トヨタ「プリウス」を買うと維持費はどれくらい？新車で手に入れてから、最初の車検までの費用は75万4826円！？【プロ徹底解説】

トヨタのハイブリッドカーである「プリウス」。2023年1月に新型モデルが登場しました。では、その新型「プリウス」を購入した後の維持費はどれほどのものになるのでしょうか。新車が納車されてから、最初の車検がくる3年までの間に必要な費用を計算してみました。計算したのは2リッターのハイブリッドを搭載する「G」グレードです。文・鈴木 ケンイチ／写真・PBKK

「プリウス」を維持するために必要な費用の内訳

新車購入した車を、最初の車検までの間に、誰もが必要となる維持費は、「税金」「保険」「燃料費」「メンテナンス費用」となります。これに人によっては、駐車場を借りている人は、駐車場代もかかります。また、出かけるときに高速道路を使うと、その費用も必要となります。ただし、駐車場や高速料金は人によって異なるため、今回は除外としました。
「税金」として車に課せられるのは「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税種別割」(一般的に「自動車税」とよばれています)があります。これに、購入するときに「消費税」もかかります。これらの税金のうち、新車購入時に課せられるのが「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」。「自動車重量税」は、車検ごとにも課せられます。
数多くの税金がありますが、新車が納車された後は、毎年一度の「自動車税」だけが必須の維持費となります。3年間ですから3回あります。

次に「保険」です。保険は、法律で加入が定められている「自賠責保険」と、保険会社が用意する「任意保険」の２つ。「自賠責保険」は、必ず加入が求められるため「強制保険」と呼ぶこともあります。それに対して、保険会社の「任意保険」は加入しなくても法律違反にはなりません。ただし、万一、交通事故の加害者になった場合、「自賠責保険」だけでは補償金などをカバーしきれないこともあるため、実質的に「任意保険」への加入も必須となります。

「燃料費」は、車の走行に欠かせません。この費用は車の燃費性能次第となります。最後に「メンテナンス費用」。これも法律で定められている法定点検があります。それ以外にも、エンジンのオイル交換などの消耗品の点検と交換が必要です。

エンジンの排気量が大きいほど高額になる「自動車税」

毎年、一度ずつ支払うのが「自動車税」。4月1日に車を所有する人に対して、税金の納付書が届きます。その納税額は、エンジンの排気量の大きさに応じます。排気量が大きくなるほど、税額が大きくなります。
「プリウス」のGグレードのエンジン排気量は1,986cc。税の区分的には「1.5リットル超～2リットル以下」に該当し、税額は3万6,000円となります。3年分となると、計10万8,000円となります。


加入者と車、補償の内容で変化する任意保険料金

「自賠責保険」は新車購入時と車検時に加入するため、購入後から車検までの間の3年間は、「任意保険」を支払うことになります。「任意保険」は1年ごとに掛けるのがほとんどです。そして「任意保険」は、民間の保険会社が用意するものを、自身で選んで加入することになります。また、どんな範囲で、どれほどの額を補償するのかは、自分で選ぶことができます。そして、同じ内容の補償でも、保険会社によって掛け金は異なります。そのため厳密な任意保険の費用は、人それぞれとなるので、ここでの数字はあくまでも目安と理解してください。

今回は、「プリウス」を、25歳の人が、初めて購入する車として、車両保険も含めて、ネット保険で見積もりを取ってみました。すると、保険額は4万8,540円、車両保険が9万1530円、合計で14万70円となりました。「任意保険」は、事故なく過ごせば、2年目、3年目と保険料は割引となりますが、今回は目安ということで、割引なしで計算すると、3年分で42万210円となります。

燃費性能が優れるほど安くなるのが燃料費

「プリウス」のGグレードのFFの場合、その燃費性能は28.6km/l(WLTCモード)となります。この性能で、年間に1万kmを走ると計算してみると、必要となる燃料は約349.7リッター。ガソリン価格を1リッター160円で計算すると5万5,952円。これが年間の燃料費です。それが3年分となると、16万7,856円です。

パックを使うと安くなるメンテナンス費用

車にかかるメンテナンス費用は、定期的な点検と、走行距離に応じたオイルなどの消耗品の交換にかかる費用です。その目安が、近年、人気を高めているディーラーの用意するメンテナンスパックです。メンテナンスにかかる費用を、先払いしてもらうかわりに、割引してくれるというサービスです。
トヨタでも、定期点検のパックが各ディーラーに用意されています。ただし、その額は、販売店ごとに異なりますので、ここでの数字は一例となります。その費用は、車検なしの点検のみで、「プリウス」の場合は5万8,760円。先払いとなりますが、3年間は5万8,760円だけでメンテナンスが賄えます。

総額はいくら

以上のように求めた維持費をプラスすると以下のようになります。
「プリウス G」の場合
自動車税：10万8,000円
任意保険料：42万210円
燃料費(ガソリン代金)：16万7,856円
メンテナンス費用：5万8,760円
合計：75万4,826円


「プリウス」の3年間の維持費は合計で75万4,826円が目安となります。このうち約42万円が保険です。燃費性能の良い「プリウス」は燃料費が低いので、全体としてはリーズナブルな数値になっていると言えます。