今期は無配
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】海外にはたくさん 日本にない日産SUV【5選】 全111枚
厳しい状況への対応がすっかり板についた。
内田誠CEOのオンライン記者会見の様子を観ながら、そう感じた。
日産自動車は2020年7月28日午後5時から、2020年度第1四半期決算発表をおこなった。
それによると、売上高は1兆1742億円で、前年同期比50.4%減と大幅な落ち込み。純損益は2856億円となった。
原因はもちろん、世界的な新型コロナウイルス拡大の影響だ。自動車市場全体で見ると、前年同月比44.5%減の1249万台。これに対して日産は、47.7%減の64万3000台だ。
また、「今後の市場動向を見通すことは困難」として公表を見送っていた通期見通しについても発表した。
売上高は7兆8000億円で、純損益は6700億円。2年連続で赤字決算となるのは20年ぶり。配当については無配を決めた。
今後、市場がどのように回復していくと見込んでいるのか?
内田CEOは「第1四半期は我々の想定以上に世界全体での落ち込みが大きかった。地域によって当然差はあるが、第2、第3四半期で徐々に回復の傾向が見え、第4四半期で回復する」との予測を示した。
むろん、感染拡大の第二波に対する懸念はあり、地域それぞれの社会情勢を見ながら、適時適切な対応策を講じると補足している。
では、主要な販売地域である北米、中国、そして日本について、新規導入モデルを含めて今後の動向を予測していきたい。
安売りをやめる
「日産は利益を無視して叩き売りをし、数を稼いでいるだけだ」
長年に渡り、アメリカでの日産の販売体質について、自動車メーカー各社は厳しい見方をしてきた。
こうした体制に対して、すでにメスを入れた。
今回の決算会見で、内田CEOは「卸売りへのプレッシャー」という言葉を何度か使った。
つまり、北米の日産事業を取りまとめる北米日産がこれまで、販売店に対して過度な販売台数を押し込んできた、ということだ。
多めの数を引き当てられた販売店に対して、北米日産は販売奨励金(インセンティブ)をばら撒き、ローン販売での利率を下げ、より多くの新車をさばくことに注力してきた。
新車といっても、フルモデルチェンジは極めて少ない。アメリカでは商慣習として、イヤーモデル(年次改良)という表現で、小規模なマイナーチェンジをおこなうが、こうした既存車を売りさばくことが、北米日産にとっても販売店にとっても、当たり前になっていた。
さらに、アメリカではフリートと呼ばれるレンタカーなどへの一括販売でも、利益率を下げて数を稼いできた。
こうした体制を全面的に改めた。
小売りでのシェアは4.9%から5.4%へと拡大。また、フリートは1/5まで一気に絞った結果、1台あたりの利益は700ドル(約7万3000円)上昇した。
新型車も4モデル導入する……。
米中と日本の違い
販売台数が見込める、ミドルサイズピックアップトラックの「フロンティア」、それをベースとしたSUVである「パスファインダー」。さらに、ブランド価値に貢献するインフィニティでは「QX60」と「QX55」を相次いで北米市場に投入する。
販売店の経営状況としては、すでに全米各地で100%が稼働しているが、販売実績が高いテキサス州やフロリダ州を筆頭に全米で新規感染者数が再び増加しており、今後の市場動向を注視するとしている。
今期の北米での販売台数の見通しは、前期比23.8%減の123万5000台となり、予測値としては中国に抜かれる。
その中国は、経済活動が世界で最も早く回復しているとされており、日産の予測も前期比4.6%減で147万5000台とみる。
モデルとしては、既存の小型セダン「シルフィ」と中型セダン「アルティマ」の販売が引き続き堅調だ。
では、日本市場はどうか?
驚くことに、前期2.7%減の52万台として、世界で最も新型コロナウイルスの影響が少ないと見ている。
背景に新車攻勢がある。3月から6月まで販売店はフル稼働していたが、来客数は前年同月比で6割程度まで落ち込んでいた。それが新車効果でお客が戻ってきている。
6月に発売開始した「キックス」はすでに契約件数1万台を突破。3月発売のルークスを含め軽自動車も順調だ。
さらには……。
日本はeパワー推し
会見の中で、内田CEOは日本市場では、eパワーをさらに拡充すると話した。
それはすなわち、「ノートeパワー」と「エクストレイルeパワー」を意味すると考えられる。
キックスに関するメディア向けオンライン意見交換の際、車体、サスペンション、パワートレインなど、先代ノートに対する改良点について詳しい説明を受けた。当然、こうした進化は新型ノートeパワーでも採用される。
また、エクストレイルの兄弟車である北米向けローグについて、2020年6月から日本生産開始と公表されており、北米向けの初期需要に対する供給が安定してから、日本向けエクストレイルとしての生産が始まることになるだろう。
それは年内か、それとも年明けか?
また、日産のブランド価値の象徴として、よりパイパワーとなる「Z」導入は2021年が濃厚だ。
また、伏兵として「マグナイト」がいる。
ルノー日産が協業する1.0Lエンジン搭載のBセグメント車。これまで日本市場導入の噂は立っていなかったが、トヨタ「ライズ」対抗としては気になる1台だ。すでに、日産オフィシャルサイトではマグナイトの動画が公開されている。
財務諸表上では、厳しい状況にある日産。
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