■17年ぶり復活の「クラウンエステート」…その新たな立ち位置とは
2023年10月には、六本木ヒルズにて16代目「クラウンシリーズ」の展示イベント「CROWN STYLE PARK」が開催され、新型「クラウンスポーツ」が発表されたほか、11月13日にも新型「クラウンセダン」が発売となりました。
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登場がアナウンスされているクラウンシリーズは、残すところ新型「クラウンエステート」のみとなり、2024年の発売がアナウンスされています。
“クラウンエステート”という名前は2007年に消滅して以来、およそ16年振りの復活となりますが、はたして新型クラウンエステートはどのような立ち位置の車種となるのでしょうか。
そもそもクラウンエステートとは、1999年にクラウンが11代目へとフルモデルチェンジを果たした際に新たに追加された仕様となっており、平たく言ってしまえばクラウンのステーションワゴンモデルということになります。
クラウンのステーションワゴンモデルの歴史は意外にも古く、日本国内で乗用ワゴンとして登場したのは、1962年9月に登場した2代目モデルに早くも設定されており、当時は「クラウンカスタム」と呼ばれていました。
その後、1979年9月に登場した6代目クラウンからは「クラウンワゴン」、8代目クラウンからは「クラウン ステーションワゴン」と変遷をたどっています。
これまでの歴代ワゴンモデルは基本的にセダンをベースとして車体後部をステーションワゴンとしたものでしたが、今回登場が予定されているクラウンエステートはセダンではなく、クロスオーバーやスポーツと共通するプラットフォームを持っていると見られています。
またスタイルも荷室容量を確保するために、比較的立てられたリアゲートを持つというのはステーションワゴン風となっているものの、それまでのクラウンのステーションワゴンモデルのように明らかにリアのオーバーハングを伸ばしたようなスタイルにはなっていません。
また高められた車高や全車4WDの駆動方式、そしてフェンダーアーチモールが備わることでクロスオーバーSUV風のスタイルとなっていることから、スバル「レガシィアウトバック」のようにクロスオーバーテイストを持ったステーションワゴンにキャラクターをチェンジしたとも言えそうです。
というのも、現在では国産ステーションワゴンの需要はかなり冷え切っているのが現状で、すでにラインナップからステーションワゴンが消滅しているメーカーも珍しくありません。
現在、ラインナップされているステーションワゴンモデルも決して販売が好調とは言い難いものが多く、クロスオーバータイプとなるのも時代の流れからすればやむを得ないところなのかもしれません。
ではなぜクラウンにわざわざステーションワゴンモデルのエステートを設定しているのかというと、恐らく海外での需要を見込んでと考えるのが自然でしょう。
これまでは、ほぼ日本専売モデルとして独自の地位を築いてきたクラウンでしたが、現行の16代目モデルからはグローバル販売されるモデルに生まれ変わっており、クラウンというブランドに固定概念のない海外のユーザーからは、“トヨタの新しい魅力的なモデルシリーズ”として受け入れられているのです。
往年のファンからしてみると、大きく方向転換をしてしまったようにも感じられる16代目クラウンシリーズではありますが、新たなマーケットの需要を掘り起こすという役目を持ったグローバルモデルに生まれ変わったことで、新たなクラウンの価値を創造しようとしていると言えるのではないでしょうか。
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