武蔵精密工業は21日、豊田通商と台湾の電子機器メーカー、デルタ・エレクトロニクスとともに、インドで電動二輪車向け駆動ユニットを合弁生産することで合意したと発表した。現地生産した電動駆動ユニットはインドで電動モビリティ事業を手がけるスタートアップのBNCに供給し、2024年2月に市場投入される予定。武蔵精密の主要事業である変速機関連技術を応用し、電動二輪車の部品需要を取り込む。
3社はインドに合弁会社「ムサシ・デルタ・eアクスル・インディア」を設立することで合意した。出資比率は武蔵精密のインド現地法人が51%、デルタが34%、豊通が15%となる。
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電動駆動ユニットは主にギアボックスとモーターで構成する。武蔵精密とデルタは、インドの二輪車市場で主力となる排気量125ccクラスと同等以上の走行性能を持つ小型・軽量で静粛性を持つサイド・レイアウト方式の電動二輪車向け駆動ユニットを一体のシステムとして開発した。合弁会社は、武蔵精密のインドのバンガロール工場内に電動駆動ユニットを生産するラインを設け、今年末から生産を始める。BNCのほか、ケニアのARCライドなどへの供給も決まっている。
市場ニーズに対応した電動駆動ユニットのラインアップを拡充し、日系二輪車メーカーを含めて納入先の拡大を図っていく。30年には年間100万基の販売を目指す。
世界最大の二輪車市場であるインドは、政府が30年までに二輪車の8割を電動化する目標を掲げている。武蔵精密は四輪車に先行して二輪車の電動化が加速すると想定、グループにある経営資源を活用し、競争力の高い二輪車向け電動駆動ユニットを先行投入して事業を軌道に乗せたい考えだ。
武蔵精密として、電動駆動ユニットの製造・開発には、これまで培ってきた変速機関連の技術や人材、設備を生かせる。EVシフトに伴って市場縮小が見込まれる四輪車向け変速機事業をカバーしていく狙いもある。
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