ダブルヴァノスの不調に注意 エンジンは高耐久
スチール製ブロックの堅牢な直列6気筒に、先進的なヴァノス・システムを採用。E36型BMW M3のエンジンは、優れた動力性能と燃費を実現している。エンジンオイルの消費量が多いため、中古車を選ぶ際は、充分な量が入っているか真っ先に確かめたい。
【画像】胸が高鳴るドライバーズカー E36型 BMW M3 4気筒の初代E30型 現行のM3/M4も 全119枚
後期型のダブルヴァノス・システムは、エンジンオイルが汚れるとソレノイドに不調をきたす。過去の交換履歴も良く確かめたいところ。
アイドリング時に回転が安定しない場合や、鋭い加速を求めた時に重たい感じがするなら、ソレノイドのピストンシールが駄目になっている可能性がある。機械的な唸りが大きい場合は、ギアの磨耗が考えられる。
8万km毎に、ヴァノスのシールを交換する価値はある。作業はさほど難しくない。必要なら、英国ではMr.ヴァノス社が入念にオーバーホールしてくれる。執筆時の費用は、1595ポンド(約31万円)とのこと。
前期型の、吸気側だけのシングルヴァノスは故障が少ない。定期的な点検整備を怠らない限り、エンジンは24万kmは耐えられるようだ。ただし、バルブクリアランスが大きくなるとパワーは落ちる。
E36型M3は、1990年代のデザインとしては落ち着きがあり、モダンさも漂わせる。低く構えたスタンスが、通常のE36との違いを静かに主張する。もし走りに緩さを感じたら、ステアリングやサスペンション、タイヤなどのリフレッシュを考えたい。
SMGの修理は高額 北米仕様は243psに落ちる
前期型では5速、後期型では6速のマニュアルは、クラッチのフレキホースの詰まりや、マスターシリンダーとスレーブシリンダーの不調に注意したい。クラッチ自体の減りも、年式的には考えられる。
セミ・オートマティックのSMGでは、スポーツ・モードを選択し飛ばしてみて、クラッチの滑りがないか確かめたい。フルードが減ると、ギアが抜けてしまうことがある。
SMGは構造が複雑なため、修理には高額な予算が求められる。内部のポンプや電気系統が不調になると、英国ではMTへ換装されるケースも多い。
サスペンションは、特にリア側のトレーリングアーム・ブッシュと、ダンパーのトップマウントの状態がチェックポイント。ブレーキパイプは錆びやすく、交換作業ではガソリンタンクとマフラーを一式取り外す必要がある。
ちなみに北米仕様は、最高出力と最大トルクが243psと31.0kg-mへ低く設定されている。サスペンションもソフトで、オプションで5速オートマティックが用意された。
加えて、そのウォーターポンプにはプラスティック製のインペラー(水車)が実装され、10万km前後で割れる事が多い。欧州仕様の場合、金属製のインペラーで壊れることはほぼない。
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
直列6気筒エンジンは、メンテナンスを怠らなければ信頼性は低くなく、耐久性も高い。エンジンオイルの状態と、その交換履歴、回転の乱れや高負荷時のもたつきがないか確認したい。
機械的な唸りが大きい場合は、ヴァノス・システムの不調を疑う。ラムダセンサーやインジェクターのノイズにも、聞き耳を立てたい。排気ガスの煙と、触媒の状態もチェックポイント。
ボディ
この年代のBMWは酸化しやすい。前後のフェンダーにボンネットの縁、フロント・ストラットの固定部分、サイドシル、ジャッキアップポイント、フロアパン、シャシーレッグ、ドアの下側、荷室のフロア、トランクリッドなどが錆びていないか確かめたい。
ボディパネルの隙間や、バンパーとリアウイングのフィット感を観察する。修理すると、隙間などが均一でなくなることが多い。
コンバーチブルのソフトトップは構造が複雑で、修理は高額。滑らかに動くことを予め確かめたい。
トランスミッションとクラッチ
各部からフルードが漏れていないか調べる。MTでは、特に2速と3速で、変速時にギアの回転数を調整するシンクロメッシュが痛みがち。クラッチは、ミートポイントと足へ伝わる感触が不自然でないか、ペダルを踏み込んで確認する。
セミATのSMGでは、すべて正常に変速されるかチェックしたい。クラッチの滑りにも要注意。
サスペンションとブレーキ
ブレーキは、フルードのパイプが錆びがち。キャリパーは固着していないか調べる。
サスペンションは、ブッシュとマウントの劣化具合を点検する。リアのトレーリングアーム・ブッシュは、特にヘタりやすい。
インテリアと電気系統
集中ドアロック、パワーウインドウ、エアコン、メーターパネルのデジタルモニターなど、すべて正常か確かめたい。
運転席側のシートは、サイドボルスターが摩耗しがち。英国仕様は、本国ではオプションのレザーが標準だった。
BMW M3(E36)のまとめ
50:50の重量配分に、フロントエンジン・リアドライブのシャシー。Mが手掛けた、自然吸気の直列6気筒エンジン。運転する楽しさを追求したクルマこそ、E36型のM3といえる。
歴代のオーナーによって改造された例は多いが、望ましくない影響が出ている場合は珍しくない。次のオーナーの好み通り、という内容も少ない。オリジナル状態の方が、一般的に丁寧に乗られてきた傾向は高いだろう。
整備記録を調べ、できるだけ状態の良い例を選べば、素性の良さを味わえるはず。クーペやサルーン、前期や後期など、ボデイや年式にはとらわれ過ぎない方が良い。
良いトコロ
まだ妥当な価格帯で流通している、Mモデル。英国にはオーナーズクラブがあり、得意とするガレージも多い。燃費は悪くなく、車内空間も充分に広く、普段使いが難しくないドライバーズカーだ。
良くないトコロ
ボディはサビやすい。ダブルヴァノス・システムは複雑。メンテナンスが疎かだった車両を選ぶと、本来の魅力へ迫りにくい。
BMW M3(E36型/1992~1999年/英国仕様)のスペック
英国価格:3万7460~4万2980ポンド(1996年時)
生産数:3万3516台
全長:4433mm
全幅:1710mm
全高:1366mm
最高速度:246-260km/h
0-97km/h加速:5.3~5.7秒
燃費:8.1-11.7km/L
CO2排出量:−
車両重量:1471-1580kg
パワートレイン:直列6気筒2990・3201cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:290ps/7000rpm-325ps/7400rpm
最大トルク:32.5kg-m/3600rpm-35.6kg-m/3250rpm
ギアボックス:5速・6速マニュアル/6速セミ・オートマティック/5速オートマティック(後輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「ガソリン代が安くなってサイコー!」高すぎた「ガソリン価格」引き下げへ! 「暫定税率」の廃止決定に「やっとか」「他の税金もなくして」「どれくらい安くなる?」の声集まる!
トヨタが「100万円以上」安い「8人乗りの“新”アルファード」発表! 「待ってました!」 510万円の「Xグレード」 どんな仕様?
意外とやっちゃっていないですか? [AT車の寿命を縮める]4つのNG行為
ゴールド免許だと「違反が消える」ってホント? 5年後の“更新”で「ブルー免許に格下げ」される条件は? 実は難しい「ゴールド維持」条件とは!
高速道路で「なんか急に詰まり出した……」 実は前では“ノロノロ通せんぼ!”道路会社があえて行うワケ
「ガソリン代が安くなってサイコー!」高すぎた「ガソリン価格」引き下げへ! 「暫定税率」の廃止決定に「やっとか」「他の税金もなくして」「どれくらい安くなる?」の声集まる!
トヨタが「100万円以上」安い「8人乗りの“新”アルファード」発表! 「待ってました!」 510万円の「Xグレード」 どんな仕様?
今日から「ガソリン“5円”値上げ」に国民ブチギレ!「“25年1月さらに値上げ”…ふざけるな」「生活苦しくなるやん」「もっと国民に寄り添って」の声! 消えゆく「ガソリン補助金」今後どうなる?
ホンダや日産が「人気ミニバン」に相次いで採用! 斬新「ボタン式シフト」に反響多数! もはや「シフト“レバー”」は古い!? 最新の「“すっきり”シフト」に賛否の声集まる!
日本国民ブチギレ! 政府「ガソリン価格“5円”あがります」 1月に「さらに5円!?」 「年末年始にやめて…」の声も 話題の「ガソリン減税」どうなった? 不満多し理不尽な政策に怒り
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
それは無い。亜鉛メッキがしてあるから
海辺とかでなければ、大丈夫。
ウォーターポンプと天井の内張りが
駄目になる、
大して減ることはないと思うが。減りが多い場合はどこかから漏れが考えられる。ヘッドカバーパッキン程度であればまだいいが、他の場合は既に不調の可能性が高い。日本車と違ってオイル量自体が多いのでそのこと?