埼玉県でオールジャパン・ミニカー・ミーティングが初開催
「多様性の時代」とはよく言ったもので、自動車系のイベントも本気のモータースポーツ競技から仲間内のオフ会まで千差万別。そんな中でも、さる2024年9月29日(日)に開催された「ALL JAPAN minicar MTG(オールジャパン・ミニカー・ミーティング)」は、他にあまり例を見ない、かなりトンがったイベントと言えます。レアで小さなマイクロカーが100台集まった会場からレポートします。
愛車歴20年の原付カー「アビー キャロット」で1日600~700キロなら普通に走破! もちろんすべて一般道…ちなみに最高速は60キロです【マイクロカー図鑑】
マイクロカー愛好家の呼びかけで100台が集結した
2024年9月29日(日)に開催された「ALL JAPAN minicar MTG(オールジャパン・ミニカー・ミーティング)」。その名の通りこのイベントは原付四輪車がメインのイベントで、今回が初の開催となる。主催するのはALL JAPAN minicar MTG実行委員会で、そのメンバーにはAMW「マイクロカー図鑑」シリーズでも幾度もご紹介している熱心なミニカー・フリーク水口 雪さんを筆頭に、そうそうたる原付カー・オーナー諸氏が名を連ねている。
会場となった埼玉県の川島町役場駐車場には当日の朝からエントラントが続々と集結。免許不要の特定小型原動機付自転車から普通免許が必要な一般原動機付自転車(ミニカー)、乗車定員が2名となる超小型モビリティまで、約100台ものミニカーが会場を埋め尽くした。
その内訳は光岡自動車やタケオカ自動車工芸といった「量産メーカー」の歴代市販モデルから、「ベスパカー/アぺ」、ルノー「トゥイージー」といった新旧の輸入車勢、さらには自作フレームのワンオフ・モデルといった「バックヤード・スペシャル」までじつに多彩。
タケオカなどメーカーも協力して魅力をアピール
会場の本部前にはチョロQモーターズ謹製の歴代「Qカー」が貴重なプロトタイプなども含め5台が展示され、さらにネットなどでもお馴染みの企業カラーをまとった「サイデスカー」や子ども向けTVドラマ『走れ! ケー100』の劇中車を再現したレプリカ、フォード「GT40」を巧みにスケールダウンした「GT50」など、他のクルマ系イベントではまずお目にかかれないであろうユニークな車両が目白押し。このジャンルにこれだけ多くのファンがいることに改めて驚かされる。
このイベントには一般オーナーに加え、中国製トゥクトゥクの輸入販売を手がけるノスタルジックオート三輪舎が「フリーダム250」を、中国の櫻星(おうせい)が「OHSEI-88」を展示。そして日本唯一の原付カー・メーカーとして知られるタケオカ自動車工芸も参加。タケオカ自動車は同社の「アビー」や「ララ」の新車試乗会も開催し、多くの人が試乗の列に並んでいた。社長自らが試乗会の陣頭指揮を取りその利点をアピールしていた。
会場は終始なごやかな雰囲気
一時は空模様も危ぶまれたが幸い雨にも見舞われず、11時半からは参加車両による会場周辺のパレードランも無事決行された。エントラントは会場内のキッチンカーで空腹を満たした後、13時からは本部前で参加者全員によるビンゴ大会。会場には終日なごやかな空気が流れていた。
とかくクルマといえば「速い」「カッコいい」「誰もが知っている」「押し出しがきく」なんて部分に注目が集まりがちだが、オールジャパン・ミニカー・ミーティングの参加車両群はその対極。たとえ普通のクルマに比べ実用性が劣り、もろく儚い存在であったとしても、周囲の目など気にせず「ただただ好きで乗っている」幸せなオーナーたち。原付カー趣味とは、最もピュアなクルマ趣味のひとつのカタチなのかもしれない。
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みんなのコメント
恐らくオーナークラブの方々かと思うが、アぺ…といえばかつてのベスパの
インポーターであった成川商会が輸入した、単眼ヘッドライトで小さな平荷台の
車両…とばかり思っていたが、会場には二眼ヘッドライトでバンタイプのアぺや
平荷台に頑丈なロールバーを配したアぺがあったりして、見どころの多いクルマ
であった。
残念ながらこのアぺ50は、本年をもって製造中止ということだそうだ。