メルセデスのEV(電気自動車)「EQシリーズ」にくわわったコンパクトSUVの「EQA」に、サトータケシがひとあしはやく試乗した。印象はいかに?
控えめな主張
なくなる前に乗っておきたいクルマ第1回──「大排気量ガソリンエンジン」
EQとは、メルセデス・ベンツのなかで電動化を進めていくサブブランドだ。メルセデス・ベンツEQAは「Aクラス相当のBEV(バッテリーに蓄えた電気だけで走る純粋な電気自動車)」ということになる。バッテリーを床下に積むEQAは、エンジン車とは構造が異なるけれど、Aクラス相当のSUVである「GLA」と2730mmのホイールベースはおなじだ。
すでに発表されている「EQC」に続くBEVの第2弾で、EQAが現時点におけるメルセデス・ベンツのBEVのエントリーモデルになる。
試乗したのは、最高出力140kWのモーターで前輪を駆動するEQA250。日本に導入されるEQA のパワートレーンは、とりあえずこれ1種。
「いよいよメルセデスの実用サイズもBEVの時代か」と、思いながら試乗をスタート。ただし、内外装ともに「いままでとは違う特別なクルマです」と、声高にアピールすることはない。
外観では、メルセデス・ベンツが“ライトバンド”と呼ぶ、左右のLEDヘッドランプと左右のテールランプをつなぐ灯火のラインや、ヘッドランプ内にあしらったブルーのアクセントが控えめにBEVであることを主張している。
よ~く見ると、かつて「ラジエターグリル」と呼ばれていた部分が、エンジンに風を当てる必要がなくなったため、1枚のパネルになっていることに気づくけれど、それよりもEQA専用デザインのローズゴールドのアルミホイールに目がいってしまう。昭和のクルマ好き“あるある”か。
乗り込んでインテリアを見まわしても、BEVを強調する演出は控えめだ。エアコンの送風口が青く光ったり、オフホワイトのレザーシートにブルーのステッチが施されたりしている程度。シフトセレクターの操作方法など、走らせるための操作はこれまでのメルセデス・ベンツとなんら変わらないから、特別なクルマに乗っているという感覚はない。ここまでは。
運転が楽しい!
シフトセレクターでDレンジを選びアクセルペダルを踏み込むと、体感としては3.0リッターのガソリンターボ・エンジンぐらいの力強さで加速する。モーターの最大トルクは375Nmだから、3.0リッター・ガソリンターボとか2.0リッター・ディーゼルターボあたりと同等だ。
ただし、加速のフィーリングはやや異なる。内燃機関の場合、タイヤが地面をぐわっと掻いて加速するように感じるけれど、EQAはふわっと浮いてから加速するように感じるのだ。
モーターが無音・無振動であること、アクセル操作に対するレスポンスがモーターのほうがはるかに素早いことから、この浮遊感が生まれると想像する。
EQA250は特別にスポーティに仕立てたモデルではないけれど、運転が楽しいクルマだ。前述したモーターのレスポンスのよさもあるし、中高速コーナーではボディがぎゅぎゅっとコンパクトになったかのようなカタマリ感を味わいながら旋回できるからだ。
このクルマとの一体感はどこからくるのか? 重たいエンジンを鼻先にぶら下げる内燃機関車と異なり、最大の重量物であるバッテリーを、車体中央の床下に敷き詰めたEQAは重心が低く、それがRWD(後輪駆動)車ともミドシップ車とも異なるコーナリング感覚を生み出している。
コーナーであまりロールをしないのに乗り心地がしっとりしているのもおそらくおなじ理由で、重心が低いから足をかためなくても傾かないのだ。
メルセデスの美点がさらに強調された!
ここで、はたと思い当たる。滑らかで静かな加速や、コーナーでの安定と良好な乗り心地との両立といったことは、すべてメルセデス・ベンツが得意としてきたことではないか、と。
BEVによって、メルセデスの美点がさらに強調されたのだ。いちど電気に足を突っ込むと、内燃機関に戻れなくなるかもしれない。
「ハーイ、メルセデス」と呼びかければ目的地設定からエアコンの温度管理まですべて音声操作でやってくれるMBUXや、衝突被害軽減ブレーキや前のクルマに付いて行く安全・運転支援装置はメルセデスの最新モデルとおなじ。
で、前のクルマに追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を試していると、内燃機関車よりはるかにスムーズかつ緻密に加減速していることに気づく。
石油を爆発させてピストンを動かしてその垂直運動を回転運動に変換してタイヤに伝える内燃機関車より、電気をぴぴっと流すだけのBEVのほうがはるかに素早く、正確に力を制御できるのだろう。
スムーズに前のクルマに付いて行くEQAの車内で「ハーイ、メルセデス」とMBUXを呼び出し、スマホに入っている音楽を流してもらうと、まさにいま、かつて思い描いていた未来にいるような気がしたのだった。
文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.)
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