現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > アップデート版『9X8』は第2戦から登場か。プジョー、WECイモラでのデビューを目指す

ここから本文です

アップデート版『9X8』は第2戦から登場か。プジョー、WECイモラでのデビューを目指す

掲載
アップデート版『9X8』は第2戦から登場か。プジョー、WECイモラでのデビューを目指す

 プジョー・トタルエナジーズのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニによると、フランスのハイパーカーメーカーはイモラ・サーキットで開催されるWEC世界耐久選手権第2戦で、改良型『プジョー9X8』をレースデビューをさせることを目指しているという。

 また、プジョーは開幕戦を欠場することなく、従来型のマシンを用いて3月2日に開催される『カタール1812km』に出場する予定だ。

脱ウイングレスで「ドライバーに自信を与えられるクルマに」ディ・レスタが語るプジョー9X8のアップグレード

 ジャンソニはシーズン前のメディア向け電話会見で記者団に対し、フランスのマニュファクチャラーが2024年のキャンペーンを2023年型の“ウイングレス”9X8でスタートさせることを明らかにした。

 昨年12月にポール・リカールでテスト走行が目撃されたアップデートカーは、4月19~21日に行われる第2戦イモラで初レースに臨んだ後、6月に行われる第4戦ル・マン24時間レースを含む残りのWECシーズンを戦っていくことになる。

 FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブの技術規則では、LMH(ル・マン・ハイパーカー)メーカーはデビューレースの前に再ホモロゲーション承認を受ければ、シーズン途中にアップデートを行うことが認められている。

「タイムフレームは、実際にイモラでレースをする準備をしようとしている」とジャンソニは語った。

「つまり、2023年仕様のマシンでカタールでのシーズン・オープニングレースを戦い、その後2024年仕様のマシンを第2戦イモラに持ち込むということだ。これは3月末までに再ホモロゲーションが完了するように準備する必要があることを意味している」

 彼は9X8のアップデート仕様を開幕戦で走らせることは「あり得ない」と述べた。プジョーは、完全に準備が整う前に新しいクルマを急いで使用したくない、と考えている。

「私たちはそれが不可能であることを最初からわかっていた」と同氏。

「というのも、現在のホモロゲーション・プロセスでは、実際に新しいホモロゲーションやジョーカーを行う場合、それらを完全に行う必要があるためだ」

「中途半端にはできない。そしてそれには時間が掛かる。ジョーカーの効果を最大限に引き出すために5つのジョーカーを使うんだ」

 彼は続けて、3シーズン目の参戦に向けて9X8に加えられた変更の大部分がタイヤ寸法の変更によるものだと説明した。

 プジョーは、フロントとリヤの両方に31cmのミシュランタイヤを履くという以前のコンセプトを捨て、WECのハイパーカークラスで一般的な幅の狭いフロントタイヤ(29cm)と幅の広いリヤタイヤ(34cm)を採用する予定だ。

■マシンの重量配分を再調整する

「私たちが行う変更のほとんどは、タイヤ寸法に対応するためのものだ」とジャンソニは説明する。

「まず、クルマの重量配分を変える必要がある。私たちの9X8は幅31cmのタイヤを履くため、かなり前寄りの重量配分で走るように設計された。つまり、なんとかしてそれを中心部に戻す必要があるんだ」

「重量配分を変えるにはいくつかの軽量パーツを装着し、バラストを移動させ、さらにエアロバランスを再調整しなければならない」

「パッケージの2番目に大きな部分は、新しいタイヤディメンションに合ったマシンの空力バランスをとることだ。すべての調整は、以前とは異なるタイヤを選択することによって必要となるものだ」

 パワートレイン開発に関して、他の“EVOジョーカー”が使われているかどうか問われたジャンソニは、次のように答えた。

「もちろん、ジョーカーを使って具体的に何をやっているのかをあまり詳しくは公表したくないが、ジョーカーひとつはホモロゲーションの1章に相当する」

「こういうことなんだ。パワートレインに何か変更を加えたい場合、トランスミッションにひとつのジョーカーを、エンジンにひとつのジョーカーを使うことができる」

「だから、私たちは自分たちが何をしているのかつねに注意して見ている。ジョーカーの数には限りがある。ホモロゲーションでは全部で5つのジョーカーしかないからね」

「そのため我々は、現在行っている改良の範囲をパフォーマンスにとって必要不可欠なポイントに限定しているんだ」

関連タグ

こんな記事も読まれています

新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
ベストカーWeb
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
グーネット
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
グーネット
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
グーネット
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
グーネット
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
グーネット
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
AUTOSPORT web
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
くるまのニュース
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
AUTOCAR JAPAN
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
Auto Messe Web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
AUTOCAR JAPAN
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
レスポンス
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
AUTOSPORT web
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
くるまのニュース
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村