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依頼主の喜ぶ顔が次の作品制作のエネルギーになる/小川和巳さんの好きな作品・代表作

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依頼主の喜ぶ顔が次の作品制作のエネルギーになる/小川和巳さんの好きな作品・代表作

クルマは友人、家族、人生、思い出の宝箱。愛車は家族の肖像画と一緒に!

 クルマを中心に乗り物に関する水彩画作品を発表するイラストレーターの小川和巳さん。個人の依頼主から作品を頼まれることもあり、それぞれの依頼内容からどのような作品にするか、試行錯誤や苦労もありながら楽しい制作過程だとか。今回はそんな作品をご紹介いただきます。

人とクルマ、そこにある物語を描き出す/安藤俊彦さんの代表作・好きな作品

 作品(1)『1997ヤナセ銀座スクエア』は、ヤナセの社員からの依頼で制作しました。「以前乗っていた思い出のクルマ、メルセデス・ベンツC200 後期型が、当時のショーウィンドウ前に止まっているシーンを」との依頼でした。メルセデス・ベンツC200は、端正でベーシックなデザインがボクも好きです。

 背景のヤナセ銀座スクエアは、東京・銀座8丁目にあったショールームでヤナセ・ファンにおなじみでした。現存していないので、数少ない写真からショーウィンドウを描き起こしました。完成した絵をお届けしたところ、「当時の思い出がよみがえってきます」と大変喜んでいただきました。

 作品(2)『ランクル60』は、「会社社長をつとめる知人に新社屋完成のお祝いとしてプレゼントしたい」との依頼でした。トヨタ・ランドクルーザー60は、社長が若い頃に憧れていたクルマでした。依頼主に取材すると、社長は、若い頃は苦労が多く好きなクルマの購入もままならず、いまようやく購入できるようになったという話や、元サーファーで大のハワイ好きとの話も聞けました。それらをモチーフに画面構成を考えました。

 ランクル60は質実剛健、タフでクラシカルなデザインでボクも大好きなクルマです。作品は、ランクルのラフな感じに注力して仕上げました。

 プレゼント当日、依頼主が額の入った箱を持って社長室に入ると、察しのいい社長は開口一番、「いや~、絵は好みがあるからね」と苦笑いしていたとか。でも、箱を開けると、自分のランクルと大好きなハワイの景色が描かれた絵だった!ということで、とても喜んでいただけたそうです。こういう後日談はうれしいです。

 作品(3)『ニト&リヨンCadillac Escalade』は、犬とクルマがテーマです。「新築したばかりの家のリビングに飾る作品。いま飼っているワンちゃん2匹を入れて描いてください」との依頼でした。Cadillac Escaladeは、アメ車が大好きなオーナーが以前乗っていた思い出のクルマで、手放したいまも大好きなクルマだそうです。黒のボディカラーがカッコいいアメリカンSUVです。

 作品はSUVの黒のふくよかなボディ、とくにサイドのフェンダーあたりの膨らみ、グラデーションにポイントを置きました。依頼を受けたのが春先だったので、桜を背景にワンちゃん2匹が並んでいる姿を。毛並みの柔らかさを表現するのに水彩の滲みを効果的に使っています。コロナ禍を経て、最近、クルマ+ペットの作品を依頼される機会が増えています。おうち時間の経験から、好きなものを身近に置いて過ごしたい人が増えているのかもしれませんね。

 今後挑戦したいテーマは、スケッチ旅です。できれば1年以上かけてあちこちまわりたいですね。ふだんは写真を見ながら机に向かっての作品制作ですが、外に出て季節やその土地の空気感などを感じながら、クルマのある風景をスケッチしたくなりました。ボクは食いしん坊ですから、その土地でしか食べられない美味しいものも目的です。土地の方々との新たな出会いも楽しみですね。

インタビュー/山内トモコ

おがわかずみ/1955年、愛知県出身。自動車雑誌の表紙、自動車メーカーのカタログ用テクニカルイラスト、挿絵、下町のまちおこしのための下町風景画など幅広く手がける。AAF(オートモビル・アート連盟)会員。神奈川県在住

山内トモコ/TOKYO-FMパーソナリティを20年以上つとめ、インタビューした人1000名以上。映画評論家・品田雄吉門下生。ライター&エディター

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