スバルの走りの象徴のモデルがWRX。WRX S4は2021年11月にフルモデルチェンジを行い、2代目となる現行モデルが登場した。
しかし6速MT車のみという硬派なスポーツモデル、WRX STIは2019年にファイナルバージョンを発売し、その幕を下ろした。
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現在、旧型WRXの中古車相場を見てみると、絶版車となったWRX STIに加えて、新型が登場したばかりのWRX S4も値上がり傾向。WRX S4の平均価格は約288.7万円。WRX STIは約467万円とその勢いが止まらない。
しかしスバル車の中古車相場の値上がりはWRXに限った話ではない。詳しく調べてみると、中古車相場が値上がりしているスバル車を3車種発見。ここでは、現在進行形で値上がりしているスバル車3モデルを紹介する。
文、写真/萩原文博
[gallink]
旧型レヴォーグは2Lターボ車の流通台数が少なく人気が集中
旧型レヴォーグSTIスポーツの走行シーン
一般的に中古車相場が値上がりするパターンは2種類ある。まず一つ目のパターンは、フルモデルチェンジを行い、旧型の高年式の在庫車が中古車市場に出回った場合だ。このパターンは、中古車の平均価格が上昇するとともに、流通台数も増加している。
そして、もう一つのパターンが、生産終了となり中古車市場に流入するクルマが減少する一方で、平均価格が値上がりしていくというもの。これは生産終了やそのほかの要因で人気が高まり、需要と供給のバランスが崩れて中古車相場が上昇していくのだ。
まず、現在値上がりしているスバル車として取り上げるのが、旧型レヴォーグだ。2020年にフルモデルチェンジを行い、2代目へと世代交代を行ったレヴォーグ。旧型の中古車相場は値上がり傾向となっている。
旧型レヴォーグは新型スポーツツアラーとして、2014年6月より販売開始した。新世代のスポーツツアラーに相応しい流麗でスタイリッシュなシルエット。そして使い勝手の良い大容量のカーゴルームを実現。
インテリアは、ドライビングを快適に愉しめるゆとりある空間とし、仕立ての良さを感じさせる上質なデザインを採用している。
搭載されているエンジンは、軽快な走りを実現する動力性能と優れた燃費性能を両立した新開発の1.6L水平対向4気筒インテリジェントターボ“DIT”。そして最高出力300ps、最大トルク400Nmという高出力、高トルクの圧倒的な動力性能を発揮する2L水平対向4気筒パフォーマンスターボ“DIT”の2種類。
組み合わされるトランスミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTで、2Lエンジンにはダイレクト感のあるスポーティで愉しいドライビングを味わえるスポーツリニアトロニックを採用している。
安全装備では、スバル独自の運転支援システム「アイサイトver.3」を搭載。操舵支援機能であるアクティブレーンキープをはじめ、AT誤後進抑制、ブレーキランプ認識制御などの新機能、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールの性能向上により、最先端の予防安全技術を実現していた。
2015年4月に一部改良を行い、スバル国内初採用となる先進安全装備「アドバンスセイフティパッケージ」を展開。2016年5月にはレヴォーグが持つ「走行性能」と「走りの質感」、「内外装の質感」をこれまでよりも更に高めた最上級グレードの STI Sportを設定。
2017年7月には大幅改良を実施し、アイサイトの新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」を搭載。更に、後退時自動ブレーキシステムなどを追加し、全方位の運転支援システムを充実させている。同時に内外装の変更を行い、機能性を向上させている。
2018年4月に行った一部改良では、全グレードでアイサイトのプリクラッシュブレーキ制御を改良。2019年5月の一部改良で、ハイビームアシストが作動する車速を従来の40km/h から30km/h に変更するなど安全性をさらに向上させている。
現在、旧型レヴォーグの中古車は約1100台流通していて平均価格は約185万円。3カ月前の流通台数は約1550台で、平均価格は約176万円だったので、流通台数が約450台減少する一方で、中古車相場は約9万円も値上がりしていて、現在も進行形だ。
この値上がりは、半導体不足などによる新車の納車遅延が大きな影響を及ぼしているのだ。旧型レヴォーグの中古車は1.6L車が豊富だが、最高出力300psを発生する2L車は数が少なく、値上がり幅はこれ以上大きくなっている。
優れたパッケージングのXVは安定した人気を誇るコンパクトSUV
XVアドバンスの走行シーン
続いて、中古車が値上がりしている中古車として紹介するのが現行型のXV。2017年5月から販売された現行型XVはベースとなるスバルインプレッサと同様に次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」を採用し、安全性能と走行性能を飛躍的に進化させたモデルだ。
XVのボディサイズは全長4,465mm×全幅1,800mm×全高1,550mm で、都市部に多く存在擦る立体駐車場が利用可能な全高に抑えているのが特徴だ。
搭載するエンジンは1.6L水平対向4気筒DOHCと2L水平対向4気筒DOHCの2種類で、2018年10月にe-BOXERという2Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載した。ミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTが組み合わされる。駆動方式はフルタイム4WDのみで、走破性と安心感を高める制御システム、X-モードが追加されている。
安全装備では、ステレオカメラを使用した運転支援システム、アイサイトver.3と歩行者保護エアバッグを全車に標準装備され、高い安全性能を実現している。
2020年9月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更に加えて全グレードでサスペンションに改良を行い、SUVらしいしなやかさとスポーティさを高い次元で両立した乗り味を実現している。
さらに2L水平対向エンジンとモーターを組み合わせたe-BOXER搭載車では、ドライバーの気分や走行シーンに合わせて走行性能を3つのモードで使い分けられるSI-DRIVEと強調するアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」を新採用。
この新機能は「SI-DRIVE」のスポーツモードを選択した際に、スポーティな走りをサポートするもので、力強い加速を実現するなど、ダイレクトな変速感覚が味わえる機能となっている。
パワートレインは2Lエンジン車がすべてe-BOXERとなり、パワートレインは1.6Lエンジンとe-BOXERの2種類となっている。
現行型XVの中古車は現在約388台流通していて、平均価格は約225.8万円。3カ月前の2021年9月時点の流通台数は約420台、平均価格は約214万円だったので、平均価格が10万円以上値上がり。
現行型XVの中古車のグレード構成は最も多いのが1.6i-Lアイサイト4WDの約94台で、僅差の約91台で2.0i-Sアイサイト4WDが続き、2.Oi-Lアイサイト4WDが約66台とガソリン車が上位を占めている。
e-BOXERはマイルドハイブリッドなので、燃費向上があまり見込めないので、ガソリン車で十分。できれば、パワーに余裕のある2L車を選ぶとストレスなく走行できる。
農道のポルシェという異名をもつサンバーも値上がり!
サンバーディアスワゴンの外観
最後に取り上げるのは、1999年~2009年まで販売された軽自動車のスバルサンバーディアスワゴンだ。現在スバルで販売されている軽自動車はダイハツのOEM供給車だが、2012年2月に自社での生産を終了している。
スバル品質と言われているように、スバルが自社開発した軽自動車は4気筒エンジンを搭載していたり、フロントだけでなくリアにも独立懸架サスペンションを採用したりしていて、他のメーカーの軽自動車とは一線を画した性能を誇っていた。
中でも「農道のポルシェ」という異名をもつサンバーは、660cc直列4気筒エンジンをRRに搭載し、同じ軽ワゴンでも圧倒的な広い室内空間を実現。さらに、その優れた耐久性から赤帽にも使用されているほどの信頼性を誇っている。
1999年~2009年まで販売された軽ワゴンのサンバーディアスワゴンの中古車が値上がり傾向となっている。現在、約120台の中古車が流通していて、平均価格は約47.2万円。3カ月前の2021年9月時点では流通台数は約135台で、平均価格は約43万円だった。
サンバーディアスワゴンの中古車の価格帯は約10万~約158万円となっており、生産終了から10年以上経過した軽ワゴンの中古車相場が値上がりしているのが異常である。
この値上がりの要因として考えられるのは、現在日本車が北米を中心に高い人気となっていることだ。最初はスポーツカーが中心だったが、現在は軽トラックや軽ワゴンも高い人気となっている。まさに中古車のグローバル化による影響と言えるだろう。
国内だけでなく、海外でも高い評価を受けているスバル車。半導体不足や海外での人気など理由は様々だが、中古車の値上がり傾向は悩ましい問題だ。
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みんなのコメント
限定だったと思うけどスバル生産サンバーにスバルブルーあったよね。
あれ買って保管してる人居ると思う。売りに出したら無駄に高くなりそう。
nonターボ車のフォレスター2.0iL(フォレスター最後のMT車)
不人気だったレガシィワゴン(BR9)の2.5ターボのMT車
あとは、やはりtSやSシリーズなどの限定車など…
スバルは、JDMにMT車は積極的に投入しない…と言い切っているので、
今後も旧MT車の価格は上がると思いますね。