現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型メルセデス・ベンツAクラス:打倒ゴルフ! エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型

ここから本文です

新型メルセデス・ベンツAクラス:打倒ゴルフ! エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型

掲載 更新
新型メルセデス・ベンツAクラス:打倒ゴルフ! エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型

ワールドプレミアされたばかりの新型メルセデス・ベンツAクラス。「コンパクトクラスのモダンラグジュアリーを”再定義”する」とメルセデス・ベンツが謳う最新作。おそらく、「打倒、VWゴルフ」が新型Aクラスに与えられた役割のはず。ここでは、新型Aクラスを詳しく解説していこう。

まずは、パワートレーンだ。
2種類のガソリンエンジン、1種類のディーゼルエンジンの3種類のエンジンが用意されるが、なんと全機種、新開発エンジンだ。メルセデス・ベンツがAクラスにかける意気込みが伝わってくる。その3種類のエンジンをひとつひとつ見ていこう。

EVのゴルフ、e-Golfは買いか。リーフと比べたら?


A200用 1.3ℓ直4DOHC直噴ターボ M282型

現行のA180は1.6ℓ直4DOHCターボのM270型を搭載しているが、新型は新開発のM282型1.3ℓ直4DOHターボを積む。
出力は、163ps/250Nmと強力だ。ちなみにライバルのVWゴルフTSIハイラインの1.4ℓ直4DOHCターボ(EA211型)は、140ps/250Nmである。欧州で対決するVWのEA211のseries 1.5 evoと呼ばれる、いわゆる『ライトサイジング』ユニット1.5ℓの直4ユニットは
排気量:1498cc
ボア×ストローク::74.5×85.9mm
圧縮比:12.5
最高出力:96kW/4750-5500rpm
最大トルク:200Nm/1300-4500rpm

である。ダウンサイジングではなく、ライトサイジング、と宣言したVWに対して、1.3ℓの直4エンジンで勝負を賭けるメルセデス・ベンツ。
新開発のM282型、期待大だ。

さて、このM282型だが、技術ハイライトを解説しておこう。
まず、ルノーと共同共同開発されたエンジンであることを最初に言っておかないといけない。生産はチューリンゲン工場。いずれはルノーの北京工場でも生産されるようだ。


M282型は、排気量が1332ccだから、表記的には1.3ℓということになる。
ポイントは、気筒休止システムを搭載すること。エンジン回転数が1250-3800rpmで条件が合えば2/3番シリンダーが休止する。残った2気筒が高効率で回り結果的に効率が上がるというわけだ。
エンジンの低フリクション化にも注力している。シリンダー壁には、メルセデス・ベンツ得意のNANOSLIDEを使い、ピストンスカートもEco-Toughコーティングを施している。


技術的なハイライトは、「デルタ・シリンダーヘッド」である。そのカタチからそう呼ばれるが、現行モデルよりシリンダーヘッドの高さは若干嵩むが、軽くて幅が狭いという。さらに吸気と排気のマニフォールドをセミ・インテクテグレートするというのもポイントだ。ダイムラーが特許と保持している高圧噴射ポンプの噴射圧は250bar。インジェクターはセンターフィードだ。

ターボチャジャーのウェイストゲートは、電動式になった。

この新しいM282型は、標準でガソリン・パーティキュレート・フィルター(GPF)を装備する。ディーゼルにおけるDPFのガソリンエンジン版と考えればいい。厳しくなる排気規制に対応するために必須となりそうなデバイスだ。

気になる燃費データは、NEDCの複合モードで
DCTが19.6km/ℓ
MTが17.9km/ℓ
だ。


1.3ℓ直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:M282型
排気量:1332cc
ボア×ストローク:72.2×81.4mm
ボア/ストローク比:1.3
ボアピッチ:85.0mm
圧縮比:10.6
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:120kW(163ps)/5500rpm
最大トルク:250Nm/1620-4000rpm
リッター当たり出力:90kW/ℓ
ターボ:シングルスクロールターボ。


A250用2.0ℓM260型は次ページへ

A250用 2.0ℓ直4DOHC直噴ターボ M260型

A250が搭載するのは、2.0ℓ直4DOHCターボ。
現行のA250が搭載するのはM270-M20型2.0ℓ直4DOHCターボ。
160kW/350Nmに対して新型のM260型は
165kW/350Nm。
旧型からの出力アップはわずか。こちらはパワーアップよりも燃費対応か。

M260型はアルミ合金ブロックに鋳鉄シリンダーライナーを鋳込んだエンジン。CONISCHAPEとよぶ”トランペット・ホーニング”を施している。燃費のためにピストンのフリクションを低減した。
M260型は、CAMTRONICを搭載する。CAMTRONICは、可変バルブタイミング&リフト機構で、バルブリフトはハイ/ローに切り替わる。

インジェクターは、最新世代のピエゾ式。こちらも、標準でGPFを装備する。

4気筒だが、ターボチャージャーはシングルスクロールターボだ。ウェイストゲートバルブは、前型がバキューム式だったに対して電制式になった。


2.0ℓ直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:M260型
排気量:1991cc
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
ボア/ストローク比:1.1
ボアピッチ:90.0mm
圧縮比:10.5
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:165kW(224ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm/1800-4000rpm
リッター当たり出力:83kW/ℓ
ターボ:シングルスクロールターボ。


A180d用1.5ℓ OM607型

A180dに搭載するエントリーレベルのディーゼルエンジンも刷新された。
OM607型という1.5ℓ直4ディーゼルターボだ。エミッションはEURO 6dに対応。RDEにも対応する。
ターボは、エキゾーストマニフォールドに一体化されたVGターボ(可変ジオメトリーターボ、メルセデス・ベンツは可変タービンジオメトリー=Variable Tubine Geometryと呼ぶ)を採用。タービンのジオメトリーを変えるのは電動アクチュエーターが受け持つ。
インテークマニフォールドも一体化されるシリンダーヘッドはアルミ合金製。燃料の噴射圧は前型が1600barだったのに対して、ソレノイド式インジェクターで2000bar(20MPa)まで上げている。噴孔数は8。1回の燃焼で最大6回噴射する。

シリンダーブロックは鋳鉄製だが、剛性を上げつつ軽量化している。ピストンは前型と同じくスチール製。

排気後処理では酸化触媒、AdBlueによる尿素SCR、そしてDPFを装着する。AdBlueのタンク容量は23.8ℓと大容量だ。

このOM608もルノーの協力によって開発された。
3つのエンジンのうち、1.3ℓガソリンと1.5ℓのディーゼルは、開発でルノーがかなり大きな力を発揮したのではないだろうか?
ちなみに、ルノーの1.5ℓディーゼルのK9K dCi75.90.110の、ボア×ストロークはM608と同一。鋳鉄ブロックだ。OM608はK9Kをベースにしていると考えられるかもしれない。

VWのディーゼルゲートで、欧州はディーゼルはそろそろ終わり、という声もあった。排気後処理のコストを考えると、Cセグでディーゼルは厳しくなるのでは、と考える人もいたが、ダイムラー&ルノーは、1.5ℓのディーゼルを新規に投入してきた。やはりまだまだディーゼルの活躍する余地は残されているのだろうか?


1.5ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ
エンジン型式:M608型
排気量:1461cc
ボア×ストローク:76.0×80.5mm
ボア/ストローク比:1.05
ボアピッチ:85.0mm
圧縮比:15.1
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:85kW(116ps)/4000rpm
最大トルク:260Nm/1750-2500rpm
リッター当たり出力:58kW/ℓ
ターボ:シングルスクロールターボ。

こんな記事も読まれています

“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
WEB CARTOP
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
THE EV TIMES
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
日本導入に期待! アウディのコンパクトクロスオーバー「A3オールストリート」に本国でPHEVを追加
Webモーターマガジン
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
山本舞香さんがラリージャパン2024でトークショーに出演。特注のレーシングスーツ姿を初披露
AUTOSPORT web
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
ついに首都高八重洲線10年間の通行止めに! 2025年4月上旬から。KK線ともお別れ。【道路のニュース】
くるくら
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
トヨタが「大逆転ワールドチャンピオン」に! 最後の最後でドラマがあった!? トヨタ会長「感動という共感が生まれる」 WRCで「マニュファクチャラーズ」獲得、ラリージャパンもトヨタ優勝
くるまのニュース
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
市川團十郎×佐藤琢磨、同い年のふたりが歌舞伎とレースに共通点見出す。白熱するトークの裏で11歳の新之助が大物ぶりを発揮!?
motorsport.com 日本版
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
ポルシェの超レアな限定車「911ダカール」がついに生産終了!最後の1台は斬新なカラーリングで驚愕
VAGUE
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
日産が新型「車中泊ミニバン」発売! 巨大ベッド&高性能四駆を搭載した「4人乗りセレナ」がスゴい! 車高アップで走破性高めた新モデルとは?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

489.0559.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0568.0万円

中古車を検索
Aクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

489.0559.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0568.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村