この記事をまとめると
■STIフレキシブルパーツは辰己英治さんが考案した人気のアイテム
【意外と知らない】エンジンルームを横切る「タワーバー」の役割とは?
■装着することで「運転が上手くなる」と言われている
■その真相をBRZで“フレキシブルパーツ有り無し比較試乗”を実施した筆者が語る
スバル車オーナーから絶大な人気を誇るSTIフレキシブルパーツ!
STIフレキシブルパーツを装着すると、ボディが強くてしなやかとなり、その結果「運転が上手くなる」という。STIフレキシブルパーツは旧富士重工業時代、長年にわたり車両実験に携わった現STIの辰己英治さんが考案したもので、ある方向からの力に対しては突っ張らずに”いなす”ことによって路面からの入力を処理。走行中のシャシーのしなりを補正し、初期操舵の鋭敏な応答性としなやかな乗り心地を両立させる効果を発揮する。
STIフレキシブルパーツは、2007年に発売された4代目レガシィの「tuned by STI」に初めて装着されたSTIフレキシブルタワーバーが第一弾で、SUBARU車の走りの質を大きく変えた。その後パーツ単体でも発売され、2017年に年累計生産数は10万本を突破。その効果は多くの人が実感しやすく、車体に適度なテンションをかけることでミクロのガタを低減する「STIフレキシブルドロースティフナー」と共に、SUBARU車ユーザーの間では人気の定番アイテムとなっている。
STIフレキシブルパーツを装着すると、四輪の路面接地性が向上。コーナーリング中の安定性が増し、クイックで素直なステアリング操舵感が実現することで、ドライバーはクルマを自由自在に操れているとの実感が高まる。無駄な修正舵がなくなるので、同乗者には「運転が上手い」との印象を与えられるというわけだ。
だからといって、絶対的なタイヤのグリップ力やクルマの限界性能が高まるわけではないので、サーキット走行でのラップタイムなど、数値的には実証しづらいものでもあり、イマイチ伝わりにくい面があるのも事実。そこで今回は、長年SUBARU車に乗り続け、STIフレキシブルパーツの効果を実感してきた筆者が、とてもわかりやすい「運転が上手くなる」体験をしたので、それを報告したい。
筆者は現行型BRZを購入後、半年以上経ってもSTIフレキシブルパーツを装着していなかった。その理由はボディ剛性やサスペンションへの不満がなかったからで、経年劣化が現れたら装着するつもりだったのだ。しかし、STIの辰己英治さんにいわせると、現行型BRZには、直進時のステアリングのすわりや、舵角を当てて直進に戻す際の手応えにはさらに良くなる余地が残されているという。
そこで、具体的にはどう変化するのかを確認するべく、現行型BRZでSTIフレキシブルパーツの有り無し比較試乗を実施してみた。まずは筆者が所有するBRZ(当時はSTIフレキシブルパーツ未装着)の助手席に辰己英治さんを乗せ、市街地をごく普通に走行。辰己英治さんは多くのスバリストにとって超のつくカリスマ的存在なので、筆者としては、絶対に運転が下手だと思われたくない。その一心から、全力で神経を研ぎ澄ませ、これ以上は無理というほど丁寧でスムースな運転操作を披露しようと心がけた、しかし、気負いすぎたせいもあってか、車内は微妙な空気に。
手のひらにジワッと汗をかきながら「私の運転、客観的に見てどうでしょうか?」と問うと、辰己さんは「うーん、そうねぇ。まぁなんというか……」と困った表情を浮かべる。自分としては、緊張と気負いのあまり、時にギクシャクしてしまう場面があったのを自覚していた。
ごく自然に丁寧な運転ができるようになった
重苦しい雰囲気のまま、STIフレキシブルパーツ(フレキシブルフロントVバー/ドロースティフナーリヤ)装着済みの現行型BRZに乗り換え、まったく同じ道を同じペースで走る。すると、先ほどはガチガチになっていたのがウソのように緊張がときほどかれ、何も意識せずとも、スーッとスムースに走れているのがわかる。ハンドリングがどうのこうの、ではなく、ごく自然にクルマが綺麗に扱えている感覚で、とにかく運転がラクになっていたのだ。
辰己さんの表情も、ひとつめのカーブからパッと明るくなった。「マリオさん、明らかにコーナリングがスムースになっていますよ! 予想以上のわかりやすさですねこれは」と笑いながら、筆者の運転が上手くなったと頷く。それがお世辞や、パーツの効果を大げさにアピールする類いのものではないことは明らかだった。
STIのフレキシブルパーツの「運転がうまくなる」効果は、つまるところ、ドライバーがリラックスした状態でごく自然に丁寧な運転ができるようになる、ということ。それを強く実感できたのがこの体験である。
辰己さんによると、運転がしやすいクルマは「タイヤをジワリと路面に押し付ける」特性が大事だという。剛性が極めて高いように感じるドイツブランドのスポーツモデルでも、すべてをガチガチに固めたりはしておらず、過度に固くしない範囲で入力の伝達性を高め、タイヤにかかる力に唐突さがでないような設計になっているらしい。
あるいは、旧世代のイタリア/フランス車など、一見剛性が低そうに感じる車体でも、大事な部分は剛性を確保しているなど、ボディ剛性はとても奥が深い世界だ。新型車のデビュー時によく公開される「ねじり剛性○%アップ」などの数値だけでは、本当の良し悪しはわからないという。
最近のSUBARU車はプラットフォームが新世代のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)となり、剛性はとても高く、衝突安全性でも世界一レベルの高さを誇っている。とりわけ、車体の前から後ろへ流れる縦の柱(フレーム)がとても強く、辰己さんが理想とするものと衝突安全性、動的な質感が両立できるプラットフォームだという。部分的に剛性が高すぎるところは、STIフレキシブルパーツで入力の伝達性を均一化をはかり調整。STIフレキシブルパーツは、SGPの良さをさらに引き出すパーツであると言えるのだ。
現行型BRZのプラットフォームは、正確にはSGPではないが、旧型BRZ用プラットフォームをベースにSGPの技術を盛り込んだ特殊なものなので、性能面は限りなくSGPに近くなったと言われる。
しかし、ボディのさらなる補剛やチューニングを行うとなると、旧型BRZやSGP車とは少し異なる面があるという。旧型BRZには設定されていた、アンダーフロアとクロスメンバー間のSTIフレキシブルドロースティフナーが現行型に設定されないのは、その特殊性によるのが理由だ。
現行型では必要がなくなったわけではなく、付ければこれまでどおりの効果は得られるらしいが、狙ってないところにも効いてしまい、ステアリングの戻り方に違和感を伴う挙動が見られるという。何度もテストを重ねた結果、フロントのフレキシブルVバーとフレキシブルドロースティフナーリヤだけで十分な効果が得られたので、現状では設定を見送っている。開発テストが進み、辰己さんが納得できるものになれば、将来的に設定される可能性はあるとのことだ。
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みんなのコメント
知りませんが
上手くなった気になって
スピード出すおバカさんがいそう