現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > みんなホントにSUVじゃなきゃダメ? なぜ世界的にSUVブームが巻き起こったのか考えてみた

ここから本文です

みんなホントにSUVじゃなきゃダメ? なぜ世界的にSUVブームが巻き起こったのか考えてみた

掲載 96
みんなホントにSUVじゃなきゃダメ? なぜ世界的にSUVブームが巻き起こったのか考えてみた

 この記事をまとめると

■現在、世界的なSUVブームが巻き起こっている

売れないクルマを売るための特効薬!? 最近車名が「クロス」だらけなワケ

■とくに比較的ライトでファミリーカーとしても使えるようなモデルが人気

■SUVブーム到来の理由や売れ筋モデルの特徴について解説する

 パイオニアは初代RAV4!

 今、世界的なSUVブームだ。国内外の自動車メーカーはこぞってSUVの新車を登場させ、人気を得ている。なにしろポルシェなどのスポーツカーメーカー、ベントレー、ジャガーなどの超高級車メーカーでさえ、SUVを揃えているほどだ。

 ところで、SUV=スポ―ツ・ユーティリティ・ビークルは遊び、たとえばアウトドアやキャンプ、釣り、スノー&サーフスポーツにうってつけのクルマとしても認知されているが、ランドローバー・レンジローバー、ディフェンダー、ジープ・ラングラー、スズキ・ジムニーといった本格的な悪路に対応する硬派と、前輪駆動車のプラットフォームやパワーユニットを用いた比較的ライトで普段使いの乗用車、ファミリーカーとしても使える車種に分けられる。

 現在のブームの主役は後者であり、そのパイオニアは1994年に登場した初代トヨタRAV4だろう。乗用車系プラットフォーム、パワーユニットを使い、コンパクトなSUVに仕立てたわけだが、これが世界的に大ヒット。続く1997年には同じくトヨタがプレミアムなSUVとしてハリアー(北米ではレクサス)がデビュー。この2台が世界のSUVブームの火付け役となり、他社が追従していったことはまず間違いないところである。もちろん、海外でもポルシェ・カイエン(2002年~)、その共同開発車だったVWトゥアレグ、さらにあのミニまでもがSUV風のクロスオーバーグレードを登場させ、世界的なSUVブームを後押しする。

 以来、日本でもトヨタRAV4、ハリアーはもちろん、日産ジューク、エクストレイル、ホンダ・ヴェゼル、マツダCX-5などの人気が高まり、まず悪路を走る冒険に出かけるようなことをしないユーザーにも、SUVは支持されていくことになる。クロスカントリー方向に舵を切った現行RAV4のようなSUVがある一方、スタイリッシュなデザインで選べるトヨタC-HR、ヴェゼルのようなSUVがあるのも選択のしやすさとなっているはずだ。とくにコンパクトカーが愛される欧州ではコンパクトなSUVの人気が高く、VWもポロベースのコンパクトSUV、T-CROSSを登場させ、日本の国内輸入SUVの販売台数No.1を獲得したほどである。

 では、SUV人気の理由はどこにあるのだろうか。その前にSUVのメリットを紹介すると、堂々感、存在感あるスタイル、堅牢感、最低地上高と全高の高さによる“意外にも”乗り降りしやすい乗降性(シート位置が低すぎない)、高く見晴らし感覚の爽快な視界、それに伴う扱いやすさ、ワゴンに準じる荷物の積載性の高さ、そしてもちろん、最低地上高の余裕と4WDの組み合わせ(ベースはFFでも)による走破性の高さが、極悪路を走らないような人にとっても「なんとなく安心できる」となるわけだ。

 悪路を走らなくてもSUVは万能なクルマ

 日本においては、90年代のミニバンブーム後、ミニバンの高い着座位置、視界に慣れてしまった自動車ユーザーが、家族構成の変化などで3列シートのミニバンが不要になったタイミングで、しかし背が低く、視界も低いクルマに乗り換えるのを躊躇した際、格好の選択肢として流行り始めのSUVに目が向いた……のも当時の印象であった。セダンでも、ワゴンでも、クーペでも、ミニバンでもない、ちょっと先をいく選択肢だったわけだ。だから流行に敏感なオシャレさんも飛びつくことになる。

 乗用車ベースのSUVの魅力は、トヨタ・ハリアーなどに象徴されるように、立派な体躯、最低地上高の余裕と4WDによる走破性の高さ、ワゴン並みの荷物の積載性を持ちながら、乗って走り出せば、高級サルーンに匹敵する快適感を味わうことができるところにもある。マツダCX-3、トヨタ・ヤリスクロスのようなコンパクトなSUVなら、まるで扱いやすさ抜群のコンパクトカーを操る感覚で乗りこなすことができるのだ。今ではHVやPHEV、BEVの電動SUVが続々と登場し、SUVは大きく重く燃費が悪い……というかつてのネガティブイメージも払拭されつつある。

 デメリットとしては立体駐車場に入りにくいことだが、都心でも新しい駐車場は平面置きが少なくなく、また、ミニバン経験者にとっては百も承知なデメリットと言っていい。

 そして決定的だったのが、コロナ禍だ。リフレッシュしたい人たちは宿泊施設ではなく、人との接触が避けやすいアウトドア、キャンプに注目。その足としてもSUVはアウトドアフィールド、キャンプフィールドに似合う(ファッションとしても)格好のクルマなのである。

 今ではこれから発売される三菱デリカミニ、スズキ・スペーシア ギア、スペーシア ベースといった軽自動車のSUVからFRベース、直6エンジン搭載のマツダCX-60、国産ハイエンドのレクサスLX、電気自動車のマツダMX-30、悪路にもめっぽう強いPHEVの三菱アウトランダーなど、国産SUVだけでも選び放題。

 国産車では選択肢が限られてしまったセダン、ワゴンとは逆に、そんな、価格、サイズ、電動車を含むパワーユニット、デザイン性などを含む選択肢の多さもまた、SUVが支持され、人気が爆発している大きな理由になっているはずだ。くどいようだが、電動SUVを選べば、SUV=燃費が悪い……というSUVにまず思い浮かぶデメリットも感じずに済むのである。この時代にある意味、万能なクルマがSUVということだ。

こんな記事も読まれています

電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
ベストカーWeb
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
AUTOSPORT web
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
AUTOSPORT web
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
motorsport.com 日本版
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
ベストカーWeb
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
AUTOSPORT web
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
AUTOSPORT web
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
AUTOSPORT web
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
AUTOCAR JAPAN
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
motorsport.com 日本版
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
ベストカーWeb
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
Auto Messe Web
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
AUTOCAR JAPAN
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
Auto Messe Web
アクシデントで途中終了に終わったSF第3戦。優勝の野尻智紀が安全対策に警鐘鳴らす「起こるべくして起きた印象。準備が足らなかったのでは」
アクシデントで途中終了に終わったSF第3戦。優勝の野尻智紀が安全対策に警鐘鳴らす「起こるべくして起きた印象。準備が足らなかったのでは」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選
AUTOSPORT web

みんなのコメント

96件
  • 背が高い方が運転疲れにくいからね
    問題はSUVとクロカン?を混同してる事だと思う。
    背が高い=悪路が走れるでは無いからね
  • 流行っるんじゃなくてメーカーが勝手に大量に作ってるだけ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

293.8388.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.1565.0万円

中古車を検索
RAV4の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

293.8388.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.1565.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村