ひと昔前は魅力的なエンジンが多かった!
1980~2000年代の日本車は高性能なスポーツカーが百花繚乱。大排気量車を中心とする280psウォーズに1.6L勢のバトル、そして忘れてはいけないのがミドルクラスの2Lターボだ。
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当時2L車は需要が高くバラエティに富んでいた
昔は2Lを超える3ナンバー車には高額な自動車税が課せられ、5ナンバーの上限である2Lは非常に需要が高かった。そのような背景から自動車メーカーは2Lのエンジン開発に注力し、ターボを組み合わせることでワンランク上の性能を手に入れた。近年のダウンサイジングターボとは異なる思想で設計された、当時の花形である2Lターボの名機たちを紹介していこう。
トヨタ「3S-GTE」
まずはトヨタの3S-GTE。初めて搭載されたのはST165セリカでスペックは最高出力185ps/最大トルク24.5kgf-mだったが、次期型のST185では225ps/31kgf-m(RCのみ235ps)と大幅にアップする。またSW20のMR2では245ps/31kgf-mとパワーをさらに上乗せし、最高スペックはステーションワゴンであるカルディナの260ps/33kgf-m。
日産「SR20DET」
日産を代表するのは、シルビア&180SXの心臓部として知られるSR20DETだ。デビューは1989年のU12ブルーバードSSSで、スペックはPS13シルビアと同じ205ps/28kgf-m。最終モデルのS15シルビアでは250psまでパワーアップしたほか、RNN14パルサーGTI-Rは4連スロットルを装備して230ps/29kgf-mを発揮、初代エクストレイルでは可変バルブタイミング機構を採用(型式はSR20VET)する。3S-GTEと同じく最高スペックがスポーツカーではなく、4WDのステーションワゴンやSUVである点も興味深い。
三菱「4G63」
三菱の4G63はランサー・エボリューションが有名だが、歴史は古く初代は1981年のランサーEX2000ターボ。ただしクルマ自体が輸出仕様で、エンジンもSOHCの2バルブだった。大きく進化するのはE39AギャランVR-4からで、DOHC 4バルブとなり最終的には240ps/31.5kgf-mを発揮し、WRCを筆頭に国内外のモータースポーツで大活躍した。さらに4G63は後継のランサー・エボリューションに引き継がれ、最後の搭載車となる「ランエボIX MR RS」は280ps/41.5kgf-mまで進化した。
スバル「EJ20」
ラリーやレースで三菱と覇権を争ったスバルは、インプレッサやレガシィに積まれたEJ20ターボ。1989年に登場したレガシィRSに搭載され、初期のスペックは220ps/27.5kgf-mだった。当時からモータースポーツでは実力を高く評価されていたが、WRCの車両がインプレッサWRXにスイッチされて以降は、ランエボとしのぎを削りつつ毎年のようにアップデートしていった。
ほかにもエクシーガやWRXなど、スバルの主力パワーユニットとして多くの車種に採用され、最高スペックは「WRX STI」の308ps/43kgf-mでライバルを凌駕する280psオーバーを誇る。
ダウンサイジング化が進む現代でも2Lターボの魅力は衰えず
いずれも日本の自動車史に名を残す名機ばかりだが、チューニングのパーツやメニューが豊富だったことも、2Lターボが主流ではなくなった今も人気が衰えない理由だ。ブーストアップにタービン交換はもちろん、2.2Lへ排気量アップするキットも開発されており、タービンや内部パーツの純正流用も盛んに行われた。
2010年代に入ると日本にもエコロジー化の波が押し寄せ、ターボエンジンはダウンサイジング化が進み排気量を減らしている。当時自動車メーカーが心血を注ぎ込んで時代を華彩った2Lターボたち、ノーマルで乗るにせよチューニングするにせよ魅力あるエンジンばかりだ。
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みんなのコメント
時代が変わったと言えばそれまでだが寂しさもある。