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日本が本気で作ったラグジュアリー・オープンカーの醍醐味──レクサスLC500コンバーチブル試乗記

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日本が本気で作ったラグジュアリー・オープンカーの醍醐味──レクサスLC500コンバーチブル試乗記

レクサスの2ドア・クーペ「LC500」に追加設定されたコンバーチブルに、小川フミオがあらためて試乗した。世界トップクラスのGTカーの実力とは。

ひときわ目をひくデザイン

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いちどは乗ってみたいオープンモデル。なかでもラグジュアリー・クーペをベースにしたモデルには、誰だって心おどる。いまにうちに乗っておきたい1台が、レクサスLC500コンバーチブルだ。見た目よし! 走りよし! の、レア度が高いモデルである。

LC500コンバーチブルは、スタイリッシュであると同時にサーキットでも楽しめてしまうほどの高性能を併せ持ったLC500の、フルコンバーチブル版だ。しわひとつないソフトトップは、あえて小ぶりに作ってあり、“基本オープンで乗りますよね?” というメッセージを発しているようなたたずまいが、いさぎよい。

メインマーケットである北米・西海岸では、ほとんどのひとが、ルーフを開けたまま、LC500コンバーチブルでのドライブを楽しんでいる(ように見受けられる)。あちらでは、どんなにぜいたくでも、ルーフ固定のクーペでなく、フルオープンの人気が高い。

エッジの効いたキャラクターラインを活かしたエクステリアの造型といい、オープンにしたときに見える室内のデザインや素材といい、LC500コンバーチブルは特別感満載だ。レクサスは、1989年の初代「LS」から一貫してスペシャル感を追求してきたとはいえ、2017年のLCから、さらに突き抜けた個性を獲得したように思える。街で見かけたとき、ひときわ目をひく。

LC500コンバーチブルは、全長4770mm、全幅は1920mmもある余裕あるサイズのボディに、351kW(477ps)の最高出力と540Nmの最大トルクを持つ4968ccV型8気筒ガソリン・エンジン搭載の後輪駆動車だ。

じつにシアワセなことである

オープンボディにくわえて、もうひとつの大きな魅力が、上記のとおり伝統的なメカニカル・レイアウトを活かして、古典的ともいえるスポーツカーらしい操縦性が楽しめるところにある。

自然吸気式(非ターボ)のエンジンは、アクセルペダルの踏みこみに対しての反応もするどい。おもしろいぐらいスムーズにエンジン回転があがり、パワーがガンガン湧き上がってくる。

高速での巡航性能は、(いうまでもなく)高い一方、カーブを走り抜けるときに、「LCっていいなぁ」と、声が出そうになるぐらい、気持ちがいい。軽快な感覚が味わえる。

ステアリング・ホイールは軽めの設定であるが、操作に対してボディの反応がするどいので、カーブが連続する道もまた楽しい。たしか市販前のテストをしていたのが、ロサンジェルス近郊の山中のワインディングロードだったはず。

スポーツドライビングが大好きという米国人に負けずに、日本にいる私たちだって、LC500コンバーチブルの性能ぶりを堪能できる。これはクルマ好きにとって、じつにシアワセなことであると私はつくづく思った。

いつまで新車で購入できるのか?

試乗した日は、春先とはいえ、まだまだ寒さが残っていた。最初は、サイドウィンドウもおろして走らせていたものの、外気にからだが包まれるので、寒くなってしまった。

私にとって、しかし、これはむしろ朗報。せっかくのオープンなのだから、外気をフルに感じていたいではないか! レクサスの開発者は、ほんと、スポーツカーが大好きなんだなぁと嬉しくなった。

寒ければ、(洒落た)防寒着を身にまとえばよい。ぜいたくなインテリアに身を置く自分の姿を周囲に見せびらかすのも、このような高級コンバーチブルのオーナーのよろこびなのだ。もちろん、閉めていれば、空調や遮音など、クーペなみの快適さをもたらしてくれるのだけれど。

メルセデス・ベンツ「SL」やBMW「8シリーズ」、あるいはポルシェ「911カブリオレ」やシボレー「コルベット・コンバーチブル」など、世界には、伝統ともいえるほどモデルチェンジを繰り返しながら市場に愛されて続けているコンバーチブルが存在する。

大排気量のガソリンエンジン搭載のレクサスLC500コンバーチブルはいつまで新車で購入できるのか? いろんな面で楽しいクルマだけにそこが気になる。

「Lexus Electrified」なるスローガンの下、全車種電動化を宣言したレクサスのラインナップにあって、早晩、なんらかの変更を受け入れざるをえないだろう。でも、せっかく作りあげた、ぜいたくなオープン4シーターというコンセプトはすくなくとも存続してほしいものだ。

文・小川フミオ 写真・田村翔

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