドウを除き、まったくのニューデザインで、同じく少量限定車だった前作の「ヴェネーノ」に比べて、ずっとロードカーらしいデザインだ。

2016年3月のジュネーブ・モーターショーでクーペが、同年8月のザ・クエイルでロードスターが、それぞれデビューし、その時点ですでにすべての行き先が決まっていたというのも、最近のスーパーカービジネスでは“当たり前”の話。

要するに、この手の限定車を購入できるのは、本社が認識するほどのVIPクライアントに限られており、実車が完成する前に、トップクライアントから順に、購入の意思を確認されるという仕組みになっている。

「チェンテナリオ」の場合、デザインモックアップすら完成していない頃、デザイナーによるスケッチのみという段階で、早くもVIPへの購入意思の打診が始まっていた。何といっても、世界で20+20台である。

争奪戦になることは目にみえているとはいえ、有力な顧客にいち早くそのプロジェクトの存在とおよその価格を知らせておくことで、プロジェクト自体の成功を早めに決定付け、発表時には“ソールドアウト”と言いたい、というわけだ。

逆に言うと、さらっと絵を見せられただけで2億円以上もするクルマの購入を決めなければならないユーザーにも、そうとうな胆力が必要になってくる。そういう意味では、ランボルギーニとしても、顧客がどれだけ早い段階で決めてくれたのか、を知ることによって、ブランドに対するロイヤリティを計っている、ということもできるだろう。信じる者は救われる、というわけだ。

チェンテナリオの場合、正式に購入を決めた顧客は、まず、発表会の場に招待されている。クーペならジュネーブ・モーターショーのプレスデイ、ロードスターではモントレーカーウィークに開催される入場困難なイベント、モータースポーツ・ギャザリングに招かれて初めて、実車との対面となったようだ。

そこから納車までは、ディーラーを介して本社の特注部門とひたすら細かなコンフィギュレーションの打合せになる。オールカーボンボディのチェンテナリオでは、できないということがない。オーダーする側の創造力とセンスが問われるという点で、なかなか決断も難しかったことだろう。そのぶん、出来上がりがとてつもなく楽しみなパーソナライゼーションにはなったはず。

実際、世界中で目撃されているチェンテナリオには、1台として同じ仕様はなく、それぞれがぶっ飛んだ個性に満ちている。“やったもん勝ち”という側面もあるから、同じチェンテナリオオーナーであっても、「え? そんなことまでできたの?」と、驚いた人もなかにはいたことだろう。

今回、ランボルギーニ福岡の協力で、取材撮影に成功したチェンテナリオ・ロードスターは、ランボルギーニにしては珍しく「イタリアンレーシングレッド」(ランボルギーニではロッソマルスと呼ばれている)に塗られていた。

歴代ランボルギーニはすべて“赤”、スーパーカーといえば“赤”しかない、というオーナーのこだわりが、ただでさえ希少なチェンテナリオを、貴重なイタリアのナショナルレーシングカラーにペイントすることになった。カーボン地を生かしたボディカラーが多いなか、フルペイントされたチェンテナリオはかえってレアだと思う。

インテリアは、日本のイメージカラーである白と赤を使って、チェンテナリオのユニークなデザインに併せたコーディネーションとした。ロードスターということもあって、“中を魅せる”仕様にしたかったのだという。

ちなみにこのチェンテナリオ・ロードスターには、屋根がない。緊急用の簡易ルーフの用意すらない。ロードスターであることに割り切ったデザインであるからだ。オーナー曰く、「初めて見たときには、クーペより格好いいと思った。芸術品の領域ですから、実用的であることなんて最初から望んでいません」、ということらしい。

買うことからはじまり、こうして納車され、乗る段になっても途方もない胆力が求められる。そこまでのランボルギーニ愛があって初めて、チェンテナリオを買う権利が与えられ、乗る資格を得るというものなのだろう。

世界に40人、そして、日本に3人。途方もなく“猛牛愛”に満ちたユーザーがいるというわけだった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

本当にハイブリッド!? レクサス『LFA』後継スーパーカー、ニュルで響いたサウンドに衝撃
本当にハイブリッド!? レクサス『LFA』後継スーパーカー、ニュルで響いたサウンドに衝撃
レスポンス
[15秒でわかる]レクサス『LS』2025年モデル…35周年の最上級セダン
[15秒でわかる]レクサス『LS』2025年モデル…35周年の最上級セダン
レスポンス
F1全チーム合同カラーリング発表イベントの入場券は、僅か45分で完売! ”転売ヤー”からの購入を控えるよう警告も
F1全チーム合同カラーリング発表イベントの入場券は、僅か45分で完売! ”転売ヤー”からの購入を控えるよう警告も
motorsport.com 日本版
約120万円! スズキ最新型「コンパクトカー」新発表! MT設定&“スイフトよりデカイ”「ボディ」採用! 精悍エアロの「リーガルE」仕様印国で誕生
約120万円! スズキ最新型「コンパクトカー」新発表! MT設定&“スイフトよりデカイ”「ボディ」採用! 精悍エアロの「リーガルE」仕様印国で誕生
くるまのニュース
「こんな山にIC作ったの…?」 まもなく全通「100キロ信号ナシ無料バイパス」の新ICが秘境感たっぷり…「この山トンネル通すんですよ」
「こんな山にIC作ったの…?」 まもなく全通「100キロ信号ナシ無料バイパス」の新ICが秘境感たっぷり…「この山トンネル通すんですよ」
乗りものニュース
バニャイヤ、FP1終了直後の奇妙な転倒を説明。「抜かれた後に怖くなって、フロントを失ってしまった」
バニャイヤ、FP1終了直後の奇妙な転倒を説明。「抜かれた後に怖くなって、フロントを失ってしまった」
motorsport.com 日本版
国産スーパーカーの代表格! 極上の1994年式ホンダ「NSX-R」を英国で発見 右ハン&パカ目の初期モデル
国産スーパーカーの代表格! 極上の1994年式ホンダ「NSX-R」を英国で発見 右ハン&パカ目の初期モデル
VAGUE
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍選手。2024年シーズンのキーポイントと、2年前からの向上とは
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍選手。2024年シーズンのキーポイントと、2年前からの向上とは
バイクのニュース
えぇぇぇさかなクンも参加!?!? [ホンダ]の[ビーチクリーン活動]に参加してみた
えぇぇぇさかなクンも参加!?!? [ホンダ]の[ビーチクリーン活動]に参加してみた
ベストカーWeb
「0%特別金利」もある!【トライアンフ】が8つの新車購入サポートキャンペーンを実施中!  
「0%特別金利」もある!【トライアンフ】が8つの新車購入サポートキャンペーンを実施中!  
モーサイ
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
くるまのニュース
フィアットと「ルパン三世」のコラボは続く。クリスマス キャンペーンも実施
フィアットと「ルパン三世」のコラボは続く。クリスマス キャンペーンも実施
Webモーターマガジン
広州モーターショー開幕、日本勢はトヨタ・ホンダ・日産・マツダが出展 最新EVで反転攻勢へ
広州モーターショー開幕、日本勢はトヨタ・ホンダ・日産・マツダが出展 最新EVで反転攻勢へ
日刊自動車新聞
小川颯太「感覚の違いは怖い」佐藤凛太郎「ドライタイヤに熱が入らず」TGM Grand PrixのマカオGP初日
小川颯太「感覚の違いは怖い」佐藤凛太郎「ドライタイヤに熱が入らず」TGM Grand PrixのマカオGP初日
AUTOSPORT web
20ページの短編小説は必見! 「フィアット×ルパン三世」コラボ第3弾が登場
20ページの短編小説は必見! 「フィアット×ルパン三世」コラボ第3弾が登場
THE EV TIMES
トヨタ最新型「C-HR」新発表に反響多数! 「赤いTOYOTAエンブレム」も超カッコイイ「コンパクトSUV」に熱望の声! 新モデル搭載の新機能「ジオフェンシング」欧州で公開され話題に
トヨタ最新型「C-HR」新発表に反響多数! 「赤いTOYOTAエンブレム」も超カッコイイ「コンパクトSUV」に熱望の声! 新モデル搭載の新機能「ジオフェンシング」欧州で公開され話題に
くるまのニュース
日本勢も続々ウォールの餌食に……マカオGP予選は2日で12回赤旗中断の大波乱。緊急のミーティングも実施
日本勢も続々ウォールの餌食に……マカオGP予選は2日で12回赤旗中断の大波乱。緊急のミーティングも実施
motorsport.com 日本版
VW ゴルフ 史上最強の『ゴルフR』が爆誕! 迫力の「ブラックエディション」も
VW ゴルフ 史上最強の『ゴルフR』が爆誕! 迫力の「ブラックエディション」も
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村