もくじ
前編
ー 昔はよかった……のか?
ー 意外かもしれないセレクト
ー 軽さの正義と楽しさを教える205
ー ハイパワー・ハイテクFFの幕を開けたフォーカス
ー 走り命のシビック
中古車対決! フォード・フォーカスRS vs ランチア・デルタHFインテグラーレ
後編
ー 公道もサーキットも メガーヌは二刀流
ー 文武両道のゴルフ
ー 新旧混合対決の行方は
ー 永遠のライバル対決で決着
昔はよかった……のか?
自分に正直な人なら、たいてい幸福は思い出の中にあると認めざるを得ないだろう。人は今この瞬間に幸せだと感じるより、昔は幸せだったと感じるものだ。今この瞬間に幸せだとはっきりと感じるのなら、それは本当に無条件の幸福なのだ。めったにない特別なことである。
黄金時代についても同じことが当てはまる。1970年代はF1の黄金時代だったが、当時そんなことを言う人は誰もいなかったと思う。歳のせいで忘れただけかもしれないが。同様に、速くて実用的なハッチバックについても、われわれは今まであまり評価してこなかったことを率直に認めるべきだと思うのだ。
1990年代半ば、俊足のハッチバックが頻繁にクラッシュしたり盗まれたりしたことがあった。保険を掛けることがほとんど不可能になって、愛すべきカテゴリーのひとつが完全に死に絶えてしまうのではと心配したものだ。しかしこのジャンルは、紆余曲折はあったもののゆっくりと改善され続け、最高品質のホットハッチがよりどりみどりという状況にまで復活したのである。
意外かもしれないセレクト
この手の話では、つい思いがちだ。時代は変わってしまった、進化の方向は間違っていた、30~40年前の軽くてコンパクトで俊敏なハッチバックの魅力に、肥大した子孫たちはとても敵わない、と。しかし、この記事に登場するプジョー205GTIのオーナーとして言いたい。それは間違いだ。両時代とも一長一短あるが、技術の進歩はめざましい。最先端のホットハッチは古き佳きクルマと戦うだけでなく、偉大な先輩たちを押しのけさえするのではないか。わたしの直感はそう囁くのだ。
そのわたしがこの5台を選んだことについて、非常に驚かれるかもしれない。元祖ゴルフGTI、ランチア・デルタ・インテグラーレ、ルノー・クリオだってあるのに、と。しかし、個人的に選ぶ旧世代の代表は205だ。なにしろ、自分で買うだけの値打ちがあるのだから。そして現代のジキルとハイドの代表としては2台の新参者、シビック・タイプRとゴルフGTIを。フォーカスは、ふたつの時代の中間をカバーする。
メガーヌは、スペックだけみれば、正当化しがたいくらいハードなマシンだ。新しくも、それほど古くもないが、それよりホットハッチとしてはあるべきものがない。シートがふたつしかなく、実用性が大きく損なわれているのだ。しかし、俊足ハッチバックの偉大なる信奉者で、添えを生み出すことにどこよりも熱心なルノーを、今回の対決から外すことはできなかった。なにより、わたしが欲しかったクルマなのだ。ただし、時と場合によっては、これがクリオ・トロフィー182に代わっても、なんら問題ないところだが。
軽さの正義と楽しさを教える205
プジョーの舞台設定は、ウェールズをさっと横切って山のランデブーポイントまでにしよう。周りのことは気にせずに、このプジョーに何が欠けているのか、わたしはちょっと考えたいのだ。それに関するいいかげんな記事が山ほど書かれているので(わたしが書いたものも多く含まれているが)、少しバランスを取ったほうがいいと思うのだ。
まず、爪楊枝のようなAピラーを一瞥すれば、ぜったいクラッシュはしたくないと思うだろう。次に、インテリアは見かけよりずっと薄っぺらだ。もはや直線でもそんなに速いとは感じない。ブレーキもそんな性能に見合ったものだ。それ以上ではない。実際、非常に優れている点はふたつだけ。このサイズのクルマとしては例外的に広く実用的なことと、よほどのことがなければ運転席を誰にも譲りたくないことだ。
飽くなき熱狂とでもいうべきものが、有無を言わせない不思議な魅力となっている。急カーブを抜け、背中をスロットルで蹴っ飛ばされ、ファミリーサイズのスナック菓子程度の重さしかないようなクルマでなければ得られない感覚をじっくり味わえば、もう堪らない。これでなにも感じなかったなら、それはクルマが悪いのでも、走る道を間違えたのでもない。あなたの趣味にあわなかった、というだけのことだ。
ハイパワー・ハイテクFFの幕を開けたフォーカス
カタログ上ではフォーカスはずっと重く、それほど速くないように見える。しかし、重たいのは事実だが、速さについては的外れだ。現代のクルマの標準からするとフォーカスはまだコンパクトだが、重要なことは、フォーカスが『巧妙なデフと洗練されたサスペンションを駆使した超ハイパワーの前輪駆動車』というものをメーカーが真剣に考えはじめた時代の産物だということだ。
15年も前、腕利きの操るアストン マーティン・ヴァンキッシュを、いとも簡単に追走できたことを今でも覚えている。非常にコンパクトで動きが正確かつ素直なので、トリッキーな道では今日でもスーパーカーを脅かすことができると思う。
歳がわかるのは見た目(特に内装)と、回さないと眠たげなエンジンだけだ。実際、魅力的なエンジンを目覚めさせるにはピークトルクが発揮される3500rpm以上まで回す必要がある。
走り命のシビック
現代のクルマの中で、フォードのアプローチに最も近いのがシビックだ。どちらもプレミアム感覚などに関心はないだろうが、そうしようと思えばできるのは確かだ。しかし15年間のエンジン開発の結果、シビックは100ps以上ハイパワーになった。
新型のシビック・タイプRで褒めるべきところは、ホンダのエンジニアが単にハイパワーとそれを受け止めるシャシーの開発だけで終わらなかったことだ(もちろん、それだけでも凄いことだが)。このクルマは、飽くことを知らぬ完璧主義者たちによって極限まで磨かれたようなシャシーを持っているのだ。
乗り味はといえば、リア・アクスルは必要とあらば安定性を提供し、羽目を外したいときには俊敏性を提供する。これは「スリルがあってとても面白い」と笑って済むようなものではない。道端にクルマを止め、動悸が治まるまで頭の中でそこまでの走りを振り返る類のものである。
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