三菱は2017年9月19日、ロシアのカルーガ州にあるカルーガ工場(モスクワの南西180km)で、主力車種のひとつであるミッドサイズSUV、「パジェロスポーツ」の現地生産を再開することを発表した。再開時期は11月を予定。再開に伴い、同工場では新たに約440名の雇用を創出することになり、来年1月からは2直の生産体制となる。
今回の決定は、三菱がロシア自動車市場の回復基調を確信していることを反映するもの。ロシアにおける三菱自動車の販売会社「MMC Rus(エムエムシー・ルス)」の中村直哉社長兼CEOは、ロシア事業において意欲的な成長目標を設定するとともに、ロシアの顧客により幅広い車種ラインアップを提供していきたいと述べた。
ロシアは経済危機によって自動車市場が低迷していたこともあり、過去2年間、パジェロスポーツはタイから輸入し販売されていた。しかしここ最近は市場が回復基調を見せている。そうした動きをうけて、今回の現地生産の再開が決定された。
カルーガ工場は2009年に設立され、建屋面積は125,000m2。年間の生産能力は125,000台となっている。パジェロスポーツ以外にも、三菱のミッドサイズSUV「アウトランダー」のほか、PSAグループ向けの複数の車種を生産している。
三菱の益子修CEOは「多機能性とカーライフの充実を可能にするパジェロスポーツは、ロシアのお客様の様々なニーズに応えるクルマです。アウトランダーの成果も活かし、今後もロシアのお客様に提供する車種ラインアップの拡充に取り組んでまいります。主力車種の現地生産は、将来の販売拡大とロシアの経済回復に貢献するために不可欠です」と述べた。
ロシアの自動車市場は、2017年4月から7月の4ヵ月間において、前年同期比が14%増加しているが、同期間における三菱の販売は19%増加。市場全体の成長率を5%上回る好成績を記録している。
MMC Rusの中村社長兼CEOは「ロシア自動車市場の回復によって我々は勇気づけられており、今後の需要拡大を期待しています。年初より販売台数目標を大幅に高めている中で、その台数目標を達成しています。パジェロスポーツを現地生産車種に加えることで、引き続きロシア市場へ貢献できるよう取組んでまいります」と述べた。
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