■美しいフォルムの国産オープンカーを振り返る
2021年9月も後半となり、秋の気配が深く感じられるようになりました。過ごしやすい季節の到来で、俄然注目したいのがオープンカーではないでしょうか。
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オープンカーの魅力は開放感あふれるドライビングで、屋根を開けた状態でのフィーリングは一度経験するとやみつきになること間違いないでしょう。
とくに日本では春と秋がオープンエアドライブに最適な季節ですから、まさにベストシーズンの到来です。
オープンカーというとアメリカやイギリスが大国といえますが、日本でもスポーティなモデルを中心に古くから数多くのモデルを輩出してきました。
さらに、歴代のオープンカーのなかには、優れたデザインのモデルも存在。そこで、昭和・平成・令和に誕生したスタイリッシュな国産オープンカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●ダットサン「フェアレディ」
日産は1969年に初代「フェアレディZ」を発売。もうすぐ日本でも7代目となる新型の登場がアナウンスされている、日産を代表するスポーツカーです。
このフェアレディZの前身となるモデルが1962年に登場したダットサン「フェアレディ」で、1961年の「第8回全日本自動車ショー(現在の東京モーターショー)」で発表されると話題をさらいました。
発売当初のモデルは71馬力(グロス)を発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載する「SP310型 フェアレディ1500」で、型式のとおりダットサン「310型 ブルーバード(初代)」のシャシに「30型 セドリック」のエンジンを組み合わせ、かつてないほどの低重心でスポーティなスタイリングの2シーターオープンカー(3シーターもあり)として開発。
デザインはイギリス製スポーツカーに近いロングノーズのフォルムで、シャープな印象です。
オープンカー大国であるアメリカにもダットサン「ロードスター」の名で輸出されると、スマッシュヒットを記録。ダットサン「510(3代目ブルーバード)」と共に、日産車をアメリカに広める立役者になりました。
その後、改良が重ねられ、1963年には輸出仕様と同じSUツインキャブレターを採用し80馬力(グロス)にパワーアップ。さらに1965年にはより強力な1.6リッターエンジンの「SP311型 フェアレディ1600」となり、1967年には2リッターエンジンを搭載した「SR311型 フェアレディ2000」が登場しました。
シリーズの集大成ともいうべきフェアレディ2000は、ソレックスキャブレターを装備した最高出力145馬力(グロス)の4気筒エンジンを搭載し、動力性能は0-400m加速15.4秒、最高速度205km/hと日本車初の200km/hオーバーカーとなり、国内最速に君臨。
もともとポテンシャルが高かったフェアレディはレースでも実力を発揮し、1963年開催の「第1回日本グランプリ」ではB-IIカテゴリーで優勝。さらに1967年の「第4回日本グランプリ」では、フェアレディ2000がGTクラスの1位から3位を独占しました。
なお、今も国内外でもっとも人気が高いのは2000ですが、初期のウインドシールドが低くナロ―ボディの1500の方が美しいとスタイリングと評されています。
●ホンダ「NSX タイプT」
1990年にホンダは、新時代のスーパースポーツカー、初代「NSX」を発売。最高出力280馬力(MT車)を発揮する3リッターV型6気筒自然吸気エンジンをリアミッドシップに搭載し、量産車世界初のオールアルミ製モノコックシャシを採用するなど、ホンダが持てる技術の粋が集められました。
デビュー直後から世界中で高い評価を得たNSXはその後、さらなるバリエーション展開の拡大を開始。1995年のマイナーチェンジ時に、オープントップモデル「NSX タイプT」を追加しました。
アキュラブランドからアメリカでも販売されたNSXですが、実際の販売台数的にもアメリカが主戦場であり、スポーツカー=オープンカーという文化に対応したかたちでNSX タイプTを開発。
ルーフはオープンカーの開放感とクーペの快適性や利便性を合わせ持つ「タルガトップ」を採用し、オープンエアモータリングとスポーティな走りを両立できる高いボディ剛性を確保。
重量8.5kgのオールアルミ製ルーフは左右のレバー操作だけで簡便に着脱が可能で、取り外したルーフはリアハッチ内に格納する仕組みとなっていました。
クローズドの状態はスタンダードモデルと変わらないシルエットで、オープンの状態ではよりアグレッシブなスタイルへと変貌する2面性は、まさに贅沢の極みといえるでしょう。
1997年にはMT車の排気量が3.2リッターに拡大され、6速MTを採用。2001年には空力性能向上とフロントの重量軽減のために、ヘッドライトをリトラクタブルから固定式に変更するなど、外観を中心としたマイナーチェンジがおこなわれ、2005年に生産を終えるまでタイプTはラインナップされました。
なお、登場当時の新車価格(消費税含まず、東京価格、MT車)は、スタンダードモデルが830万7000円で、タイプTは960万7000円と、160万円高に設定していました。
●レクサス「LC500コンバーチブル」
2017年に日本で発売されたレクサス「LC」シリーズは、かつてのトヨタ「ソアラ」やレクサス「SC」の系譜を受け継ぐ、ラグジュアリークーペです。
グレードは搭載されるパワーユニットによって分かれ、5リッターV型8気筒エンジンを搭載する「LC500」と、3.5リッターV型6気筒エンジン+モーターのハイブリッド車「LC500h」をラインナップ。
外観は大きなボディを最大限に生かしたロー&ワイドかつ伸びやかなフォルムで、フロントからリアまでなだらか曲線を描くボディラインは、「流麗」という言葉しか当てはまらないほどの美しさです。
そして、2020年6月には新たなバリエーションとして、電動ソフトトップを備えたオープンモデルの「LC500 コンバーチブル」が登場しました。
4シーターのボディは全長4770mm×全幅1920mm×全高1350mmとクーペと同サイズで、ルーフがクローズド状態でもオープンの状態でも、華麗なスタイルを実現。
パワーユニットは最高出力477馬力を誇る5リッターV型8気筒自然吸気エンジンに、トランスミッションは10速ATのみとされ、走行音が直接ドライバーの耳に届くオープンカーとあって、エキゾーストサウンドの音質にもこだわっています。
LC500コンバーチブルは1グレードのみの設定で、価格(消費税込)は1500万円です。
※ ※ ※
1989年にユーノス「ロードスター」が発売されると、日本でもオープンカー人気が一気に高まり、一大ムーブメントにまで発展しました。
さらに、ロードスターの誕生は海外メーカーにも大きく影響を与え、世界的にライトウェイト・オープンカーが次々と登場したほどです。
その後オープンカーブームは沈静化しましたが、今もロードスターはもちろんのこと、同様のコンセプトで誕生したモデルの子孫が生き残っており、改めて初代ロードスターの偉大さが実感できます。
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みんなのコメント
ウサギ小屋の住民としては気軽に乗れるコペンが最適です。
200万円以下で電動ルーフなのは日本の匠の技ですね。
シートヒーターもあるので真冬でもオープンにしてます。
オープンスポーツってどこかが犠牲になってるのが普通だけど、ロードスターは突出したものは無くても全てがバランス取れてる気がする。
そこが愛され続けて生産続く理由だと思う。
脱炭素の波もなんとか乗り越えてほしい。