はじめに
2022年現在、ボルボの新車販売は10台に3台がリチャージモデルだ。ここ数年で、ボルボはフル電動モデルに力を入れてきた。しかし、PHEVの歴史は10年を超える。そして、十分に商業的な進歩を重ね、PHEVの販売台数はEVの3~4倍に達している。
間違いなく明らかなのは、イエーテボリのパワートレイン戦力においてガソリンハイブリッドが、いまもって重要なパートを占めると考えられていることだ。今回のロードテストで取り上げるクルマは、それを証明している。
ボルボV60のT6リチャージは、60系と90系の幅広いファミリーのなかでは、大幅に改良されたハイブリッドシステムを与えられたモデルだ。重要なコンポーネンツはどれも、これまで通りのパッケージだが、駆動用バッテリーのキャパシティと、電気モーターの出力は大幅に向上した。これについては、あとで詳しく説明しよう。
これによって、V60のPHEVはフルチャージで80km以上の電力走行ができるようになった。WLTPモードでは、先代に当たるモデルに対して60%近いアップだ。それでいて、価格は性能に劣る先代モデルとたいして変わらない。
電動パワートレインのテクノロジーの急速な熟成がもたらした衝撃を、スペック上でこれほど感じられるものはない。しかし、燃費やドライバビリティ、パフォーマンスや使い勝手、そして全般にわたるボルボにつきものの円熟味や快適性も、実際に走らせて感じる衝撃はどれほど大きいのか。確かめてみようではないか。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
現行の第2世代V60は、現在のボルボが大きめのラインナップに用いているSPAモデルプラットフォームへ移行した、トラディッショナル系では最後のモデルということになる。登場したのは2018年。アメリカ製の兄弟車であるセダンのS60が欧州市場に上陸する直前のことだった。
技術面の関連性があるSUVのXC90はフルモデルチェンジ間近だが、V60はまだ世代交代から数年しか経っていない。ただし、2023年モデルでマイナーチェンジを実施する予定だ。今回テストしたのは、変更前の2022年モデルである。
全長4.8mをわずかに切る中型ワゴンで、直接的な競合モデルはメルセデス・ベンツCクラス・エステートやアウディA4アバント、ジャガーXFスポーツブレークなどだ。シャシーは多種類の高張力スティールが用いられ、ボンネットの下には4気筒ガソリンエンジンを横置きする。
このメカニズムの構成は、最新のボルボ車では一般的なもので、レイアウトはフロントの衝撃吸収構造を最適化する。なお、ディーゼルエンジンは2021年にすべて廃止されている。
駆動方式はFFと4WDが用意され、トランスミッションは全車ATになった。サスペンションは四輪独立で、フロントはダブルウィッシュボーン+コイル、リアはポリウレタンレジン複合材の横置きリーフを用いたマルチリンクだ。V90やXC60とは異なり、V60にエアサスペンションやアダプティブダンパーは設定されていない。
プラグインハイブリッド仕様は、以前のモデルより大幅に容量を増やした駆動用リチウムイオンバッテリーと、やはり大幅にパワーアップした電気モーターを積む。トランスミッショントンネル内に設置されるバッテリーは、パウチセルの数をふたつから3つに増やし、総電力量は11.6kWhから18.8kWhへ増加。実用容量は14.9kWhだ。
これにより、WLTPテストにおけるEV走行距離は伸びている。オプションの選択によって幅はあるが、先代V60のT6リチャージは50~60kmだったが、現行モデルは76~87kmをマークする。これはなかなかの意味を見出せそうな改善だ。
改良前のモデルと変わらないのは、252psの1969ccガソリンターボエンジンが、8速ATを介して前輪を駆動すること。後輪は永久磁石動機モーターが直接駆動するが、このモーターは以前の87psから145psへ強化されている。
システム合計出力は350psと公称されているが、トルクは未公表。同じプラットフォームのモデルには、よりパワフルなT8リチャージを設定するものもあるが、V60には用意されていない。そちらはエンジンがより強力なものとなる。
実測した車両重量は2036kgで、スペック表の掲載値を40kg少々上回っている。重いクルマではあるが、このサイズのPHEVワゴンとしては想定内だろう。
内装 ★★★★★★★★☆☆
ボルボですっかりおなじみになったRデザイン仕様のデザインは、快適性や機能性、汎用性を損なわないでいてほしいという期待を裏切らない。ただし、キャビンも荷室も、その広さはクラス最高レベルというわけにはいかない。
運転席のドアを開けると、目に入るシートはスポーティだが、快適に座れる大きさと、必要性の高い部分をすべて支えてくれるサポート性がある。掛け心地は、一日中乗っていても心地いい。座面長の調整機構は標準装備だ。
ヘッドレストは一体型の固定式だが、形状もポジションも文句なし、というのがテスター陣の感想だ。調整式ランバーサポートは効果を感じられる張り出しがあるのに、日々の乗り降りで邪魔に感じることはない。
後席のスペースは、ミッドサイズのエグゼクティブエステート、つまりこのクラスのワゴンとしてはアベレージレベルといったところ。ボルボが駆動用バッテリーを収めることにしたセンタートンネルがあるので、中央席に座るときはそれをまたがなければならないが、左右席なら標準的体型の大人が十分快適に過ごせる。テスト車はラウンジパッケージ装着車で、パノラミックサンルーフが付いていたが、ヘッドルームは気になるほど侵害されていなかった。
テスト車のインテリアは、かなりダークな色調だった。標準仕様のレザーも内装のマテリアルも暗めの色合いで、そこにクローム調やアルミ調のメタリックなトリムが組み合わされ、現代的な雰囲気だ。このほかに、2トーンのシートやナチュラルなルックスのトリムも選べる。
マテリアルのクオリティの水準はやや控えめだが、スイッチ類や装備類の手触りはかなりソリッドで頑丈そうなので安心感がある。収納スペースはちょっと足りない印象で、ドアポケットの大きさも十分ではなく、アームレスト下の小物入れはかなり浅い。センターコンソールはドリンクホルダーが重視されていて、財布や携帯電話の置き場は二の次にされているように思える。
デジタルメーターパネルのディスプレイはクリアで、操作は容易。センサスコネクトこと縦型画面を用いたインフォテインメントは、使い方にはすぐに慣れることができる。ただし、これらは2023年モデルでの変更対象となる予定だ。
荷室の広さは、中型ワゴンとしてはほどほどでしかない。ボルボのワゴンといったら、広大な積載スペースを期待してしまうだけに、これは残念だった。とはいえ、フロアの底上げなど、PHEVでありがちなデメリットはない。
バーチャルペダルと呼ばれるリモートオープン機能付きパワーテールゲートは、後ろ向き駐車の際には不用意に開けてしまって壁や障害物に当ててしまわないよう注意したい。テスト中は幸いにもそういうトラブルがなかったものの、それでボディに傷が付いてしまったら、怒りのほうはぶつけどころがないという、くやしい羽目になる。
広さはともかく、積載スペースの出来はこの上なくいい。横方向の引き上げ式仕切り板はすばらしく、フックや固定用リングは多く設置されている。ほかにも、長尺物を積むためのスキーハッチ、12V電源ソケットが備わる。床下収納もあるのだが、充電ケーブルが収まるほどの大きさはないのが悔やまれる。
走り ★★★★★★★★☆☆
ボルボのプラグインハイブリッドは、ほかの機会にも述べてきたが、ここのところエンジンの静粛性で飛躍的な進歩を遂げている。ひとつには、ターボとスーパーチャージャーを併用していた4気筒ユニットを、よりシンプルなターボユニットに置き換えたことが理由に挙げられる。それは高出力版のT8でもだ。
また、改良版T6は、エンジンが回っているときでも優れた洗練性を示すが、燃焼を止めている機会が多いことも効いている。
V60 T6リチャージは、低速時にはほとんどが電動走行となる。パフォーマンスでもドライバビリティでも、新たな駆動モーターによる違いは明白。ゼロ発進時や60km/h以上の速度域でも、ゼロエミッション走行できるケースが増えた。スロットルレスポンスは爽快かつリニアだが、これは後輪をモーターがダイレクトに駆動するので、ギアボックスによるラグが完全に排除できるからだ。
もっともパフォーマンス志向のモードでは、0-97km/hを4.9秒、0-161km/hを11.8秒で駆け抜ける。今回のようなドライコンディションではなかったものの、メルセデス・ベンツC300eセダンやアウディA6 50TFSIeのテスト結果と比較すれば、どちらもV60のほうがかなり速い。しかも、この結果はボルボの公称タイムすら凌ぐものだ。
とはいえ、V60とライバルとのもっとも注目すべき違いは、電力走行時にみられる。48-113km/h加速が10.8秒というのは、メルセデスの12.4秒やアウディの12.3秒にだいぶ差をつけている。ライバルたちは、エンジンを使わずに走った際、取り立てて活発には感じられなかった。V60が見せたゼロエミッション走行でのレスポンスと元気さは、電動パワートレインのパフォーマンスを重視するドライバーの指示を集める材料となりうる。
ハイブリッドモードで走ると、電動モーターから内燃エンジンへの切り替えがなめらかにいかないケースがあった。しかしながら、スムースに入力し、ほどほどの動力性能を求めている限り、そういうことはめったに起きない。
単にスピードを出すのではなく、もっと積極的にドライビングを楽しもうとすると、このクルマとの一体感はあまり得られないかもしれない。シフトパドルはなく、トランスミッションがスロットルを大きく開けても高めのギアを保つこともないので、選んだギアをキープして走ることはほぼ不可能に思える。
市街地を出て、妥協したドライビングをすると、トランスミッションは完全に接続を絶って効率重視のコースティングをしたがる。再度つながるのはコーナリング中やスロットルペダルの入力に反応したときくらいだが、それがどうにもぎこちない。
適切な状況で使えば、クルージングでの燃費改善に寄与するかもしれない。だが、できる限り自分でクルマをコントロールしたいドライバーからすれば、魅力を損なうものだと思うだろう。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
ボルボにインフォテインメント系は、従来のセンサスコネクトから、昨年のXC60改良時にお目見えしたAndroidベースの新型システムへ移行中だ。
V60は、2023年モデルで更新される予定で、今回のテスト車には従来型システムが搭載されていた。機能面でやや不足はあったものの、使い勝手は最高だった。
スマートフォンのミラーリングはAppleもAndroidも有線で、しかも有償オプションというのは、5万ポンド(約825万円)のクルマとしてはガッカリな話だ。それを除けば、センサスコネクトは粗探しをするほうがむずかしい出来栄えだった。
ホーム画面から左右へスワイプして、パーキングセンサーやレーンキープアシストなどの設定画面を見つけ出し、オン/オフを切り替える操作は、やり方さえ覚えてしまえば簡単だ。デジタルメーターの表示はシンプルでスマート。さらに、重要な操作系には、実体のあるスイッチやノブが数多く用意されている。
昨年、改良型XC60の新型システムに触れる機会があったが、旧型システムの退役が惜しまれるだろうと思わせるものだった。
燈火類
LEDヘッドライトは825ポンド(約13.6万円)で、コーナリングライト機能のアクティブベンディングや、配光調整のシャドーテクノロジーが追加できる。ハイビームの照射範囲はエクセレントだが、アクティブビームのレスポンスはもう少し早くできそうだ。
ステアリングとペダル
フットウェルは広く、十分なサイズのフットレストが備わる。ふたつのペダルはどちらも右寄り。ステアリングコラムはきっちりセンターにあり、チルトもテレスコピックも調整幅は広い。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
アダプティブダンパーもエアスプリングも備えない、技術面ではシンプルなサスペンションであるにもかかわらず、このV60はほとんどのオーナーに歩み寄れる、まさしく折衷案的な運動性を持っている。
このクルマ、スマートでスポーティなルックスだがリラックスしたキャラクターで、ドライビングはイージーな上に安心感があり、多くを要求されることがない。ステアリングはフィルターを通したようなフィールで、やや軽く、ほどほどのペースで、楽にクルマを操れる。逆に、飛ばしても十分なほど精密な走りを見せてくれることもあるが、やりがいがあるものではない。
いっぽう、ボディコントロールは車体の重さを感じさせることがなく、コーナーでも、波打ちが長めのバンプでも、キッチリと対処できる。タイトコーナーに速いペースで入ると、アペックスへ向けてリアのモーターに押されるようなフィールで、わずかながら自分の下でシャシーがクルリと回るような感覚もある。
しかし、シャシーのチューンはほぼ常に快適さをもたらす。そうでないときは確実なロードホールディングと全面的な扱いやすさがあり、ときには躍動感と敏捷性も発揮するが、それはかなり優先度の低い二義的なものだ。
経済性重視のミシュラン・プライマシーを履いているので、ほかの部分よりもタイヤにグリップ性能やエンターテインメント性の限界を決められてしまうことが多い。飛び抜けてグリップレベルが高いとはいえず、速度域の高いコーナーでは案の定アンダーステア方向に流されてしまう。スタビリティコントロールが、控えめながらも効果的に効いているにもかかわらず、だ。
しかし、このクルマの購買層が、8kmほどのEV航続距離や数%の燃費を犠牲にしてでも高いグリップレベルを求めるだろうか。そういうニーズに応えるクルマだとは思えない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
ノイズや乗り心地の破綻しやすさは、オプションの19インチホイールを装着したRデザインということで増している部分もあるだろう。それでも、このクルマが醸し出す全体的に穏やかな雰囲気を、走った途端に破綻させるようなものではない。
乗り心地は総体的にしなやかだが、柔らかくてのたうつような動きはない。波の長い入力はうまく吸収するが、きつい突き上げや排水溝を踏んだときなどには蹴つまづいてバタつくこともある。Rデザイン以外のシャシーチューニングや、Rデザインでも18インチ仕様なら、そういう挙動は低減できるだろう。
路面からのノイズも風切り音も、うまく打ち消している。良好な視界と快適なシートもあって、非常に完成度の高い、実用的な日常使いできるクルマとなっている。おそらくはそれこそが、ボルボが目指すバランスなのだろう。
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
ハイブリッドシステムの性能向上に対して、価格上昇を抑えたボルボの決断は、ユーザー本位の利他的なものに思えるだろう。もっとも、競争力のある価格設定は、これまでもV60のアドバンテージだった。
オプション抜きで4万7225ポンド(約779万円)という価格は、同等装備のメルセデスC300eエステートよりやや高いが、あちらは後輪駆動だ。同じ4WDとしてはBMW 330e xドライブ・ツーリングがあるが、それよりは安価だ。BMWやDS、シュコダなどに比べ、V60とC300eは社用車としての税率も有利になる。
EV航続距離は、公称値では最大87kmというが、われわれのテストでの平均値は82kmだった。このクラスではみごとな数字で、燃料代やエミッションは重視するが、EVへの移行は控えたいユーザーには魅力的に映るだろう。ちなみに、今年テストしたC300eは77kmだった。
充電ケーブルは、英国では3ピンと7ピンのタイプ2が標準装備。しかし、充電性能は最大3.7kWに過ぎず、フルチャージには5時間かかる。
スペック
レイアウト
ボルボのSPAプラットフォームのうち、V60に採用されたのは小型なほうのバージョン。4気筒エンジンをフロントに横置きし、8速トルクコンバーターATと組み合わせて前輪を駆動する。
T6リチャージは、リアに145psのモーターを積む。18.8kWhの駆動用バッテリーは、トランスミッショントンネル内に配置された。前後重量配分は54:46だった。
エンジン
駆動方式:フロントエンジン/リアモーター横置き四輪駆動
形式:直列4気筒1969ccターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:-
ボア×ストローク:φ82.0×93.2mm
圧縮比:10.3:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:252ps/-rpm
最大トルク:35.7kg-m/-rpm
エンジン許容回転数:-rpm
ハイブリッドアシスト:永久磁石同期モーター
モーター最高出力:145ps
モーター最大トルク:31.5kg-m
システム総合出力:350ps/5500rpm
システム総合トルク:-kg-m/-rpm
馬力荷重比:175ps/t
トルク荷重比:-kg-m/t
エンジン比出力:128ps/L
ボディ/シャシー
全長:4761mm
ホイールベース:2872mm
オーバーハング(前):-mm
オーバーハング(後):-mm
全幅(ミラー含む):2050mm
全幅(両ドア開き):3680mm
全高:1437mm
全高:(トランクリッド開き):1960mm
足元長さ(前席):最大1120mm
足元長さ(後席):670mm
座面~天井(前席):最大980mm
座面~天井(後席):920mm
積載容量:529~1441L
構造:アルミ/スティールモノコック
車両重量:1994kg(公称値)/2036kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:8.5Jx19
タイヤ前・後:235/40 R19 96W
ミシュラン・プライマシー4
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.25/7.9
2速:3.03/13.5
3速:1.95/21.1
4速:1.46/28.2
5速:1.22/33.6
6速:1.00/41.0
7速:0.81/50.7
8速:0.67/61.3
最終減速比:3.08:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:21.2km/L
ツーリング:13.5km/L
動力性能計測時:8.4km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:90.8~124.8km/L
EV航続距離:87km
燃料タンク容量:60L
駆動用バッテリー:18.8/14.9kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(モーターのみ):約82km
現実的な航続距離(エンジンのみ):約-km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):約890km
CO2排出量:18~25g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後: マルチリンク/コンポジット横置きリーフスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.9回転
最小回転直径:11.7m
ブレーキ
前:371mm通気冷却式ディスク
後:320mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBA、EBD
ハンドブレーキ:電動、センターコンソール右側にスイッチ配置
静粛性
アイドリング:40dBA
全開時(4速):75dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:67dBA
安全装備
ABS/EBA/EBD/ESP/シティセーフティ/オンカミングレーン・ミティゲーション/ランオフ・ロードプロテクション
Euro N CAP:5つ星(2018年、D4 FWD)
乗員保護性能:成人96%/子供84%
交通弱者保護性能:74%
安全補助装置性能:76%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温25℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.7秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.9秒
0-70(113):6.2秒
0-80(129):7.8秒
0-90(145):9.6秒
0-100(161):11.8秒
0-110(177):14.6秒
0-402m発進加速:13.4秒(到達速度:171.1km/h)
0-1000m発進加速:25.3秒(到達速度:183.5km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
メルセデス・ベンツC300e AMGライン(2022年)
テスト条件:湿潤路面・みぞれ/気温4℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):3.2秒
0-50(80):4.3秒
0-60(97):5.8秒
0-70(113):7.3秒
0-80(129):9.3秒
0-90(145):11.5秒
0-100(161):14.1秒
0-110(177):17.3秒
0-402m発進加速:14.3秒(到達速度:162.1km/h)
0-1000m発進加速:25.7秒(到達速度:209.2km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.8秒(2速)/2.2秒(3速)
30-50(48-80):1.9秒(2速)/2.5秒(3速)/3.1秒(4速)/4.1秒(5速)
40-60(64-97):2.5秒(3速)/3.6秒(4速)/4.3秒(5速)/5.3秒(6速)/6.9秒(7速)
50-70(80-113):2.6秒(3速)/4.1秒(4速)/4.7秒(5速)/5.9秒(6速)/9.2秒(7速)/11.5秒(8速)
60-80(97-129):3.0秒(3速)/4.4秒(4速)/5.6秒(5速)/7.0秒(6速)/12.0秒(7速)/19.6秒(8速)
70-90(113-145):4.1秒(4速)/6.5秒(5速)/8.3秒(6速)/13.5秒(7速)
80-100(129-161):4.0秒(4速)/7.5秒(5速)/9.6秒(6速)/14.3秒(7速)
90-110(145-177):8.1秒(5速)/11.1秒(6速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温25℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):24.4m
70-0マイル/時(80km/h):46.9m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.79秒
ライバルの制動距離メルセデス・ベンツC300e AMGライン(2022年)
テスト条件:湿潤路面・みぞれ/気温4℃
30-0マイル/時(48km/h):10.2m
50-0マイル/時(64km/h):29.1m
70-0マイル/時(80km/h):56.9m
各ギアの最高速
1速:46.7km/h(6000rpm)
2速:82.1km/h(6000rpm)
3速:127.1km/h(6000rpm)
4速:169.0km/h(6000rpm)
5速:180.2km/h(5351rpm)
6速:180.2km/h(4386rpm)
7速:180.2km/h(3553rpm)
8速:(公称値):180.2km/h(2939rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1837rpm/2099rpm
結論 ★★★★★★★★★☆
ボルボの最新世代となるプラグインハイブリッド・パワートレインは、今年に入って大型なほうのラインナップに順次導入されているが、ミッドサイズワゴンのV60で、スイートスポットと言えるようなものが見えた。許容できる価格で、バーサタイルかつ快適なキャビンや、改善されたドライバビリティ、強力なパフォーマンス、そしてみごとなEV航続距離を実現しているのだ。
もちろん、XC60にもT6リチャージは用意されているが、価格はV60より高く、パフォーマンスやゼロエミッション走行距離では一歩後れる。もし、今すぐ部分的に電動化されたクルマを買いたいなら、ボルボではV60 T6リチャージが、必要条件をすべて満たす一台となるだろう。
多くの点で、期待値を超えている。快適志向の中型ファミリーワゴンでありながら、1990年代のスーパーサルーンを超える加速性能を発揮するモデルなのだから、やりすぎといってもいい。
クラス水準に照らせば、後席の収納スペースや荷室容量が不足しているという不満の声もあるだろう。その点で、シュコダ・シュパーブには及ばない。とはいえ、V60のもたらすスペースは、むしろよくできているほうだ。
今風のスポーティなデザインと、ゆったりした走りの性格をあわせ持ち、さらに電力での航続距離も伸びたことで、2022年現在、このクラスのPHEVとしてはおすすめ物件のひとつに挙げられるものとなっている。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースV60の実用性は、本当に印象的だ。しかし、60:40分割のリアシートが、左ハンドル用のままなのは残念だ。40:20:40分割にすれば解決できるのだが。
イリヤ・バプラートボルボは長年にわたり、運転席から操作できる後席ヘッドレストのリモートリリースボタンを用意しているが、なぜほかのブランドがこれにならわないのだろうか。後方視界が広がることは、運転する上で大きな違いを生むのに。
オプション追加のアドバイス
今からオーダーすると、手元に来るのは2023年モデルで、納期は10~12ヶ月。しかし、もしディーラー在庫の2022年モデルを探すなら、インスクリプションの18インチ仕様がおすすめ。オプションのスマートフォン連携機能やドライバーアシスタンスパックが付いていたら、迷わず手に入れよう。
改善してほしいポイント
・可能であれば、後席のスペースをもう少し広げてほしい。
・ハイブリッドパワートレインの調整を継続して、モーターとエンジンの切り替えをもっとスムースにしてもらいたい。
・充電性能の向上が望まれる。3.7kWの交流充電では物足りない。
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みんなのコメント
ワゴンならボルボだなぁ
EVメーカーになってしまうのがとても残念。
特にあの高性能なディーゼルを捨ててしまったのは極めて残念。