一部のエアロパーツは保安基準の最低地上高に含まれない
クルマというのは、昔から低く、幅が広い方がかっこよく見えるもの。そのためカスタムするなら、保安基準ギリギリまでローダウンし、タイヤはツライチまで広げたいと思っている人が多いはず。
不便なだけじゃなく性能悪化も! クルマのローダウンのメリット・デメリットとは
そのローダウンの保安基準上のリミットについて、ちょっと知識のある人なら、「最低地上高9cm以上だったよね」と答えるだろうが、街で見かけるクルマを見ると、どう見ても地面すれすれのスポイラーやサイドスカートを装着したクルマも見かけるが、あれは一体????
じつは一部のエアロパーツは、保安基準の最低地上高9cm以上というルールに含まれないことになっているのだ。
保安基準の最低地上高の基準に含まれないのは、次の3点。 ・タイヤと連動して上下するブレーキ・ドラムの下端、緩衝装置のうちのロア・アーム等の下端
・自由度を有するゴム製の部品(SUVのマッドフラップなど)
・マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等であって樹脂製のもの
(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第 163 条「最低地上高」より) 逆に言えば、最低地上高9cm以上のルールの対象となるのは、ホイールベース内の稼働しない部位、具体的にはマフラー、サスペンションメンバーとそのボルト、オイルパン、デフケースなどと地面までのクリアランスだと思えばいい。
そして、前後のスポイラーやサイドスカートは、樹脂製であれば、地面すれすれの低さでも、保安基準はクリアできることになっている。
実用性を考えるのなら最低地上高には余裕を持たせたい
ただし、例外もある。灯火類が付いているエアロ、例えばフォグランプとかウインカーが付いているバンパー一体のスポイラーは「ボディを含む構造物」になるため、最低地上高の対象になるので要注意。
さらに、初年度登録が平成18年以降のクルマは、上記の最低地上高が9cm以上であっても、フォグランプレンズの下側が地面より23cm以上、ウインカーは35cmないとNGとなる(車検に通らない)。
トヨタの86の前期モデルが、ラジエター横のバンパー部分にウインカーがあったために、少し車高を下げただけで、ウインカーレンズの下縁が地面から35cm未満になり、車検に落ちたというのは有名なハナシ。
ちなみにリヤバンパーに付ける反射板(リフレクター)も、同じく平成18年以降登録の車両はレンズの下側が地面より35cm以上ないと保安基準不適合になるので注意が必要。
最後にアンダーカバーについて。これも少々ややこしいが、「衝撃に十分耐える構造」及び「アンダーカバー等が装着されている構造」に関しては、最低地上高9cm以上ではなく、5cm以上ならOKという規定になっている。
実用性を考えるのなら、最低地上高には余裕を持たせ、ギリギリを攻めたい人は、保安基準を細部まで知った上で、自分に合った車高を探っていこう。
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