現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 最高に面白かったル・マン24時間 でも「本物」のレースと言えるの? 複雑な思いが残る試合

ここから本文です

最高に面白かったル・マン24時間 でも「本物」のレースと言えるの? 複雑な思いが残る試合

掲載 100
最高に面白かったル・マン24時間 でも「本物」のレースと言えるの? 複雑な思いが残る試合

手に汗握った白熱のレース展開 …しかし葛藤も残った

100周年を迎えたル・マン24時間レースは、1965年以来となるフェラーリの完全制覇をはじめ、過去最高のレースが展開され、筆者も大いに魅了された。しかし、複雑な思いが残るレースでもあった。

【画像】しのぎを削ったトヨタとフェラーリ【ル・マン24時間レースを戦ったハイパーカーを写真で見る】 全20枚

ル・マン24時間は非常に競争が激しく、エンターテインメント性も高い。序盤のトップ争いは、まるでツーリングカーレースのような激しさだった。混乱を招くようなにわか雨もあり、アクシデントも相次いだ。

さらに、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョビナッツィ、アレッサンドロ・ピエール・グイディのフェラーリ499Pと、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のトヨタGR010ハイブリッドの優勝争いは、残り90分でが平川がブレーキをロックさせてアルナージでバリアに滑り込むまで決着しなかった。

フェラーリの勝利が大きな話題となるのはもちろんだが、近年、他のメーカーが手を挙げなかったル・マンに多大な貢献をし、数多の戦いを勝ち取ってきたトヨタに同情しないわけにはいかない。

なんという戦いであろうか。22時間以上のレースの末に平川がスリップしたとき、上位2台の差は20秒を切っていた。奥深い強さも見られた。キャデラックの強さ、プジョーの意外な挑戦、ポルシェ勢の速さ……。

あらゆる意味で、レースは大成功であった。来年はさらに多くのメーカーが参加する予定だ。しかし、1つだけ気になることがある。このレースはどのくらい「本物」だったのか?

車両間の同等性を確保するためにハイパーカーのトップカテゴリーで採用されているBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)ルールに不満の声があがっている。注目すべきは、トヨタがレース直前に重量増を余儀なくされたことだ。それが違いを生んだのだろうか。

純粋な視点に立てば、簡単には納得できない。最高の仕事をしたチームは報われるべきであって、ペナルティーを受ける必要はないように思える。しかし、これがルールなのだ。今年のル・マンに多くのメーカーが参加したのも、BoPルールによって競争力を確保することができたからだ。

もう1つ争点となっているのは、米国のスポーツカーレースから導入された複雑なセーフティカー・ルールで、フィールドを束ね、状況をよりタイトなものにする役割を果たした。これは、ル・マンの純粋なスポーツ競技としての評価とは相反するものである。

そのようなわけで、筆者は少し葛藤している。今年のル・マンは、各メーカーが互いの力を最大限に発揮し、コース上で決着をつけた素晴らしいレースだった。BoPの善し悪しにかかわらず、各チームとも、スタート時の立ち位置がわかっていた。そしてル・マンでの勝利は、とにかく最速かどうかで決まることはほとんどない。

それでも、ル・マンで伝統的に行われてきたような、純粋なスポーツ・コンテストだったのだろうか。それはわからない。あんなに楽しませてくれたのに、それは重要なことなのだろうか。それもよくわからない。皆さんのご意見をお聞かせください。

こんな記事も読まれています

トーヨータイヤがサーキット走行イベント「プロクセス・ドライビング・プレジャー」を5月25日に開催
トーヨータイヤがサーキット走行イベント「プロクセス・ドライビング・プレジャー」を5月25日に開催
レスポンス
スズキの個性派軽SUV「ハスラー」に、タフなデザインに仕上げた「ハスラー タフワイルド」を新設定。快適装備充実の仕様変更が嬉しい!
スズキの個性派軽SUV「ハスラー」に、タフなデザインに仕上げた「ハスラー タフワイルド」を新設定。快適装備充実の仕様変更が嬉しい!
Webモーターマガジン
毎年開催決定! 「ジャパンモビリティショー2024」は幕張開催! 新たに実施される「3つの企画」とは?
毎年開催決定! 「ジャパンモビリティショー2024」は幕張開催! 新たに実施される「3つの企画」とは?
くるまのニュース
有明でフォーミュラEができるなら「オラが町」でも! 公道レース向きの「都市」を妄想してみた
有明でフォーミュラEができるなら「オラが町」でも! 公道レース向きの「都市」を妄想してみた
WEB CARTOP
下請代金の適正取引方針を自工会が発表…原材料費やエネルギー費の上昇分を全額転嫁
下請代金の適正取引方針を自工会が発表…原材料費やエネルギー費の上昇分を全額転嫁
レスポンス
ランボルギーニの次世代HPEVスーパースポーツはV8ツインターボエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載
ランボルギーニの次世代HPEVスーパースポーツはV8ツインターボエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを搭載
カー・アンド・ドライバー
姉妹車……とはいえ双子状態でほぼ違いなし! 西部警察で一躍スターダムにのし上がったのにシルビアに統合されちゃった日産ガゼール
姉妹車……とはいえ双子状態でほぼ違いなし! 西部警察で一躍スターダムにのし上がったのにシルビアに統合されちゃった日産ガゼール
WEB CARTOP
しっかり悩んでみる価値はあり! 超個性派モデル、ベストバイはこれ!【トヨタ・ハイエース】
しっかり悩んでみる価値はあり! 超個性派モデル、ベストバイはこれ!【トヨタ・ハイエース】
月刊自家用車WEB
ホンダ、原付二種レジャーバイク『ダックス125』に新色“ブラック”を追加。8月22日から発売
ホンダ、原付二種レジャーバイク『ダックス125』に新色“ブラック”を追加。8月22日から発売
AUTOSPORT web
シューマッハー家、”AIフェイク”インタビューに対する法的措置で出版社と和解へ
シューマッハー家、”AIフェイク”インタビューに対する法的措置で出版社と和解へ
motorsport.com 日本版
スズキ新型「軽ワゴン」高級車並みの「豪華リアシート」装着! 広々後席で快適に過ごせる“斬新アイテム”とは?
スズキ新型「軽ワゴン」高級車並みの「豪華リアシート」装着! 広々後席で快適に過ごせる“斬新アイテム”とは?
くるまのニュース
仕事と趣味の心強いミカタ! 日産キャラバンが一部改良を実施して新色を追加
仕事と趣味の心強いミカタ! 日産キャラバンが一部改良を実施して新色を追加
WEB CARTOP
天国から帰ってきた母との再会を描く心温まるファンタジー『母とわたしの3日間』
天国から帰ってきた母との再会を描く心温まるファンタジー『母とわたしの3日間』
バイクのニュース
レッドブル、今から本気モード。フェルスタッペン「持てる全てを出さなきゃ」ここ数戦ではライバルの接近許す
レッドブル、今から本気モード。フェルスタッペン「持てる全てを出さなきゃ」ここ数戦ではライバルの接近許す
motorsport.com 日本版
12年ぶりに日産「軽トラ」の車名復活!「“新”クリッパー トラック」発売! 使い勝手アップして114万円から
12年ぶりに日産「軽トラ」の車名復活!「“新”クリッパー トラック」発売! 使い勝手アップして114万円から
くるまのニュース
原付「VELMO SPARK」の企画部長にインフルエンサー・ゼブラナさんが就任(動画あり)
原付「VELMO SPARK」の企画部長にインフルエンサー・ゼブラナさんが就任(動画あり)
バイクブロス
FIA F2/FIA F3、2025年開催スケジュールを発表。大会数と開催地はともに変化なし
FIA F2/FIA F3、2025年開催スケジュールを発表。大会数と開催地はともに変化なし
AUTOSPORT web
その名は「ライオン」、新型EVトラックは航続440km…米国発表
その名は「ライオン」、新型EVトラックは航続440km…米国発表
レスポンス

みんなのコメント

100件
  • 今年のル・マンは見所も多く良かった間違い無く
    53年ぶりにフェラーリがトップクラスにエントリーしてブランクと言う最大のハンデを押し除けてトヨタに完全勝利した
    それってスゴイ快挙なんだが5年もの間競合する相手も無く好き勝手やって来たトヨタが文句言える立場じゃねだろ
    しかも少なからず販促にも使ってたじゃねぇかセコイんだよ
    まだ女々しくグズグズ文句言ってるのはアホなトヨタ関係者と信者だけ
  • 欧州のものは欧州のもの、ってことで合理性もかなぐり捨ててまで日本人に勝ちを取らせたくなかったんだろうな。
    主催者自らがLe Mans24の地位を貶めたことになる。 トヨタの終盤の猛攻、素晴らしかったね。サムライ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村