この連載では、今やはるか昔になった「昭和」の常識だったメカニズムについて解説していこう。第1回目は多くのクルマに搭載された「OHVエンジン」。古めかしささえ感じられるが、当時としては一般的なメカニズム。さらに、これが普及したおかげで多くの高性能エンジンが生まれることになる。
OHVエンジンによって、シリンダーヘッドに吸排気バルブを設置できた
OHVエンジンは、日産サニー1200GXなどに搭載されたA12型やトヨタの主力車種に搭載された2T型など、枚挙に暇がないほど多くのクルマに採用され、当時のスタンダードとも言える。OHV方式の説明の前にその元となったSV(サイドバルブ)エンジンについて触れておこう。SVエンジンは戦前のクルマに主流だった方式で、これがOHVエンジン誕生の前段階になるからだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
現在主流になっているDOHCやSOHCエンジンの吸排気バルブが、シリンダーの上(オーバーヘッド)にバルブの傘を下にして配置されるのに対して、SVエンジンはシリンダーの横に傘を上にして配置される方式となる。こうするとバルブ機構はシリンダーブロック側で完結でき、シリンダーヘッドに必要なのがプラグホールだけで済むので、シンプルな機構となる。
SVエンジンの構造
SVエンジンの場合、バルブはクランクシャフトの近くに装着されたカムシャフトによって駆動される。ただし、吸排気の行程が燃焼室の上ではなく横から行われ、燃焼室の形も横に長くなり、燃焼室の表面積が増えるために圧縮比をあまり上げることができない。そのためエンジン回転をそれほど高くできない、というデメリットがあった。
OHVエンジンの構造
このSVエンジンの欠点を解決するのがOHVエンジンだ。OHVとはオーバーヘッドバルブのことで、吸排気バルブがその名のとおり燃焼室の上に装着される。そのバルブを駆動するのはカムシャフトによって駆動されるプッシュロッドと呼ばれるパーツとなる。図を見てもらえばわかるように、SV方式をベースとして、吸排気バルブをシリンダーヘッド側に持ってきたような構造となっている。
シリンダーの真上に吸排気バルブを設置したことによって、燃焼室をコンパクトにすることができた。そのため圧縮比を上げて高出力を得られるようになったというわけだ。基本的にこのバルブの位置は現代のエンジンでも同じで、すべての基本がここでできあがったと言える。
OHVはそれなりの性能を発揮することができるが、プッシュロッドという仲介物の慣性重量がかかるために、さらに高回転にするには限界があった。そのためにSOHCやDOHCというチェーンやベルトでシリンダーヘッドのカムを回すという方式に移行していったのだ。ただし、この機構は昭和にとどまることなく、平成・令和でも大排気量のアメリカ車などで見ることができる。(文:Webモーターマガジン編集部 飯嶋洋治)
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みんなのコメント
よって、軽量・コンパクト・低重心に出来る
構造もシンプル
だからアメ車のV型はOHVが主流です、欠点は排気量でカバー
B310サニークーペの激闘ぶりが実に面白いですね。
ハイカムやカーボンプッシュロッド等の高度なチューニングで
1万rpm以上回ってしまうA型エンジン…
OHV、バカに出来ませんね!
東名さんをはじめとする老舗チューナーの技術力はスゴイ!