フェラーリは新しいモデルコンセプト「ICONA(イーコナ)」シリーズをパリサロンで発表した。とりわけ刺激的な歴史的フェラーリをモチーフとした限定シリーズだ。
パリサロンで発表されたICONAシリーズの第1弾は「モンツァSP1」および「モンツァSP2」の2台。両モデルともに1950年代のレーシングフェラーリをイメージソースにしているだけに、生産型のフェラーリとは一線を画す。
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どちらもフェラーリ812スーパーファストの6496ccV型12気筒エンジンを、「バルケッタ」(小舟)と呼ばれるオープンボディに搭載。なお、同エンジンの出力はさらに10ps向上しているという。
バルケッタはスパイダーと違って、より装備が簡略化した仕様をさす。快適性を求めたウィンドシールドはなく、ごく小さな風防が運転席と助手席、それぞれに備わっている場合が多い。そして助手席がない仕様もこれまで少なくなかった。
今回のモンツァSP1およびモンツァSP2も、オーダー時にシングルシーターか2シーターを選択するシステムとなっている。モデル名の「1」と「2」はシート数をさす。また、ウィンドシールドやルーフも備わらない。究極のオープンドライブが体感出来るのだ。
ボディはカーボンファイバーなど軽量素材を多用する。デザイナーは過去のモデルからインスピレーションを得たというが、物理的なウィンドシールドをもたない代わりに、「バーチャルウィンドスクリーン」と呼ばれる、新しい整流機構を採用した点が興味ぶかい。これは、エアインテークから取り込んだ風を、インパネ上部から垂直方向に排出し、気流を頭上方向に逸らすものだ。
デザインでは、往年のモデルに見られたボディを上下2分割したような手法が往々にして見られるのが特徴だ。また、リアコンビネーションランプが左右つながっているようにデザインされている。この狙いは「テールライト・アッセンブリーが、フェンダーから流れ出てボンネットを囲むような一筋のラインを創出し、アッパーシェルがまるで独立しているかのような印象を与えるため」と、フェラーリは説明する。
SP1およびSP1はともに車両価格は100万ドルを超えるというが、生産予定の500台はすでに完売済みと報道されている。
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