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ブランドファンにも響くBEV スバル・ソルテラへ英国試乗 次世代も生活四駆 航続465km

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ブランドファンにも響くBEV スバル・ソルテラへ英国試乗 次世代も生活四駆 航続465km

トヨタと共同開発されたソルテラ

トヨタbZ4Xとスバル・ソルテラは、ロゴマークを張り替えただけのOEMモデルではなく、共同開発という関係にある。ただしシルエットはほぼ同じで、実用的なサイズのクロスオーバーであることに変わりはない。

【画像】トヨタbZ4Xと共同開発 スバル・ソルテラ 競合するBEVと比較 日産アリアも 全136枚

全長は4690mmあり、日産アリアやフォルクスワーゲンID.4、ヒョンデ・アイオニック5といった、近年各ブランドが投入している主力のバッテリーEV(BEV)とライバル関係に当たる。ここには強敵、テスラ・モデルYも含まれる。

トヨタにとってのbZ4Xと同様に、ソルテラはスバルにとって初めてとなる量産BEVだ。共同開発ということで多くが近似している2台だが、幾つかの点で明確な差別化も図られている。

その1つが駆動方式。bZ4Xではシングルモーターの前輪駆動と、ツインモーターの四輪駆動が選べるのに対し、英国へ導入されるソルテラへ設定されるのは後者のみ。制御ソフトウエアも異なり、常に四輪駆動状態が保たれるという。日本では前輪駆動も選べるが。

見た目では、写真の通り前後のスタイリングが異なる。スバルの方が抑揚は僅かに強い。トヨタの顔と、どちらがお好みだろうか。

シャシー・チューニングも違っており、bZ4Xと比べてサスペンションは少し引き締められ、パワーステアリングは若干重みが増しているという。またドライブモードにはパワー・モードが追加され、回生ブレーキの強さを選べるパドルも備わる。

普段使いの安心感を重視した四輪駆動

制御ソフトが異なるとはいえ、主要なハードウエアは共通。四輪駆動版のbZ4Xと同じく、前後の駆動用モーター合計で218psと34.3kg-mを発揮する。駆動用バッテリーの容量は71.4kWhあり、最速150kWでの急速充電に対応している。

不必要な場面では前輪駆動になるbZ4Xとは異なり、常時四輪駆動となるソルテラの場合、電費効率は若干落ちる。カタログ値では6.2km/kWhがうたわれ、航続距離は465kmだ。

今回、欧州仕様の試乗場所として設定されたのは、最初にオフロードコースだった。スバルがソルテラで想定する、モデルのポジショニングを示すものだといえる。

従来のスバル車とも同様だ。日常生活で遭遇するであろう、最悪の状況にも対応できる安全性を備えた、冒険も楽しめるクロスオーバー。普段使いでの安心感が重視されている。

その走りは楽しくもあり、感動すら覚えるものだった。渡河性能は500mmで、大雨で道路が冠水しても心強い。Xモードと呼ばれる、トラクション・コントロールとヒルディセント・コントロールが統合されたドライブモードは、雪道や泥濘んだ場所にも対応する。

グリップ・コントロールという名の、オフロード用クルーズコントロールも装備している。一度設定すればドライバーの過度な気付かいなしに、手強い路面をソルテラが克服してくれる。

ドライビング体験の違いは限定的

公道を運転した印象では、bZ4Xとの違いは限定的。筆者は2台を交互に運転してみたが、パワートレインの差異は殆ど感じ取れなかった。ソルテラのシャシーの方が僅かに硬い印象ながら、明確に動的能力が変化しているわけではない。

ただし、ソルテラにとってはネガティブなことではない。トヨタのbZ4Xは完成度が高く、むしろポジティブ。何かが出しゃばることなく、悪い印象を与えることなく、求めたことを実行してくれる。中立的な個性ともいえようか。

アクセルペダルの操作に対して必要なパワーが生み出され、反応は非常に予想しやすい。乗り心地は穏やかで快適。ステアリングホイールの操舵感や全体の操縦性も、強い一体感を生むものではないにしろ、感覚を掴みやすい。

製造品質や車内パッケージングでも優れている。リアシート側も空間は広々としており、荷室容量はクラス最大ではないにしろ、452Lと競争力は充分。スクエアな形状で、荷物は積みやすそうに思える。

つまり、トヨタbZ4Xと同様にスバル・ソルテラの評価も良い。どちらを選ぶべきか悩むところかもしれないが、ブランドへの好感度やお見積りの内容、自宅からディーラーまでの距離などで選んでも構わないだろう。

新しいファンを獲得できる実力

恐らく、多くのユーザーにとって身近な存在といえるのはトヨタだと思う。だが、スバリストと呼ばれるような、熱烈なブランドファンは少なくない。そんなドライバーにとっても、共感を得られる仕上がりのBEVだと感じた。

最大の長所は、快適でリラックスした走り。不足ない動力性能とオフロードの走破性も評価できる。一方で、実際の航続距離は400kmに届くかどうか。ドライビング体験の楽しさも、もっと高める余地はある。

とはいえ、初の量産BEVとなるソルテラは、スバルが今後の世界で生き残れることを証明している。それ以上に、新しいファンを獲得できる実力も備わっている。

スバル・ソルテラ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万9995ポンド(約840万円)
全長:4690mm
全幅:1850mm
全高:1650mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:6.9秒
航続距離:465km
電費:6.2km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2015kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:71.4kWh
急速充電能力:150kW
最高出力:218ps
最大トルク:34.3kg-m
ギアボックス:−

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