はじめに
ゴースト。幽霊、もしくは実体のないものを指すような言葉だ。今や存在しないのなら、そのネーミングはピッタリだろう。しかし、それが今後も継続するだろう現役モデルにふさわしい名前だろうか。少なくとも、ロールス・ロイスの商品プランナーはそんな懸念を抱いたようだ。
とはいえ、この実在するサルーンの登場で、2017年の新型ファントム発売からはじまったグッドウッドのラインナップ整備が完了したのはたしかだ。この間、2018年にはクロスオーバーSUVのカリナンを投入し、ブランド史上最高の販売台数を記録している。
新型ゴーストは、以前よりファントムとの差を縮め、25万ポンド(約3500万円)で代役を務められそうなモデルとなった。いわば、輪が完全に繋がったといったところだ。というのも、プラットフォームはロールス・ロイス専用のアルミ構造体であるアーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーを採用したのだ。そう、2009年にデビューした、BMW7シリーズがベースの先代モデルとは根本的に異なるのである。
しかし、ファントムやカリナンと異なり、2代目ゴーストはロールス・ロイスの将来を指し示すものでもある。今回テストするのは、電気的アシストを一切持たない、掛け値なしの6.75L V12だが、近い将来には完全電動モデルも導入される予定だ。
とはいえ、ゴーストが示す未来は単にメカニズムの話だけでなく、フィロソフィの面も含まれる。かけらほどの皮肉さえ抜きで、ロールス・ロイスはこのクルマでとった新たなアプローチをポスト・オピュレンス、すなわち脱・贅沢もしくは豪華さの後に来るものと呼んでいる。
その意味するところは、これ見よがしではなく気品を高めた、ありふれたプレミアムへのアンチテーゼだ。むろん、ロールス・ロイスの伝統の範囲内で、という前提はあるが。受け入れやすい贅沢さといったところだろう。
そんな新時代のロールス・ロイスは、ベントレーやマイバッハといった強力なライバルと渡り合えるクルマなのだろうか。どんなお題目を唱えようとも、ユーザー目線で知りたいことは、このクルマがクラスの基準を打ち立てられるようなものであるのか、それに尽きるのだ。
意匠と技術 ★★★★★★★★★★
うっすらバックライトが光るブランドの象徴・パンテオングリルから、クーペのように絞り込まれたテールエンドまでは5.55m強。この全長は、レンジローバーやカリナンすら上回る。さすがにファントムよりは短いが、全幅がミラー込みで2.16m、全高が1.57m、公称重量が2490kgとくれば、そのサイズは巨大という以外の表現をみつけるのが難しいほどだ。
そうはいっても、ゴーストはロールス・ロイスのほかのモデルと比べると、巧みにそのサイズを感じさせない。鼻先にそびえるフライングレディをはじめ、明らかに贅沢だと感じさせるクルマだが、面積の小さいフロント周りとスムースで大きな断絶のないボディワークには、ヴィジュアル的な上品さが見て取れる。もちろん、比較的に、ではあるのだが。
そのエクステリアをひと皮剥けば、オールアルミのロールス・ロイス専用プラットフォームであるアーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーが鎮座する。これが先代ではBMWと共有するものだったため、7シリーズのお色直しだという批判が起こったのだ。今回は、そんな声が上がることはないだろう。
6.75LツインターボV12は、前車軸の後方に搭載され、前後重量配分は50:50を目指した。ロールス・ロイスに求められる洗練された走りと、ドライビングの楽しさとの両立を図るためだ。
この巨大なエンジンは、571psの最高出力を5000rpmから、86.7kg-mの最大トルクを1600rpmもの低回転から発生する。トランスミッションは8速ATで、歴代初採用の4WDシステムによって路面へ駆動力を伝達する。さらに、四輪操舵も新たに導入された。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。アジャスト可能なエアスプリングは、前後とも装備する。
新採用のアッパーウィッシュボーンダンパーは、大物でありながらもシンプルに思える斬新なメカニズムだ。アッパーコントロールアームと同じジョイントに取り付けられるそれは、いわゆるマスダンパーとして機能し、路面の細かい凹凸を踏み越える際に発生するサスペンションの動きや振動を吸収する。
リアアクスルには12Vアクティブスタビライザーが備わり、カメラでスキャンした前方の路面に応じてサスペンションのコンディションを調整。また、トランスミッションはGPSと連動して変速を制御する。
こうしたさまざまなデバイスによって構成されるのが、ロールス・ロイス言うところのプラナー・サスペンションシステムだ。その名の通り、どこまでもプレーンな路面を走るような乗り心地が味わえるのか。それはもう少しあとで確かめることとしよう。
内装 ★★★★★★★★★★
ゴーストに乗り込むまでのプロセスは、いかにもロールス・ロイスらしく、芝居がかったところもある。
重厚なステンレスのドアハンドルは、ひんやりとした手触りだ。そしてドアは、優しく開くには重く感じられる。低いシルをまたぐと、そこには分厚いウールのカーペットが敷きつめられている。
高く配置された豪奢なレザーシートへは、苦もなく身体を滑り込ませることができる。後席へは、後ヒンジのドアから乗り込むが、それを閉めるのはCピラー部かセンターコンソールのスイッチで、自動で行える。ドアを閉めてしまえば、とても4つのタイヤに支えられた乗り物の室内とは思えない、美しい仕立てとラグジュアリーさに満ちた空間に包まれる。
運転席からみたゴーストのキャビンは、広大なスペースに感じられる。頭上も肩周りも広々としていて、テスト車は爽快さのある白い内装が、開放感をさらに高めている。
アップライトなドライビングポジションはとびきり快適で、高い着座位置により、長大なボンネット越しでも見晴らしがいい。操作系は、差し障りなく手が届くようレイアウトされている。それらを操作すると気づくのは、スイッチもレバーも各部の表面処理も、コストを掛けて精巧に作られているだけでなく、安心感のある頑丈さも備えていることだ。
後席は、2座仕様と、3座仕様を設定。テスト車は3座版で、左右に独立調整式のイマーシブシートを備え、中央のアームレストをたためば3人掛けができる仕様だ。このほか、広々としたラウンジシートも設定されている。
テスト車のアームレストは、インフォテインメント系の操作パネルも兼ねている。その背後のバルクヘッド部には、ラゲッジスペースを多少犠牲にすれば、シャンパン用冷蔵庫が設置できる。また、2座版の固定式センターコンソールには冷蔵庫がビルトインされ、ウイスキーのデキャンターとフルートグラス2脚が収納できる。
ゴーストの大きなサイズにもかかわらず、後席スペースの実測値はカリナンに及ばなかった。とはいえ、900mmのレッグルームと970mmのヘッドルームは、かなり背の高い乗員でも不足はないだろうスペースがあり、なんといってもベントレー・フライングスパーより広い。
走り ★★★★★★★★★★
ゴーストのオーナーは、パフォーマンスの数値にそれほどこだわらないかもしれない。しかし、あくまで客観的にこのクルマのポテンシャルを査定していけば、2490kgもある大型サルーンとしては並外れて速いことを思い知るだろう。
6.75Lもの排気量を誇るV12、そのパワーとトルクをひたすら解放することは難しくない。しかし、最大限に活用しようと思ったら、スリムなコラムシフトレバーに設置されたLOWボタンを押す必要がある。
するとゴーストは、上品なまでの平静さをかなぐり捨てる。少なくとも、発進時に2速ではなく1速を使う程度には。それからの変速ぶりはアグレッシブ。各ギアをより長くホールドし、間を置かずにシフトチェンジし、キックダウンも通常より頻繁に利用する。
それでも変速が極めて滑らかなのは、出来のいいZF製トランスミッションと、その電子制御系の熟練したチューニングとの賜物だ。ゴーストは、リアを深く沈めたのち、4.7秒という目覚ましいタイムで97km/hに達した。やや路面の湿ったコースコンディションだったが、四輪駆動システムがトラクションを失うようなことはまったくなかった。
1秒をも惜しむほど多忙なオーナーにとって、もうひとつ心強く思うだろうデータがある。48-113km/hのキックダウン加速は、たったの3.8秒なのだ。参考までに、このクラスではロケットのように思えるフライングスパーでさえ、これよりほんの0.6秒速いだけだ。
もちろん、これらの数字が現実的な場面で持つ意味合いは小さい。また、ゴーストのようなクルマのパフォーマンスで考慮すべきは、その数値的な指標より性質にある。その点でいえば、このV12は笑えるくらい上品だと表現しても過言ではない。
カリナン登場時にロールス・ロイスは、この12気筒へトルクを上乗せしたが、その分が必要になることはまずない。だが、ゴーストが粛々と速度を上げていく際にみせる、ほとんど重量を意識させない感覚は、この大トルクによって高められている。
同じことは現行ファントムでも味わったが、エンジンレスポンスのリニアさや、回転計代わりのパワーリザーブメーターを見ていなければ気づかないようなシフトチェンジは、途切れることのないドライバビリティをもたらす。それは、電気自動車でなければ出会えないと思っていた領域だ。
さらに、スロットルとブレーキのペダルの踏み応えも絶妙。結果として、巨大で、表面上は緩慢なリムジンかと思わせながら、予想を裏切って、走らせるのが楽しいクルマとなっているのである。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
最新のゴーストでも、ロールス・ロイスはBMW製インフォテインメントのお色直し版を搭載している。使いやすさやグラフィックの上質さに関する限り、現時点で入手しうる中でもベストな部類に入る。しかし、ビスポークな演出に欠けることを口惜しいという声はあるはずだ。
センターコンソールに配置されたダイヤル式コントローラーは、間違いなくこの手のシステムをもっとも操作しやすいデバイスだ。しかし、タッチ式ディスプレイの反応もなかなか早い。
後席では、アームレストにもうひとつのダイヤルが備わり、メディア関連の機能を操作できる。また、前席の背後に大画面のディスプレイが2面設置され、テレビを視聴することも可能だ。
テスト車には、出力1300Wのロールス・ロイス・ビスポークオーディオシステムが装備されていた。18チャンネル式で、スターライト・ヘッドライナーに内蔵されたエキサイタースピーカーも駆動。サウンドのクオリティは、言うまでもないがみごとなものだった。
燈火類
レーザーアシストのブリリアンスヘッドライトは標準装備。期待通りの明るさと照射範囲の広さを備えている。
ステアリングとペダル
ペダル配置に関する限り、不満は一切ないが、ロールス・ロイスがこの点で間違いを起こすと思うことはないだろう。ステアリングコラムの調整幅が十分に用意されている点も同様だ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
現代のロールス・ロイスに共通することだが、ホイールベースが長いので、V12ユニットは完全に前車軸より後方へ積まれ、結果として驚くほど良好な前後重量配分を実現している。
新型ゴーストもその例に漏れず、公称値は50:50を謳う。これとキレのあるサスペンションやエアスプリングが相まって、走りには明らかに感じ取れるバランスと落ち着きをもたらしている。
そのことが、ゴーストのもっとも記憶に残る、そして楽しめる走りのキャラクターの確固たる基礎となっている。それは、ステアリングの性格だ。
細いステアリングリムながら握り心地はよく、当初は不思議なくらい軽いと感じるが、モノリスのようなノーズを右に左に振りはじめると、すぐさま直観的に操れるようになる。
著しいセルフセンタリングはないが、不安定さとは無縁で、これがじつに状況を改善するように感じられるのだ。いっぽうで、ギアリングはゆったりしているが、ダルくはない。
抜群に優れたセットアップと一貫した手応えは、スポーツカーも真っ青で、ゴーストの気質にすばらしく合っている。四輪操舵が作動するような低速でタイトに曲がる際だけは、ステアリングの一貫性が乱れそうになるが、ステアリングを限界まで切ろうとした際に突如手応えが抜けるのは、じっくり観察したから気づいたことで、批判するほどのことではない。
ハンドリングを試す気になるようなステアリングの質に欠ける高級車はじつに多い。しかし、ゴーストは違う。B級道路の裏道に入りたいとは思わないだろうが、やる気にさせられるようなルートで、馬脚をあらわすようなものではない。
タイトなコーナーでは、思った通りアンダーステアを避けることはできず、スロットルでコーナリングをアジャストできるようなシャシーでもない。しかし、高速コーナでみせるオーバーステア寄りのニュートラルなバランスは、掛け値なしに満足できるものだ。そしていうまでもなく、その根底にあるのは、正確で巨体を器用に操るステアリングだ。
たしかに、ベントレーよりフワフワとボディが動き、ロールも明らかに感じられる。とはいえ、それほど大きくなく、抑えが効いている。リアシートに乗るクルマだと思うかもしれないが、オーナーが自らステアリングホイールを握りたくなる要素は確かにある。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
快適性を追求したクルマはどれもそうだが、ゴーストのボディパネルの下にも数知れぬ努力が隠されている。
ロールス・ロイスがアーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーに施した工夫は、寸法や各部ごとの剛性向上、路面からの反響音を可能な限り打ち消すべく必要以上に複雑な形状としたアルミ部材など、数え上げたらキリがない。
バルクヘッドとフロアは、吸音フェルトを挟み込んだ2層構造で、ウインドウは2重ガラス。ピレリのPNCSタイヤは、吸音スポンジを内蔵する。使われた遮音材の総重量は、100kgを優に上回る。
であるから、ゴーストの静粛性がきわめて高いのは驚くことではない。アイドリングでは、V12エンジンのサウンドがキャビンに進入するのがみごとに抑えられ、騒音計測値は40dBにとどまる。これは、ひと気のない郊外の通りより静かだ。
113km/h巡航時は58dBで、フライングスパーの64dBはおろか、ファントムの60dBすら凌ぐ。これにより、ロールス・ロイスはもっとも厳しく、もっとも困難で、おそらくもっとも費用のかかる開発水準にあっても、大きな進歩を成し遂げたことを示してみせた。
このクルマに乗り込み、金庫室を思わせる扉を閉めると、まるで別の次元へ移動したようだ。外の世界とは、遠く切り離されてしまったかのように感じられる。
追い越し車線を走っているときに、すばらしくクリアな音質で音楽を聴きながらウトウトしていると、本質的に正真正銘のラグジュアリーとは、最新のスーパーカーで高いGを感じながらコーナリングするのと同じくらい、ワクワクして魅力的なものかもしれないと思えてくる。
乗り心地は、フロントアクスルに新設されたマスダンパーの恩恵で、ファントムで見知ったようなものとなっていて、ボディは物憂げな波長の長い動きを許容する。だが、まったく同じレベルというわけではない。
玉に瑕なのがセカンダリーライドだ。おおむねエクセレントなのだが、ときおり路面からの細かい振動をはっきりと伝えすぎてしまうのだ。この点では、遠からず試乗するだろうメルセデス・ベンツの新型Sクラスのほうが優っている可能性はある。その判定は、近いうちにお伝えできるだろう。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
24万9600ポンド(約3494万円)からという車両価格は、現行ロールス・ロイスとしてはもっとも安い。しかし、高級サルーンのカテゴリー全体でみれば、もっとも手頃なモデルとは言えない。
フライングスパーなら8万ポンド(約1120万円)ほど安いし、メルセデス・マイバッハS650なら18万ポンド(約2520万円)少々からの値付けだ。
たしかに、とんでもなく高価なクルマだ。しかし、ロールス・ロイスの平均的なオーナーなら、さほど驚きはしないだろう。ましてや、パーソナライズの費用にも糸目をつけないようなパトロンであればなおさらだ。もっとも、そんな顧客の層が存在すればの話だが。
テスト車はなんと、オプションだけで11万2530ポンド(約1575万円)相当。それでも、まだまだ追加コストを掛ける余地は十分に残されている。
燃費に関しては、ほぼ覚悟していた通りだ。テスト時のアベレージは6.4km/Lで、ツーリング時でもせいぜい10.1km/L。90Lの燃料タンク容量からすれば、計算上の航続距離は900kmをやや上回るといったところだ。
スペック
レイアウト
ファントムVIIIやカリナンと同じく、現代版ゴーストの2代目は、ロールス・ロイス専用のアルミプラットフォームであるアーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーがベースだ。
堂々たる6.75LツインターボV12は、フロントに縦置きされ、駆動力は8速ATを介して四輪へ伝達される。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクで、前後ともエアスプリングを装着する。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型12気筒6749ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ89.0×90.4mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:571ps/5000-6000rpm
最大トルク:86.7kg-m/1600-4250rpm
エンジン許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:229ps/t
トルク荷重比:34.8kg-m/t
エンジン比出力:84ps/L
ボディ/シャシー
全長:5546mm
ホイールベース:3295mm
オーバーハング(前):941mm
オーバーハング(後):1309mm
全幅(ミラー含む):2160mm
全幅(両ドア開き):4080mm
全高:1571mm
全高:(トランクリッド開き):1950mm
足元長さ(前席):最大1140mm
足元長さ(後席):900mm
座面~天井(前席):最大1020mm
座面~天井(後席):970mm
積載容量:507L
構造:アルミモノコック
車両重量:2490kg(公称値)/-kg(実測値)
抗力係数:0.32
ホイール前/後:8.0Jx21/9.5Jx21
タイヤ前/後:225/40 R21 102Y/285/35 R21 105Y
ピレリPゼロPNCS
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.00/9.8
2速:3.20/15.3
3速:2.14/23.0
4速:1.72/28.5
5速:1.31/37.5
6速:1.00/49.1
7速:0.82/59.9
8速:0.64/76.8
最終減速比:2.81:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.4km/L
ツーリング:10.1km/L
動力性能計測時:2.8km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):3.6-3.7km/L
中速(郊外):6.0-6.1km/L
高速(高速道路):7.6-7.8km/L
超高速:7.7-8.1km/L
混合:6.3-6.6km/L
燃料タンク容量:90L
現実的な航続距離:573km
CO2排出量:347-358g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、12Vアクティブスタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.7回転
最小回転直径:13.0m
ブレーキ
前:398mm通気冷却式ディスク
後:395mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、ステアリングコラム右側にスイッチ設置
静粛性
アイドリング:40dB
全開時:73dB
48km/h走行時:51dB
80km/h走行時:55dB
113km/h走行時:58dB
安全装備
ABS/DSC/EBD/衝突警告/クロストラフィック警告/車線変更警告
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥途上路面/気温9℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.7秒
0-70(113):5.8秒
0-80(129):7.0秒
0-90(145):8.5秒
0-100(161):10.3秒
0-110(177):12.3秒
0-120(193):14.7秒
0-130(209):17.6秒
0-140(225):20.9秒
0-402m発進加速:13.0秒(到達速度:181.7km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ベントレー・フライングスパー(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.0秒
0-60(97):3.9秒
0-70(113):4.9秒
0-80(129):6.0秒
0-90(145):7.3秒
0-100(161):8.9秒
0-110(177):10.5秒
0-120(193):12.4秒
0-130(209):14.6秒
0-140(225):17.1秒
0-402m発進加速:12.2秒(到達速度:192.8km/h)
0-1000m発進加速:21.8秒(到達速度:250.7km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):1.5秒
30-50(48-80):1.6秒
40-60(64-97):1.9秒
50-70(80-113):2.2秒
60-80(97-129):2.4秒
70-90(113-145):2.7秒
80-100(129-161):3.2秒
90-110(145-177):3.7秒
100-120(161-193):4.4秒
110-130(177-209):5.3秒
120-140(193-225):6.2秒
制動距離
テスト条件:乾燥途上路面/気温9℃
30-0マイル/時(48km/h):8.2m
50-0マイル/時(64km/h):22.9m
70-0マイル/時(80km/h):46.6m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.79秒
ライバルの制動距離ベントレー・フライングスパー(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.5m
70-0マイル/時(80km/h):45.4m
各ギアの最高速
1速:64.4km/h(6500rpm)
2速:99.8km/h(6500rpm)
3速:149.7km/h(6500rpm)
4速:185.1km/h(6500rpm)
5速:243.0km/h(6500rpm)
6速:249.4km/h(5081pm)
7速:249.4km/h(4166rpm)
8速(公称値):250.0km/h(3252rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1469rpm/1678rpm
結論 ★★★★★★★★★☆
第2世代のゴーストは、完全無欠というわけではなかった。それでも、もしロールス・ロイスの意図が、節度があり使い勝手のいいパッケージで、フラッグシップたるファントムの贅沢なマテリアルや並外れて洗練された走りを提供することだったなら、それは成功している。
ゴースト唯一の難点はセカンダリーライドで、完璧というにはほんの少し不足があった。それでもベントレー・フライングスパーよりはずっと上なのだが、もしベントレーを責めるなら、ゴーストも同じようにしなければならない。そのほかのあらゆる点では、ゴーストは卓越したクルマで、移動時間をまちがいなくうれしいものにしてくれる。
実際、新型ゴーストは、もともとみごとなものだった先代より、数値的にみて改善を果たしている。それがとくに顕著なのが静粛性だ。不気味なまでに静かで、すばらしい道連れである。それはこの贅沢な空間の前後どちらに座っていても同じ印象で、もちろん高いシートに座ったドライバーもそれは変わらない。
このロールス・ロイスは運転が楽で、しかも満足させてくれる。このクラスでは最長のクルマだが、ファントムよりリアルな状況下でずっと取り回しがしやすい。それこそ、グッドウッドの狙い通りだ。しかも、華美さのトーンダウンを図りながら、威厳と適度な奇抜さを残している。われわれとしては、うまくいっているし、称賛に値すると思う。どこを取っても、この上なくすばらしい。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンゴーストに乗っていると、そのキャビンが安息の地に思えてくる。これほど心地いい場所はまず見つけられない。それはエンスージアストだけでなく、クルマに頓着しないひとでもそうだろう。これぞロールス・ロイス効果だ。その影響を受けないひとはいない。
サイモン・デイヴィスブラバスG700の横に並んだが、そのドライバーは自分より少しだけ上からこちらを見ていた。それくらい、このロールス・ロイスのドライビングポジションは高い。
オプション追加のアドバイス
最大の岐路は、後席の選択だろう。標準仕様のラウンジシートにはマッサージ機能が用意されないが、補助席ありのイマーシブシートはそれを備え、小さな保冷庫も装備する。フルサイズの冷蔵庫やフルートグラス、ウイスキーデキャンタなどがほしければ、センターコンソール付きイマーシブシートしかない。そうそう、ラムウールのマットはお忘れなく。
改善してほしいポイント
・できれば、ドアミラーの角を落としてほしい。ジャンクションやコーナーで、視界に割り込んでくる部分を削りたくなる。
・フロントのシートベルトハンガーあたりから冷気が侵入してくるので、これは止めてもらいたい。
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みんなのコメント
同価格になるならバッテリーは200㎾hくらい搭載して1000㎞くらいの航続距離を出せるだろう。
充電は運転手に任せれば良いのだから問題ない。
BEVなら前輪二軸で小回り性も確保しながら長大な空間を確保出来るだろう。
静粛性は騒音源・震動源がないのだから当然だし、加速性能はもっと凄いことに出来る。
ゴーストの次はペネロープ号って事で如何でしょうか。