パガーニがイタリア有数のモータースポーツ・イベントに参加
パガーニ・アウトモビリは、F1ファンに捧げるイベント「ヒストリック・ミナルディ・デイ」に参加しました。このイベントでは、世界的に有名な国際サーキットで記録を樹立した2台の「ゾンダ S/F」と「ユートピア」が展示されました。さらに、スパ・フランコルシャン・サーキットで新記録を樹立した「ウアイラ ロードスター BC」がサーキットを走行しました。今回登場したモデルについて紹介します。
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伝説を残した2台のゾンダ
パガーニ・アウトモビリは、2024年8月24日~25日にイモラ・サーキットで開催された「ヒストリック・ミナルディ・デイ」に再び参加した。ミナルディ家が発案したこのイベントは第8回を迎え、パガーニからは国際的に有名なサーキットで記録を樹立した3台を含む4台のハイパーカーが登場した。
イベントのハイライトのひとつは、ニュルブルクリンクでラップレコードを樹立した「ゾンダ S/F」の2台である。モンテカルロ・グレーのボディにコニャック色のレザーとヌバックのインテリアを施したゾンダ Sは、パガーニ・アウトモビリ社のコレクションとして保管されている。
ゾンダ Sは2002年にニュルブルクリンクの伝統的なコースである北コース(ノルトシュライフェ)で、量産車の新記録となる7分44秒のラップタイムを記録した。エンジンは自然吸気のメルセデスAMG製V12を搭載する。力強くうなりを上げるが車内は驚くほど静かで、この時代のハイパーカーとしては予想外の快適性を実現している。
また、2007年にニュルブルクリンクの量産車ラップレコードを7分27秒82という驚異的なタイムで更新したゾンダ F クーペも展示。「F」は最も著名で愛されたF1ドライバーであり、パガーニ氏の師匠でもあるファン・マヌエル・ファンジオ氏への敬意を表している。
このマシンはライトグレーとカーボン仕上げのツートーンボディが特徴で、赤いレザーのインテリアがボディを引き立てている。内装の細部に至るまで、パガーニ氏の卓越性へのこだわりが反映されており、ナルディ製ステアリングホイール、木製アクセント、伝統的な時計職人の技術から着想を得たダッシュボードなどに表れている。重量はわずか1230kgで、チタン、アルミニウム、インコネルの部品を使用することで重量を最小限に抑えている。
メルセデスAMGと共同開発したV12ツインターボを搭載するユートピア
会場をさらに盛り上げるのは、パガーニ・アウトモビリ社の歴史の第3章を告げるハイパーカー「ユートピア」である。1950~1960年代のモデルからインスピレーションを得た流れるようなボディラインは時代を超えたエレガンスを醸し出し、パガーニらしさを表現している。
象徴的な4本のエキゾーストパイプやカーボンファイバー製モノコックは、カーボン・チタン(HP62-G2)やカーボトリアックス(HP62)などの先進的な素材によって強化され、これまで以上に耐久性が高く軽量なクルマとなっている。軽量化への追求は、ハイブリッドサポートや重いバッテリーを排除し、メルセデスAMGとパガーニが共同開発したV12ツインターボにも反映されている。
ハンドリングと安定性は、アクティブエアロダイナミクス、電子制御ダンパー、航空宇宙グレードのアルミニウム合金製ダブルウィッシュボーンサスペンションなどの空力研究と高度な技術によって最大限に高められている。
インテリアはアナログメーターを取り入れ、手作業による高級時計を思い起こさせるデザインを採用する。トランスミッションは7速MTのオプションも用意。ユートピア クーペの生産台数は99台、ユートピア ロードスターは130台となる。
ウアイラ ロードスター BCがスパ・フランコルシャンを駆ける
イベント期間中、「ウアイラ ロードスター BC」がサーキットを走行し、ゾンダが打ち立てた記録破りのレガシーを継承した。2020年9月4日、このハイパーカーはスパ・フランコルシャン・サーキットで、公道走行可能なクルマとして2分23秒081の新記録を樹立した。
ウアイラ ロードスター BCは、ADI(イタリアインダストリアルデザイン協会)が創設したコンパッソ・ドーロ賞の第27回「モビリティデザイン」部門を受賞している。
AMWノミカタ
2016年から始まったヒストリック・ミナルディ・デイは、2024年で第8回目を迎えたイタリアのモータースポーツイベントである。スケジュールを見ると、サーキットでは終日F1、F2、F3000、GP2、GP3のレースマシンや、ヒストリックGT、プロトタイプカーが走り回る。
その他会場では、F1のドライブシュミレーターやラジコンのレース、レゴの展示や書籍、キーホルダーなどのグッズの販売なども来場者を楽しませてくれる。イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードやアメリカのモントレー・カーウィークも国や時代を越えて多種多様のクルマが展示される価値のあるイベントであるが、このイベントはミナルディF1の創始者、ジャンカルロ・ミナルディ氏の発案で始まったイベントということで、ミナルディファンのみならず多くのレースファンには見逃せない自動車イベントのひとつだろう。
今回、パガーニはゾンダ SとF、ユートピアのスタティックな展示と、ウアイラ ロードスター BCがサーキット走行を行った。最高出力802ps、最大トルク1050Nmを誇る6L V型12気筒ツインターボエンジンの咆哮は来場するファンを楽しませてくれたことだろう。
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