アクセルとブレーキのペダル踏み間違いによる事故対策は急務といわれている。センサーによって車両前後にある建物などを検知して、ブレーキペダルを踏むべきシーンでアクセルペダルを間違えて踏んでいると機械が判定すると、エンジン出力を絞り、ブレーキをかける「踏み間違え防止装置」は運転支援システムとして事故を防ぐ有力な機能であり、その普及を促すために「サポカーS」といったわかりやすい名前でのアピールがされている。
とはいえ、旧型車についてはそうした対策を取ることは難しい。いくつかの後付けパーツもあるが、自動でブレーキをかけるまでは至っていない。今回、トヨタが旧型プリウス(30型)とトヨタセーフティセンス(衝突回避支援パッケージ)が設定される以前のアクアという人気モデルに対して用意した「踏み間違い加速抑制システム」にしても、自動でブレーキをかけるまでは対応できていない。機能としては超音波センサーで前後3m内に障害物や建物があると検知したときに、アクセルを踏み込むと、アクセル開度信号を全閉状態として加速を抑制、合わせてブザーと文字表示によって注意を促すというシステムにとどまっている。
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つまり、ブレーキを踏む必要のあるシステムだ。しかし、その文字によるメッセージは、ブレーキを踏んでください、ではない。『アクセルを離してください』となっている。アクセルとブレーキを踏み間違えるときにドライバーの多くは、ブレーキだと思ってアクセルを踏んでいる。その状況で「ブレーキを踏んでください」とメッセージを出しても右足に力が入るだけで何も状況は変わらない(機械によって加速は抑制しているが)。そこで、まずは右足の力を抜かせる、右足を浮かせることを狙って、「アクセルを離してください」というメッセージを出すことにしたのだという。
さらに、この「踏み間違い加速抑制システム」には後退時にブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまったときの対策として、約5km/h を超えると加速を抑制する機能も備えている。クリープを利用してゆっくりバックしながら、停止しようとブレーキを踏もうとして間違えてアクセルペダルを全開にしてしまった、といったありがちなシチュエーションにも対応してくれるのだ。
メーカー希望小売価格は55,080円(消費税込・取り付け費別)。取り付けには3~4時間がかかるというが、フリートユーザーや高齢ドライバーなどのニーズを刺激する新しいアクセサリーとなりそうだ。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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