水素を燃やして走るホットハッチ
トヨタGRヤリスH2が、WRC(世界ラリー選手権)に出走することになった。このモデルは、四輪駆動のGRヤリスに、水素を燃料とする内燃機関を搭載したコンセプトモデルである。
【画像】水素で走る未来のスポーツカー【トヨタGRヤリスH2とカローラH2を写真で見る】 全40枚
GRヤリスH2は、8月19日から21日ベルギーで開催されるイープル・ラリーで、4度の優勝経験を持つユハ・カンクネンがハンドルを握ってデビューを飾る。
トヨタは最近、従来の1.6L 3気筒ターボエンジンを水素で駆動するように改造したカローラを、国内のスーパー耐久レースで使用するなど水素燃焼技術のテストを続けている。
トヨタによると、水素燃焼技術は、「既存の内燃機関のノウハウと製造投資」を活用できるため、比較的手頃な価格でゼロ・エミッションを実現できるという。
欧州部門のマット・ハリソンCEOは、水素技術を用いることで、「電動化なしで排出量をほぼゼロにすることができ、しかも、ファンが最も好むレーシングカーの特徴であるスピードとノイズを維持することができます」と述べている。
GRヤリスH2は、前述のカローラと同じユニットを搭載しており、標準仕様からの変更は最小限に抑えられている。また、燃料電池車のミライと同じ水素補給装置を備えている。
主な改造点は、エンジンブロックの強化(水素はガソリンよりも激しく爆発するため)、新しいバルブシート、噴射システムのアップグレードなど。パワートレインの開発責任者であるティエボールト・パケは、ガソリン車と「同等の効率」を達成できると見込んでいるが、性能の詳細はまだ明らかにされていない。
昨年末にGRヤリスH2コンセプトが発表された際、パケはAUTOCARに次のように語っている。
「振動と音を少し出してみました。静かな燃料電池技術に比べて、スポーツ走行ではクルマの音や感触が感じられることをアピールしたかったのです」
「そもそも、これはコンセプトです。スポーツを通じて課題を見つけ出し、どのようにして技術の改良につなげるかを考えています」
GRヤリスH2が市販化される可能性については不明だが、ハリソンCEOは、この技術がゼロ・エミッション車を「必ずしも遠い未来ではない」ことを意味するものだと述べている。
彼はこう語った。「GRヤリスH2は、ゼロ・エミッションの未来でも、今と同じようにエンジンの楽しさを味わえるんだというメッセージを携えています」
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日本製のスープラやレビンと合わせて復活望む。