現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > スズキ・ジムニー(シエラ) 5ドアへ海外試乗 待ち望んでいた本当の姿? WBを340mm延長

ここから本文です

スズキ・ジムニー(シエラ) 5ドアへ海外試乗 待ち望んでいた本当の姿? WBを340mm延長

掲載
スズキ・ジムニー(シエラ) 5ドアへ海外試乗 待ち望んでいた本当の姿? WBを340mm延長

ホイールベースを伸ばしリアドアを追加

4代目へモデルチェンジしたスズキ・ジムニーは、2018年の登場以来、世界各国で人気を博している。メルセデス・ベンツGクラスを彷彿とさせる四角いカタチに、道具的で機能的な内装のデザイン、個性的なパッケージングで、多くのファンを獲得している。

【画像】待ち望んでいた本当の姿? スズキ・ジムニー(シエラ) 5ドア 競合サイズのSUVと比較 全117枚

唯一、弱点といえたのが狭い車内空間。それを克服するべく、歴史の長いジムニーとして初めて、5ドア仕様が登場した。ホイールベースを340mm伸ばすことで、リアドアを追加。荷室容量も126L増えている。

ただし、購入できる市場は限られている。小さなサイズでも、CO2の排出量は少なくなく、英国への導入は今のところないという。今回筆者が試乗したのは、既に販売が始まっている南アフリカだ。

全長は、スペアタイヤ込みで3965mmへ長くなったが、1645mmの全幅と1720mmの全高は、3ドアのジムニー・シエラと同じ。フォルクスワーゲンTクロスよりひと回り小さい。ファミリーSUVが並ぶ駐車場に停まると、明らかにコンパクトでかわいい。

定員は4名で変わりないが、車内は充分広くなり、家族4名でのお出かけに問題なく対応できる。小旅行なら、荷物もしっかり載るはずだ。

特長といえる機能が、前後のシートがフルフラットになること。全部倒すと、大人2名が寝られるベッドになる。キャンプなどでの車中泊にピッタリだろう。

ラダーフレームにリジッドアクスル

内装の質感はソリッド。スイッチ類は大きくデザインされ、悪路でボディが傾いても握って体を支えられるよう、グリップがドアに用意されている。

ダッシュボード中央には、9.0インチのタッチモニターが据えられる。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに無線で対応し、現代的な機能もしっかり備わる。

ただし、動的な印象は従来的。その理由の1つが、3ドアのジムニー・シエラと同じく、ラダーフレーム・シャシーと3リンクのリジッドアクスル・サスペンションで支えられているため。

ホイールベースが長くなり、多少改善しているものの、明確に落ち着きを増したわけではない。時折、若干不安定に感じられる場合もある。

エンジンは1.5Lの自然吸気ガソリン。最高出力104psに、最大トルク13.6kg-mと、潤沢とはいえないパワーで、3ドアから75kg増えた1210kgのボディを受け持つ。坂道ではシフトダウンが必要だし、高速道路では高めの回転数を維持することになる。

日本には軽自動車規格のジムニーもあり、それにはガソリン・ターボエンジンが載っている。しかし、最高出力は64ps。より強力な、ブースタージェット・ユニットが載る可能性もないとか。

ブレーキペダルの感触が、運転する自信を高めるわけでもない。ステアリングホイールの操舵感は重めだ。とはいえ、これらは3ドア版と大きく違わない。ジムニー独自といえる、愛らしい個性を否定することには繋がらない。

待ち望んでいたジムニー シティカーにも理想的

アスファルト舗装からそれて、南アフリカの荒野へ足を踏み出せば、小さなジープ・ラングラー的な能力が顕になる。5速ATも選択できるが、試乗車は5速MT。細めのトルクを、正確に路面へ伝えられる。ジムニーのホームは、農道や砂利敷の田舎道だ。

オフロードコースも試したが、悪路性能は驚くほど。210mmある最低地上高と、フロント側の36度のアプローチ・アングル、リア側の47度のデパーチャー・アングルを、しっかり活用できる。

小さなサイズと軽めの車重で、殆どの不整を軽々と越えてみせる。四輪駆動システムは、ハイレンジとローレンジを簡単に切り替えられ、多様な状況にも対応できる。

ただし、デフロックは装備されていない。深いぬかるみが得意とはいえず、最終的にハマってしまった。それでも、こんな側面もジムニーの楽しさを構成する要素だろう。

多くのSUVとは異なり、小さなボディは市街地での取り回しにも有利。平日は通勤や買い物に使え、週末は本格的な冒険に出かけられる。シティカーとしても、理想的に思えてしまう。

ちょっとパワー不足で、オンロードでの乗り心地はいまひとつ。質実剛健なボディのデザインと、居心地が良くオフローダー的な車内、適度なデジタル技術などが融合し、唯一のジムニーらしさが形成されているように思う。

伸ばされたホイールベースと追加された2枚のドアによって、一層の実用性を獲得した5ドア仕様は、我々が待ち望んでいたジムニーなのかもしれない。販売市場が限定されることが、非常に惜しい。

執筆:マーク・スミス

スズキ・ジムニー(シエラ) 1.5 GLX 5ドア(南アフリカ仕様)のスペック

南アフリカ価格:42万9900ランド(約335万円)
全長:3965mm
全幅:1645mm
全高:1720mm
最高速度:154km/h
0-100km/h加速:12.0秒
燃費:13.1km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1210kg
パワートレイン:直列4気筒1462cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:−kWh
最高出力:104ps
最大トルク:13.6kg-m
ギアボックス:5速マニュアル(四輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村