運営元:外車王SOKEN
著者 :高岡 ケン
キーワードは「気候変動対策」!?アウトバーンから速度無制限区間がなくなるのか
「クラシックパートナー」という言葉をご存知だろうか?
クラシックカーに興味がある方であえればm一度は耳にしたかもしれない言葉だと思う。
「クラシックパートナー」とは、その名のとおり、クラシックカーに精通したテクニシャンによる修理、点検整備、修復作業などを行うことができるサービスだ。クラシックカーのオーナーがより長く、安心して乗り続けられるように全面的なサポートを提供してくれる拠点のことである。
日本ではあまり聞き馴染みのない言葉だと思うが、それもそのはず。
日本にはポルシェクラシックセンターが4拠点とBMWクラシックセンターが1拠点の合計5拠点しか存在しないからだ(2023年2月現在)。
今回はクラシックカーの聖地、本場ドイツではクラシックカーに対してどのようなサポートを提供しているのか。日本との違いも含めて解説していく。
■1.ドイツのクラシックパートナー
まずドイツのクラシックパートナーで驚くべきはその店舗数。ドイツ全土にあるクラシックパートナーの認定を受けた店舗はなんと70店舗以上。その中でBMWが11店舗、ポルシェが19店舗、メルセデス・ベンツが46店舗という結果になった(2023年2月現在)。
なぜこれほどにもクラシックパートナーが存在するのか?
それはドイツ人のクルマに対する考え方にあるのではないだろうか。
例えば、日本では一般的にクルマが10年10万kmこれを過ぎると大きな故障などが増えてくる可能性が高くなりがちだ。そのため乗り替える人が多く、日本では売れなくなってしまう。中古車としての価値も一気に下がる傾向にある。
しかしドイツでは、クルマの年式や距離が走ったとしても修理しながら長く愛用する傾向が強い。
10万km超えの中古車は多く出回っており、10年10万kmを超えているくらいでは気にしないドイツ人が多い。値落ち率も低く、中には20万km~30万kmとトラック並みに走っている乗用車ですら平気で販売されているという現状だ。
特にドイツ人の国民性なのか「物を大切にそして長く愛用する」という考えがあるように思う。
各自動車メーカーもそれに応える形でクラシックカーを所有するオーナーに対して「安心してこれからも長く愛用してほしい」という想いから。これだけ多くのクラシックパートナーが存在しているのだろう。
■2.サービス内容は日本よりも手厚い?
世界最古の自動車メーカーといえばメルセデス・ベンツが挙げられる。その長い歴史の中で数多くの名車を世に送り出し今でもクラシックカーの代表車として世界中で愛されているメーカーだけにメルセデス・ベンツのクラシックカーを所有するオーナーは非常に多くクラシックパートナーの店舗数も他のメーカーと比べると多く存在する。
そんなメルセデス社が取り組んでいるクラシックパートナーのコンセプトは人、スキル、場所である。
これはクラシックパートナーの販売部門が専門的な知識を有し、クラシックカーを求めるお客様へ販売、そしてクラシックカーに精通した修理の技術を持ち。最善の方法でメンテナンスや修理サービスを行う。すべてのクラシックパートナーが、クラシックカーに特化したワークショップ持ち、スペアパーツを提供しているのだ。
つまりすべての販売員、整備士、工場がクラシックカーに特化したものでなくてはならないという考え方だ。
もちろんクラシックパートナーの認定を受けるためには、メルセデス・ベンツ社が提供する独自の厳しい審査にクリアしなければならない。
これは簡単に取得できるものではないため、信頼性も高く、クラシックカーのオーナーは安心してクルマを預けることができるのだ。
■3.これからの時代クラシックカーはどうなるのか?
現在、ドイツでは主にメルセデス・ベンツとポルシェが主にクラシックパートナーを展開しており、店舗数は徐々に拡大しつつある。
両社ともに世界規模でクラシックパートナーを展開しており、日本でも今後クラシックパートナーの認証店が出てくる可能性も十分にあるだろう。
しかし時代は電気自動車へと移行しつつあることは知ってのとおりだ。ヨーロッパでも、2035年までに新車のガソリン車やディーゼル車の新車販売を事実上禁止にする意向を示しており、いつの時代か近い将来この世からガソリン自動車がなくなる可能性も考えられる。
クルマの歴史が長くなればなるほど、クラシックカーといわれるクルマは増えていくだろう。
特に電気自動車へのシフトが本格化してくればガソリン車の台数も減り、希少価値が上がる可能性もあるだろう。
これは著者の希望的観測になってしまうが、今も昔もクラシックカーを愛するファンは世界中に存在し、そしてこれからもクラシックカーを所有し続ける人は大勢いるだろう。
その中でどれだけ時代が変わったとしてクラシックパートナーという存在があれば、クラシックカーを愛する者たちのパートナーとなり、安心して乗り続けられるのではないだろうか。
[画像/Porsche・ライター/高岡ケン]
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みんなのコメント
こういうDのクラシックパートナー(?)的なのを利用できるのも富裕層だろうね
年間数千円程度の増税で喚き散らす連中が多いけど、ドイツのH ナンバーなんて取得するのも維持するのも裕福じゃないと無理
「なんでも無料でくれ!」という日本のタカリ屋は本当にウザい