2022年3月23日、BMWが新型MINIのEVプロトタイプを公開した。
今回公開されたのは、BMW製MINIとしては第4世代となる次期3ドアハッチバックのフルEV。2023年発表といわれるこの次期MINIには、「新世代」と呼ぶにふさわしいディテールがいくつも見られる。
新型MINI現わる! 2023年にフルモデルチェンジ! フルEVになる日はすぐそこ!
従来のMINIからどこが変わるのか、各部をチェックしてみよう。
文/北沢剛司
写真/BMW AG
■思わぬ長寿モデルとなった現行モデル
これまでのスパンからフルモデルチェンジをしてもおかしくないタイミングだったMINI。しかし2021年に発表されたのはマイナーチェンジだった。これにはBWWの電動化戦略が大きく関わっている
現在は「クラシックMINI」と呼ばれる初代MINIが誕生したのは1959年。
2000年まで実に40年以上にわたってモデルチェンジすることなく生産されたコンパクトカーの代名詞存在だった。
新たにBMWが手がけたMINIは、2001年に初代モデルが登場。2006年には第2世代に進化し、2013年に第3世代の現行モデルが登場している。
誕生から60年を超えたMINIの歴史において、BMW時代はすでに全体の1/3以上に達しているのだ。
MINIの基幹モデルであるハッチバックは、これまで5年~7年のタイミングでフルモデルチェンジを行ってきた。そのため、遅くとも2020年頃にはフルモデルチェンジされると見られてきた。
しかし、2021年1月に本国で発表された新型MINIは、従来型のマイナーチェンジ版。同じ世代で2度のマイナーチェンジを行ったのはハッチバックでは史上初だった。
このようにフルモデルチェンジが見送られた理由には、BMWの電動化戦略が関係している。
■2030年代初頭には「MINIをフルEVブランドに」
BMWは2030年代初頭にMINIを「フルEVブランド」とする方針を発表。ドイツでは2021年に10,140台のMINIクーパーSEが納車されたという。これはドイツで販売されるMINIの23.6%にあたる計算だ
BMWは2021年3月の年次総会において、MINIを2030年代初頭にフルEVブランドにする方針を発表。
内燃エンジンを搭載するニューモデルは2025年が最後となり、2027年までに全世界におけるフルEVの販売比率を50%に引き上げる。そして2030年初頭にはフルEVブランド化を達成するという流れだ。
海外では、2020年3月からフルEVとなるMINI クーパー SEが発売されている。英国オックスフォード工場で生産されるこのモデルは、各国で推し進められる電動化への流れを追い風に販売台数が増加。
MINIにとって最大のフルEV市場となっているドイツでは、2021年に10,140台のMINI クーパー SEが納車されたという。
これはドイツで販売されるMINIの23.6%にあたり、すでに1/5以上のMINIがフルEVになっているという計算になる。
■新型MINIはフルEVと内燃エンジンの2本立てに? ディーゼルは廃止か
肝心のニューモデルについては、2023年に新型のMINI 3ドアハッチバックが登場する予定だ。このモデルはフルEVと内燃エンジンの2本立てで、新開発のEVプラットフォームとなるフルEVは、中国の工場で生産するという。
ここで気になるのは、内燃エンジン仕様の新型MINIがどうなるのかということ。
BMWの公式発表がないので推測になるが、おそらくガソリンエンジン仕様は設定されるはず。しかし、ディーゼルエンジン仕様の設定は微妙だ。
なぜなら欧州ではディーゼル離れが進んでいて、すでに3ドア/5ドアハッチバックのラインアップからはディーゼルエンジン搭載車が姿を消しているからだ。
その穴を埋める存在として登場したのがフルEVのMINI クーパー SEで、ディーゼルがそのままフルEVに移行した感が強い。
MINI クーパー SEが未導入の日本市場ではディーゼルエンジン搭載車が残っているものの、これは現行モデルで廃止になる可能性が高いといえる。
■新型MINIは「中国製」になる?
もうひとつ気になるのが生産工場だ。前述の通り、新型MINIのフルEV版は、中国の長城汽車(GWM)と提携し、中国で生産すると発表している。
内燃エンジン仕様が従来通り英国オックスフォード工場で生産されるのであれば、新型MINIは中国製と英国製の2種類が存在することになる。
そしてフルEVの比率が高まるにつれてオックスフォード工場で生産されるモデルが減少し、いずれは閉鎖という可能性もなくはない。
ただ、現在の主力工場であるオックスフォード工場では現在フルEVであるMINI クーパー SEを生産しているし、なにより英国ブランドを象徴する存在でもある。
新型MINIでも5ドアとコンバーチブルは設定されると思われるため、それらの生産工場として活動を続ける可能性は高そうだ。
ちなみに次期MINIクロスオーバーは、ドイツのライプツィヒ工場で生産することが発表されている。こちらもフルEVと内燃エンジンの2本立てで、2023年に登場する予定だ。
■ティザー写真にはいくつものダミーが フロントマスクはどうなる?
それではBMWが公開したティザー写真を見てみよう。
まず目につくのが大きなヘッドライトリングだ。これがそのまま生産されればとても可愛いフロントマスクになるが、よく見るとその内側にデイタイムランニングライトが確認できる。
ということは、大きなヘッドライトリングは偽装で、ヘッドライトの大きさは従来と同等であると思って良いだろう。
また、別の写真ではヘッドライト中央にLEDのラインが点灯しているものがあり、中国で撮影されてしまった偽装のない別のスクープ写真ではLEDのラインが上下2本の仕様もある。そのため、2種類のヘッドライトが設定される可能性もありそうだ。
フロントマスクは、現行MINIハッチバックと同様に、黒い8角形のラインでフロントグリルをイメージしたものとなる。
ただ、そのラインはかなり細くなり、現行モデルのヒゲのようなイメージはだいぶ薄まるようだ。また、ボンネットにはエアインテークのような楕円形の黒いパーツが付いているが、これは完全なダミー。
中国で撮影されたEVモデルとおぼしきスクープ写真ではエアインテークは付いていない。
ただ、内燃エンジン仕様では付いてくる可能性も考えられるので、可能性としては五分五分だ。
■大きく傾斜したフロントウィンドウ いくつもの「伝統」が消滅?
サイドビューでまず目につくのは、大きく傾斜したフロントウィンドウ。
MINIはクーペ系のモデルを除けば、伝統的にフロントウィンドウが立っているのが特徴だった。しかし、その伝統が新型で失われることとなる。
ドアハンドルが従来のグリップタイプからフラップタイプに変更されたことも見逃せない。これによりクラシックMINI由来の伝統的なデザインアイコンが姿を消すことになる。
もうひとつ気になるのが、フェンダーアーチとフロントフェンダーのサイドスカットル。写真を見る限り、R50の初代MINIから受け継がれてきたフェンダーアーチの膨らみが確認できず、サイドスカットルも偽装に見えるのだ。
中国のスクープ写真では両方とも確認できないので、これも廃止になる可能性が高いといえる。
また、サイドウィンカーがドアミラー内臓型になっているのも目新しいポイントだ。
■リア周りのデザインはさらに衝撃的
プロトタイプのリアビュー。カモフラージュ柄以外にも様々なダミーが施されているが、それらをかいくぐり予想してみると、従来のMINIから大きな変貌を遂げていることが伺える
もっと衝撃的なのがリア周りのデザイン。
一見すると従来のMINIそのものだが、テールゲートはテールライト周辺にくびれがあり、下部もラウンドしていることが分かる。
これはテールライトのデザインが三角形になることを意味していて、ナンバープレート上部のテールゲートハンドルの盛り上がりもダミーである可能性がある。
実際、中国で撮影されたスクープ写真ではこの部分がテールライトの左右を結ぶガーニッシュとなっていて、テールライトもスパイダーマンの目を彷彿とさせるデザインとなっていた。
現行MINIではユニオンジャックをイメージしたLEDテールライトが好評だが、新型ではあっさり手放してしまうのだろうか?
■従来のキープコンセプトから決別?
インテリアの写真は公表されていないが、別のスクープ写真ではステアリング前方のメーターパネルが姿を消し、ヘッドアップディスプレイのみが存在していた。
その代わりに円形のセンターメーターは巨大化され、ユニークなデザインとなっていた。
これらから見えてくるのは、新型MINIは従来のキープコンセプトから決別し、新世代のデザインとなっていること。
マーケティング的にも、英国らしさを主張したこれまでのMINIとは違う方向性にしていくのだろうか?
いろいろな意味で、新型MINIは目が離せない存在となりそうだ。
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