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先代オーナーが嫉妬する乗り心地と静粛性のレベルアップ「スバルクロストレック」(岡崎五朗レポート)

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先代オーナーが嫉妬する乗り心地と静粛性のレベルアップ「スバルクロストレック」(岡崎五朗レポート)

インプレッサをベースにSUVの要素を盛り込んだクロストレック。都会的な雰囲気で人気だったXVの後継として、スバルのスタンダードラインを支える期待のクロスオーバーモデルです。全体的にはキープコンセプトに見えるクロストレックですが、その走りはどう変わったのでしょう。岡崎五朗さんがレポートします。

スポーツ度のアップはおもにデザイン面

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スバルから新型クロストレックが発売された。従来はXV(X-Over Vehicleの略)というネーミングで販売されていたが、4代目へのフルモデルチェンジを機に、グローバル名に合わせてきた格好だ。ほぼ同時期に、ボディやメカニズムの大部分を共用するインプレッサも新型に切り替わっている。

注目したいのは2点。従来はメインを張るのはインプレッサで、XVは派生モデルという位置付けだった。しかし今回は立場が逆転し、クロストレックが前面に出てきている。インプレッサに先駆けてクロストレックを発表・発売してきたのはその表れだろう。もう1点はスポーツ度を高めてきたこと。といっても2L水平対向4気筒に小型モーターを組み合わせたパワートレインは基本的にキャリーオーバー。制御の変更による熟成は施されているが、145ps/188Nmのエンジンスペックも、10kW/65Nmのモータースペックも変わっていない。

スポーツ度のアップは、おもにデザイン面だ。一見するとあまり変わり映えしていないように感じるものの、全体的にウェッジシェイプが強まり、リアフェンダー周りの造形も肉感的になった。新旧モデルを並べてみると、結構変わったなと感じる。好き嫌いはあるだろうが、「どちらがよりスポーティーに見えますか?」という質問をしたら、ほぼ全員が新型と答えると思う。

グレー基調のインテリアしか用意されないのは……

インテリアで目に付くのは縦型の11.6インチ大型タッチ式液晶ディスプレイ。従来の2段式と比べて見た目もすっきりしたし、当然ながら視認性、操作性、機能性も向上した。ただし、週末のライフスタイルを強く意識したクロストレックのコンセプトを考えると、グレー基調のインテリアしか用意されないのはつまらない。たとえばシートのステッチだけにでも差し色を使えば、車内の雰囲気はグンと明るくなるはずだ。ここは今後の課題として注文を出しておきたい。

日本車のシートのなかではピカイチの出来映え

とはいえ、フレームから新規に起こした完全新設計のシートは素晴らしく出来がいい。人間工学を徹底的に研究した結果、仙骨(骨盤の中央にある背骨の一番下の部分)をしっかりホールドすることが重要だとわかったそうで、そこに専用フレームを配置。さらにシートを直接フロアに取り付ける構造とすることで、剛性アップと振動抑制を図った。そういったこだわりによる効果は絶大で、シートに座った瞬間から骨盤が気持ち良く立ち、長時間座っていても正しい姿勢が保たれるため疲れにくい。日本車のシートのなかではピカイチの出来映えだ。

静粛性と乗り心地をグンと高めてきた

先代XVオーナーが試乗したらいちばん嫉妬するだろうなと感じたのが快適性の部分。先代もよくできたクルマだったが、クロストレックは静粛性と乗り心地をグンと高めてきた。荒れた路面を走っても常に足はしなやかに動き、不快なショックを乗員に伝えてこない。ザラついた路面で発生するゴーッというロードノイズの小ささも印象的だった。乗り心地と静粛性はクルマの質感にもっとも大きな影響を与える要素なので、この2点のレベルアップは、クロストレックの車格アップにストレートに効いている。

自分の運転が上手くなったように感じさせてくれる

快適性を高めつつ、フットワークの実力を同時に引き上げてきたのがスバルらしいこだわりだ。ちょっとハンドルを切っただけでキュッと曲がるようなわかりやすいスポーティーではなく、クロストレックのフットワークはあくまで素直。しかしよくよく観察していくと、ステアリングを切り込んだ直後から、ノーズがスムースにきれいに反応していることに気付く。ことさらステアリング操作に集中しなくても狙ったラインをきっちりとレースし、必要とされる修正舵も少なく、コーナリング中も安心感が高い。言い換えれば、自分の運転がうまくなったように感じさせてくれるのだ。こういうクルマはあるようでなかなかない。そうそう、クロストレックにはXVにはなかったFFが設定された。どちらを選んでも上記のような特性を味わえるが、あえて違いを述べるなら、4WDはしっとり、FFは軽快。雪道を走る機会の少ない人なら、より廉価で燃費のいいFFという選択肢も大いにアリだ。

これだけシャシーの能力が高いなら、高性能バージョンが欲しくなる

2Lのe-BOXERは目の覚めるような加速性能こそ持ち合わせていないが、常用域での扱いやすさは上々。欲をいえば、これだけシャシーの能力が高いなら、たとえばゴルフでいえばGTiのような高性能バージョンが欲しくなる。という感想を開発陣に伝えたところ、「やりたいですねぇ。できたらいいですねぇ」と苦笑いされた。燃費低減という社会的要請がますます強まるなか、スバルの企業規模ではやりたくてもできないことが増えてきているということだろう。そのあたりをどうブレークスルーしていくかが、今後のスバルの課題だ。

(写真:SUBARU、編集部)

※記事の内容は2023年4月時点の情報で制作しています。

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みんなのコメント

4件
  • そんな素晴らしい出来なのに、先代に比べて先行受注台数が著しく少なく、乗り換えてくれないとディーラーの営業が嘆くのは何故!?
  • >日本車のシートのなかではピカイチの出来映え

    あくまでも日本車の中では、ね。
    欧州車と比べたら、日本車は作りはまだまだ、走行性能は雲泥の差。

    やはり、欧州車は偉大な存在だ。
    欧州車をマネれば良いクルマが作れる。
    精進あるのみ、だよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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