V8とV12が選べた精悍で優雅なクーペ
精悍で優雅なスタイリングに身を包んだ、2代目のC215型メルセデス・ベンツCLクラス。いくつかの弱点を見逃せるほど、今でもその容姿には訴求力があると思う。当時のSクラスをベースに生み出され、他に類を見ないほど上質に道を進んだ。
【画像】精悍なビッグクーペ メルセデス・ベンツCLクラス 2代目と3代目 現行のSクラス他 全105枚
このC215型が発表されたのは、1999年のジュネーブ・モーターショー。先進的なサスペンションを標準で備え、新世代といえる上級なドライビング体験を提供した。
それはアクティブ・ボディコントロール(ABC)と呼ばれる技術で、ボディロールを抑え込み、快適性や操縦性を向上。安定したコーナリングを実現しつつ、優れた乗り心地を両立させ、運転中の疲労を低減していた。しかし、アキレス腱でもあった。
エンジンのラインナップは魅力的。初期型のCL 500は306psの自然吸気V型8気筒を、CL 600は367psを発揮する自然吸気V型12気筒を積んだ。どちらにもAMG仕様が存在し、CL 55は360ps、CL 63では440psへパワーアップされている。
いずれのエンジンでもCLの見た目に相応しい、ラグジュアリーでコンフォートな質感でドライバーを魅了した。ベーシックなCL 500でも、パワー不足は感じないだろう。
沢山の最先端技術 限定のF1エディションも
2002年にフェイスリフトが施され、CL 600はツインターボ化で500psへ増強。CL 55 AMGもスーパーチャージャーで過給し500psを獲得した。最高出力ではCL 600と同等だが、より豪快に回りスポーティさでは勝る。
2003年には最強のCLクラスとして、CL 65 AMGが登場。V12ツインターボで611psという圧巻の能力が与えられている。その当時はサルーンのS 65と並び、メルセデス・ベンツが量産した過去最強モデルに君臨した。
普段使いが前提となる、この価格帯のクーペを選ぶオーナーを満たすべく、最先端技術もふんだんに盛り込まれている。スタビリティ・コントロールやラクション・コントロール、ブレーキアシスト、空気圧監視システムなどで安全性が担保されていた。
インテリアは全面がレザーで覆われ、美しいウッドパネルがあしらわれ、高級感も非常に高い。当時は新しかった、キーレスエントリーも装備されていた。リアシートの空間は限定的だけれど。
CL 55 AMGは、2000年にF1のセーフティカーとして活躍している。それを記念した55台の限定仕様、F1エディションが発売されている。英国にも少数が上陸した。
このF1エディションでは、一部にベンチレーテッド・セラミックブレーキとスポーティなシート、AMGステアリングホイールなどが与えられている。ダッシュボードにF1リミテッド・エディションと記されているから、見分けやすいはず。
新車時代のAUTOCARの評価は
乗り心地は最高。CL 500は、路面の不整から乗員を見事に隔離してくれる。しかし、メルセデス・ベンツに期待する圧倒的なボディ剛性までは得られていないようだ。その僅かなヒントが感取される。
とはいえ、ほぼすべての条件でCL 500は見事に能力を発揮する。素晴らしい直線加速を生む動力性能に、優れたシャシーが組み合わされている。最高に洗練された、スーパークーペといっていい。(2000年6月14日)
オーナーの意見を聞いてみる
スチュアート・タラント氏
「1年落ちのCL 500を購入して以来、これまで16万kmを走りました。他のメルセデス・ベンツも乗り継いでいますが、CLほど感銘を受けたモデルはありません」
「見た目も乗り心地も素晴らしく、高速道路では驚くほどスムーズです。しかし、整備にはかなりの費用を掛けています。ガソリン代も相当なものです。完璧とはいえないでしょうね」
「状態が悪い例は、お金が飛ぶように消えるかもしれません。注意してお選びください」
購入時に気をつけたいポイント
サスペンション
C215型の最大の弱点となるのが、最先端だったアクティブ・ボディコントロール(ABC)・サスペンション。正常に機能すれば素晴らしい装備だが、信頼性は高くない。修理には相当な金額が必要になる。
相互接続された前後左右4本のダンパーへ掛かる油圧を調整し、安定した姿勢制御としなやかな乗り心地を叶えている。車高も自動調整され、高速域では25mm下がる。不具合に悩まされたというオーナーは少なくないため、事前に動作は確認したい。
エンジン
V12エンジンの場合、一部でオイルクーラーのOリングが劣化しやすく、オイル漏れしがち。ロッカーカバーからもオイル漏れしやすい。バランサーシャフトに不具合がないか、事前に確認しておきたい。
V8エンジンはツインスパークで、プラグとコイルパックは16本必要になるが、さほど高価ではない。V12エンジンは12本で済むが、かなり高い。プラグを交換すると、不具合を招きやすいという報告もある。
トランスミッション
ATの速度センサーの異常で、変速しなくなる場合がある。エンジンの警告灯が、その不調を教えてくれる。後期型では修理キットが提供されているものの、初期型では新しいバルブボディへ交換する必要があり高く付く。
ボディ
各部の雨水の排水口がきれいなら、丁寧に整備されてきた証拠。詰まると水が車内へ侵入してしまう。
C215型のボディは錆びることがある。リアフェンダーやドアの下部、リアガラスの周辺、トランクリッドのエッジなどが弱点だ。
電気系統
ECUなどの主要な電子頭脳は、助手席の足元付近に集結している。ここが湿っている場合は、電気的な不具合を招きやすい。
エバポレーターの温度センサーが水の侵入などで不調になると、エアコンが故障する。事前に正常に動くか確かめたい。
知っておくべきこと
もし興味を抱いたのなら、信頼性の低さと、維持費の高さを予め理解しておきたい。ガソリン代もかなりの金額に登るはず。
C215型は既に登場から20年以上が経過し、メルセデス・ベンツは補修部品を取り揃えていない可能性が高い。部品が見つかっても配送に時間が掛かり、かなりの金額になるだろう。小さな部品の不具合でも修理できないと、維持自体が難しくなることも。
英国ではいくら払うべき?
3500ポンド(約56万円)~4999ポンド(約79万円)
見た目の良いCLクラスを英国では狙えるが、状態は怪しい。整備代を踏まえて、注意して選びたい。
5000ポンド(約80万円)~9999ポンド(約160万円)
走行距離が短めの、状態の良いCLクラスが英国では出てくる。マイナーな部品交換等は必要だろう。予算の範囲内で、可能な限り状態の良いものを選り抜きたい。
1万ポンド(約161万円)以上
英国に現存する最良のC215型を探せる価格帯。走行距離は短く、不具合はすべて修理済みなはず。メルセデス・ベンツに詳しいショップから購入したいところ。
英国で掘り出し物を発見
メルセデス・ベンツCL 500 登録:2001年 走行距離:7万800km 価格:7975ポンド(約128万円)
走行距離が短い、日本から英国へ並行輸入されたCL。ディーラーでの整備記録が10枚残り、このブランドに詳しいガレージが販売している。写真を見る限り状態は良さそうだ。
ブラック・レザーのインテリアは美しく艶がある。シートヒーターやサンルーフなど、装備内容も悪くない。
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みんなのコメント
エンジンもg500と同じだったが、g500は結構壊れた。
w107は今でも見るのにこれは絶滅。