9月14日、走行2日目を迎えたWEC世界耐久選手権第7戦『富士6時間耐久レース』は、午前10時20分から1時間のFP3を実施するスケジュールで、快晴のコンディションのもとTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッドの平川亮がトップに立っていたものの、セッション半分を経過した午前11時を前に縁石の損傷による赤旗終了という異例の事態となっている。
週末の土曜を迎えた富士スピードウェイは朝から爽やかな青空に恵まれ、霊峰富士山もその姿をくっきりと表して来場したファン、そして世界選手権の一行を歓迎する。
前日に行われた2回のプラクティスもドライでの走行となったが、今回のFP3は各陣営とも予選に向けたシミュレーションがメインの項目になると見られ、60分のセッション終盤までにラップタイムを追う作業が進められる。
日本ラウンド恒例となった午前10時のサーキットサファリでは、ハイパーカーの全18台がコースインし(LMGT3は78号車レクサスRC F LMGT3を除いて17台が走行)、路面状況と車両のコンディションを確認。8分間のインターバルを経た本格セッション開始時点で気温28.3度、路面温度37.1度という条件で走行が始まった。
ここではLMGT3クラスの一部車両を除き、ほぼ全車がピットレーンオープンとともにトラックへと向かい、タイヤの発動を経てまずは8号車トヨタGR010ハイブリッドの平川が1分29秒621を記録。背後ではフェラーリAFコルセ陣営から2台のフェラーリ499Pも好タイムで上位に喰い込んでくるなか、50号車アントニオ・フォコを抑えた2号車キャデラックVシリーズ.Rのアレックス・リンが1分29秒707で2番手とする。
一方のLMGT3クラスは、引き続き好調を維持する82号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ)の小泉洋史が、もはや定位置となった感のあるクラス首位へ。背後にも僚友81号車のトム・ファン・ロンパウが続く。
デブリ回収も含めたFCY(フルコースイエロー)を経て、7号車の小林可夢偉は5番手タイムを記録してマイク・コンウェイにシートを譲ると、同じく8号車もブレンドン・ハートレーにスイッチ。セッションが約3分の1を経過した10時40分を前に、LMGT3では1分41秒206まで伸ばした55号車フェラーリ296 LMGT3(ビスタAFコルセ)のフランソワ・エリオに首位が入れ替わる。
ここで約6分ほどピットで過ごした8号車のハートレーは、フロントエンドの調整を経てコース復帰。さらにセッション開始から半分を過ぎたところで、99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)のニール・ジャニがTGR(ターン1)でオーバーシュート。レースコントロールからは「縁石になんらかの異常が発生」とのアナウンスがあり、直後に赤旗が掲示される。
このレッドフラッグ・ピリオド突入の瞬間、ダンロップ(B)コーナーでは上限規制まで速度を落とした99号車に、後方から迫った35号車アルピーヌA424のフェルディナンド・ハプスブルクがあわや追突の場面も見られた。
各車とも徐々に限界を探る動きがで始めるタイミングでの中断は、予選シミュレーションに水を差すだけに留まらず、ターン1立ち上がりアウト側の人工芝エリア付近に損傷が見られたためセッション再開も断念される事態に。
この時点でハイパーカーは首位がトヨタの8号車、2番手にキャデラックの2号車、そして3番手にフェラーリの50号車が続き、35号車アルピーヌを挟んで7号車がつけるトップ5に。
同じくLMGT3は55号車、54号車とビスタAFコルセの296 LMGT3が並び、直前のサファリを見合わせていた78号車レクサスRC F LMGT3が3番手に続く展開だ。
これで両クラスとも、最後のコンマ数秒の領域を確認できないまま、午後14時20分(ハイパーカーは同15時)よりの予選に挑むこととなった。午後の予選セッションは、14時20分よりLMGT3クラスから順に開始となる予定だ。
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