2023年3月に三菱自動車は2025年度までの新中期経営計画を発表したが、ここにきて2030年までにガソリンやディーゼルのみで走行する新型車の開発を終了するという情報が。今後の三菱の戦略について国沢光宏氏が分析する。
文/国沢光宏、写真/三菱、ベストカー編集部
三菱のガソリン新型車開発終結は寂しいぞ!! 三菱は今後どう生きるべきか?
■脱エンジンに向けて加速していく?
2023年3月10日に発表された三菱の2025年度までの新中期経営計画“Challenge 2025 ”
三菱自動車が2022年度の決算発表で今後の商品計画についてアナウンスした。具体的な内容と言えばふたつ。エンジン車の開発を行わないということと、2023年度に6車種もの新型車を出すこと。
エンジン車を止めていいのか? 6車種ってどんなモデルなのか? 現時点でわかっていることを含め、三菱の商品計画について考察してみたい。果たしていかに?
まず、三菱のアウトラインから認識しておくと、わかりやすいんじゃなかろうか。ご存じのとおり、日産は三菱の株を34%所有している。したがって商品計画は日産との調整が必要。そんな日産もルノーとの関係があるため、日産独自に動けない。
大ざっぱなイメージでいえば、アルカナより小さい車種はルノーのプラットフォームで、エクストレイル以上が日産のプラットフォームになる。
三菱は日産に準ずるため、小型プラットフォーム使ってクルマを出すならルノーベースで、アウトランダー級になると日産のプラットフォームになる。しかし! これらの取り決めは、欧州とアメリカと日本が対象。
タイに代表される東南アジア市場についていえば三菱の自由度が大きい。「好きにやってよろしい」に近かったりする。そして案外利益率が高い。
■2023年はグローバルで6車種が登場
三菱は今後5年間で全16車種を投入予定で、そのうち電動車は9車種となる
という前提をベースに6車種を考えてみたい。三菱が出したリリースによれば、すでに3車種は発売ずみ。アウトランダーPHEVとデリカミニ、電気自動車のミニキャブMiEVとなる。ミニキャブMiEVって継続生産車ながら、今後東南アジア地域でも販売するようだ。アウトランダーPHEVはエンジン車の販売が難しくなっているアメリカや欧州で展開する。
三菱の商品投入スケジュールの一番上にある「ICE/フレーム」はタイのモーターショーでワールドプレミアされた新型トライトンだ。ICEとは最近よく使われるようになった純エンジン車のこと。
2025年までの具体的な商品投入スケジュール
トライトン、東南アジアでの稼ぎ頭になっており、収益率も高い。新型は日本でも販売されるというから大いに楽しみ。ハイラックスより割安感のある価格設定に期待したい。
ルノーからのOEMモデルとなるコンパクトSUVのASX。欧州市場専売モデルとなる
残る2車種だけれど『ASX』はルノーからのOEMになり、アルカナと同じルノーの小型プラットフォームを採用する。残念ながら日本での販売は予定しておらず、細々ながら生き延びている欧州市場用。欧州は厳しい燃費規制が始まっていることもあり、すでにアウトランダーPHEVくらいしか売れるクルマがない。ASXで何とか三菱のラインナップをキープする。
■注目はXFCコンセプト!
XFCコンセプトはすでにデザインを発表している。ぜひ日本市場にも導入を!
ということで6車種のうちの大注目車が、すでにデザインを発表している『XFCコンセプト』。純エンジン車として発売されるものの、電動化も考えているらしい。現行アウトランダーのプラットフォームは日産やルノーとの調整が必要なので、先代アウトランダーに近いプラットフォームなのかもしれません。なかなかカッコいいのでぜひ日本投入を考えて欲しい。
もうひとつの注目車が6車種に含まれていなかった新型エクスパンダー。現行エクスパンダーは東南アジアでの大人気車種。新型からハイブリッドモデルもラインナップさせるようだ。
新型トライトンとXFCコンセプト、エクスパンダーで東南アジア市場を充実させていく戦略がハッキリ見えてくる。とても堅実で成功率高いと思う。日本もリーズナブルな東南アジア車を入れたらいい。
アメリカと欧州についていえば、欧州はルノーと、アメリカが日産といった具合でアライアンスを使って車種を投入。その間、車種開発を行うということなんだろう。ただ、欧州もアメリカも電気自動車を持っていないと勝負にならない。
■中国市場からは撤退か?
中国では2022年に投入された現行型アウトランダーは大量の在庫を抱えて工場を止めなければならなかった事態に陥った
ということから今回エンジン車の開発をしないという決断になったと予想する。肝心の電気自動車については、日産とルノーの電気自動車専門会社と連携か?
今回の商品計画でたいへん興味深かったのは、中国向けのクルマがまったく存在しなかったこと。2022年に投入した現行型アウトランダーは大量の在庫を抱えて工場を止めなければならなかったほど。
中国市場を維持しようと思ったら大急ぎの電気自動車投入しか手がない。それを持っていないということは、撤退を意味する。三菱の中国撤退がウワサになっているものの、商品計画なしじゃ戦えない。
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