軽自動車でナンバーワンのセールスであるのはもとより、登録車を含めた総合ランキングでもトップに立つことが珍しくない、まさに「日本一売れているクルマ」、それがホンダN-BOXです。
そのフルモデルチェンジとなれば、メーカーとしては力を注いだものになるわけですが、それを象徴するようにエンジンが新型となっています。
そのエンジン型式は「S07B」。従来型が搭載していたエンジンは「S07A」ですから末尾のアルファベットが変わっただけの進化版に見えますが、ボア×ストロークも変わっているほどの大幅進化を遂げています。
比較すると、従来型のボア×ストロークが64.0mm×68.2mmだったのに対して、新型エンジンは60.0mm×77.6mmと超ロングストロークになっているのです。
しかし、ポイントはストロークを伸ばしたことよりもボアを小径化したこと。燃焼室の表面積を小さくすることで冷却損失を低減するほか、スパークプラグから燃焼室の端までの距離を短くすることで耐ノッキング性能も高めることが期待できます。
さらにロングストローク化するということは、同じ回転数におけるピストンの往復スピードが高くなるわけですが、それを利用してシリンダー内に強いタンブル(縦うず)を生み出すことで急速燃焼を促進するというのも、ホンダらしいところ。
ロングストロークだからといってパワーを諦めるわけではありません。その証拠に、軽自動車のNA(自然吸気)エンジンとしてはトップクラスの58馬力(43kW)の最高出力を7300rpmという高回転で発生しているのです。
そして、新型N-BOXの新しいパワーユニットが、高回転型ハイパワーエンジンに仕上がっているのには、ホンダ独自の伝統的な技術が投入されています。それが吸気側に与えられた「VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)」。
意外ながら軽自動車には初採用となったVTECを採用したことで、4000rpmから上のトルクを太らせ、5000rpm以上でのパワーを増しています。
さらに吸気側カムにはVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)も併用することで、スムースでパワフルな走りと燃費性能を両立させているというセールスポイントも期待を高めます。
唯一、エンジンのヘッドカバーなどに「VTEC」の文字が入っていないのは残念なところ(?)ですが、軽自動車初のVTECエンジンは新型N-BOXにおける新しい価値のひとつといえるのではないでしょうか。
(文:山本晋也)
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