フェラーリを圧倒するライバルとして常に意識される存在となった
2024年1月25~26日、RMサザビーズがアメリカ・アリゾナで開催したオークションにおいてシェルビー「427コブラ」が出品されました。同車について振り返りながらお伝えします。
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シェルビーの手によって偉大なるコブラのレース史を作り上げた
シボレー「コルベット」と同様に、アメリカで熱狂的なファンを持つスポーツカーといえば、それはAC「コブラ」、あるいはAC「シェルビーコブラ」とも呼ばれる、その名前のとおり獰猛な走りを見せる2シーターカーがイメージされる。
それまでブリストル製の直列6気筒エンジンを使用し、スチール・チューブ・フレームとアルミニウム製のボディパネルからなる独自のモデルを生産していたイギリスのAC社だったが、1961年にブリストルはそのエンジン生産の中止を決定。その報に触れた元レーシング・ドライバーで、その後はシェルビー・アメリカンを設立し、レーシングカー・デザイナーとして活躍していたキャロル・シェルビーは、アメリカ製のV型8気筒エンジンを搭載できる車の設計をAC社に依頼。その一方でシボレーやフォードにエンジン供給の交渉を持ちかけた。
コルベットとの競合を意識してエンジン供給を断ったシボレーとは対照的に、対シボレーを考えたフォードは、シェルビーの要求に応え、221立方インチ(ウインザー3.6L)エンジン2基を提供した。
AC社ではそれに対応するACエース3.6のプロトタイプが製作され、1962年にはロサンゼルスで到着を待つシェルビーのもとへと空輸された。エンジンとトランスミッションは、わずか8時間ほどの時間で搭載を終え、すぐさまロードテストを開始したとされる。
コブラの生産はその後順調に進み、さまざまなバリエーションが誕生していく。最初のコブラMkIには260立方インチ(4.3L)ユニットが搭載され、残りの51台のMkIには289立方インチ(ウインザー・フォード・4.7L)が採用された。1962年の後半には横置きリーフスプリング・サスペンションとラック&ピニオン・サスペンションのセッティングを見直すために、フロントサスペンションの大幅な設計変更も行われ、それは新たにMkIIとネーミングされ1963年から販売が開始されている。
289立方インチのV型8気筒エンジンを搭載するコブラは、モータースポーツの世界でもシェルビー、そしてフォードの目論みどおり多くの勝利を収めることに成功した。1960年代のル・マン24時間レースでは宿敵ともいえるフェラーリを圧倒するライバルとして常に意識される存在となった。また、1963年から1965年までの3年間に連続でアメリカ・マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップを獲得したことも、また偉大なるコブラのレース史である。
生産台数はわずか300台ほど
だがシェルビーは、その競争力を維持するためにはさらに積極的なパワーアップが必要であることを知っていた。そこで登場するのが427立方インチ(7L)のビッグブロック・エンジン。シェルビーとの間には当初より軽量なアルミニウム製ブロックの390立方インチ(6.4L)ユニットが供給される予定だったというが、フォード社内の内紛で、その計画はキャンセルされてしまったという。
だが427ユニットの高性能ぶりは疑いようのないもので、シェルビーではさっそくその重量を受け止めるシャシーの製作が始まった。4インチ(102mm)のチューブフレームを採用し、ボディ幅は7インチ(178mm)拡大。洗練されたコイルオーバー・サスペンションを、オリジナルの90インチ(2286mm)から不変のホイールベース内に収めるという仕事を成し遂げたのだ。
この理解不能なほど速く、そしてスパルタンなコブラに427コブラの名が与えられたのは1965年4月7日に行われたシェルビーのスタッフ会議でのこと。だがそれは大量生産されることはなく、わずか300台ほどがデリバリーされたにすぎなかった。
今回アリゾナ・オークションに出品された427コブラは、「CX3237」のシャシー・ナンバーを持つモデル。シェルビー・アメリカン・オートモービル・クラブ・レジストリーによれば、最初のオーナーはオクラホマ州在住のローデス・ムーアという人物で、1970年代初頭には同州のフレンチ・ヒックマンに売却された。その時にブルーにリファインされたと伝えられている。
1980年代CX3237は再びレッドにリファインされ、1990年代には日本のオーナーの手に渡った記録が残る。2010年代半ばに再びアメリカの著名なコレクター、デヴィッド・フォンヴィエルによって購入されたCX3237は、コネチカット州にある有名なコブラ・スペシャリスト、コブラ・オートモーティブでフルレストアの作業を受け現在の姿に。2021年に現オーナーとなったというのが大まかな履歴である。
残念ながら今回は希望落札価格に至らず、流札となってしまった。だが、その価値はこれからますます高まることはまずは確実なところ。ちなみに実車は120万ドル(邦貨換算約1億7640万円)の価格で、RMサザビーズのプライベート・セールにて販売が継続されている。
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みんなのコメント
フォードなんでミディアムブロックだよ。
バカ
ここの編集のヤカラはビッグもスモールも数字だけの違い位しか、判別つかないんだろうな。
それでいっちょ前にクルマの仕事かw