2023年5月17日、トヨタ、ダイハツ、スズキは3社合同でプレスリリースを発表、「共同開発してきた軽バンEVを2023年度内に発売する」、「プロトタイプを広島サミット(G7)に展示する」という内容だった。本誌特派員(実は編集担当取締役)が広島に飛び、さっそくこの大注目の(おそらく日本の配送車の勢力図を塗り替える)新型軽バンEVを撮影し、新情報を仕入れてきたので、整理してお届けします。
文、画像/ベストカーWeb編集部
EV時代の革命児登場!! 2023年度内に最強トリオが発売する軽バンEV撮った!!
■「内装」も撮った!! めちゃくちゃ売れそう!!
日本が世界に誇る軽自動車界の双璧であるダイハツとスズキが、手を組んだ。これまで熾烈なシェア争いをしてきいた「ハイゼット」と「エブリイ」が、軽バンEV部門で手を結び、OEM供給し合うことになる。
生産はダイハツが担当し、一充電当たりの航続距離は200km程度と発表。2023年度内の発売(つまり2024年3月末まで)も明言され、公式写真を見るとダイハツ版が「ハイゼット」、スズキ版が「キャリイ」、トヨタ版が「ピクシスバン」と命名される予定。
この「新型ハイゼット」のプロトタイプが、2023年5月18日~21日に広島で開催される主要国首脳会議(G7)の会場に展示された。
目玉である新型軽商用EVを含め、自工会はこのG7で計35台のモビリティを展示。広島市中心部の原爆ドームから近い「ひろしまゲートパークプラザ」会場に、5月19日~21日の日程で一般公開される
「現物」を目にした最大の驚きは、最大積載量がガソリン車と同じ350kgであり、荷室もガソリン車と同じようにフラットであること。
充電口はフロントマスクの前面に設置され、急速充電器(CHAdeMO)にも対応する。これ、ガソリン車と使い勝手がまったく変わらないということで、もちろん車両本体価格と補助金によるけど、バカ売れするのでは…。
新型軽EVバンはダイハツ、スズキ、トヨタの共同開発。満充電で航続距離200km、2023年度内の発売が明言された
G7開幕に合わせて実施された日本自動車工業会の会見では、豊田章男会長(トヨタ自動車会長)が「目標はあくまでカーボンニュートラル、その山の昇り方はいろいろあって、BEVはその選択肢のひとつではある。ただそのひとつの選択肢で、競争すべきところは競争し、手を取り合えるところは手を取り合って、お客様や地球環境のために、日本メーカーが一丸となってカーボンニュートラルを実現してまいります」と語った。
ダイハツ、スズキ、トヨタの歴史的な共同開発は、「このジャンルでは、競い合うより手を組んで一緒にやったほうがお客さんと地球環境のためになる!!」ということを本気で進めた結果だということのようだ。(なお豊田会長は同会見の最後に、「我々もがんばりますので、皆さんもそうした姿勢をしっかり発信してください」とメディア各社に対して釘を刺したのも印象的だった。が…がんばります…)。
後席(2列4人乗り)を畳むと広大なラゲッジスペースが。これ…バッテリーをよく積めたなぁ…
「現場」(広島のG7会場)ではこの新型軽EVの説明員などがいないため、詳細は不明、さらなる取材を重ねることになるが、内装を覗いてみると、シートヒーターや1500wの電源あり。シフトはEV仕様で、タイヤはブルーアースバンRY55、サイズは145/80R12だった。某メーカー関係者にいろいろと話を当てた感じでは「2023年内の発表発売もありうる」という雰囲気だったが…そうなると、補助金、足りるのか??
日本の配送現場の勢力図を根本からひっくり返すポテンシャルを持つ新型軽バンEV、引き続き取材を進めて、新情報が入ったら当サイトにてお伝えします。
充電口がフロントバンパー内。200V充電と急速充電器、どちらも利用可能の2口タイプ
内装はガソリン仕様とほぼ同じだが、シフトはEV用、シートヒーター、1500Wの給電ソケットなどを持つ。センターパネル上部のラジオが「軽バンらしさ」を発揮
サイドシルエット。細い道もすいすい走る。Amazonや日本郵便などの配送車のシェアをごっそり獲っていきそう…
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ヤバいよなぁ