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悲劇!車買ったら家族がゲーッ… 酔わなくて乗り心地よい車、決め手はあるのか

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悲劇!車買ったら家族がゲーッ… 酔わなくて乗り心地よい車、決め手はあるのか

購入後の後悔につながる? 家族のクルマ酔い問題

 クルマを選ぶ際に、あまり重要視されないけれど、購入後に意外と気になるポイント、そのひとつが“クルマ酔い”のしやすさでしょう。

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 運転する本人がクルマ酔いになることは、ほぼありません。ところが、クルマによっては、助手席や後ろの席に座る家族から、「酔う」と言われることが増えることも。せっかく買った新しいクルマを残念に感じてしまうことにつながりかねません。

 では、クルマ酔いは、なぜ発生するのでしょうか。

 クルマ酔いは、目から入ってくる情報と、実際の身体の揺れが合致しないことによる、自律神経系の病的な反応であり、不快感やストレス・不安も関係するとされています。走行中の車内で本を読んだり、スマートフォンなどに注視していると、クルマ酔いしやすくなるのが、その典型と言えるでしょう。周りを見ていないため、自分がどのように揺れるかがわかりません。その目からくる認識と、実際の身体に生じる揺れとのズレが頭を混乱させて、吐き気やめまいなどの病的な症状として表れるというのです。

 そうした問題を是正するために、自動車メーカーも努力しています。そのひとつであり、非常にユニークな試みが、フランスのシトロエンによる乗り物酔い防止メガネ「シートロエン」です。2018年にシトロエンが発売し、日本でも翌年に導入されて、あっという間に売り切れました。メガネのフレーム内に着色された水が入っており、揺れに対して、常に視界に水平を表示するというもので、このメガネの口コミなどには、クルマ酔いが改善されたいう声が見られます。

 もちろん、メガネではなく、クルマの動き自体で、酔いしにくいクルマを作ろうという努力も払われています。

技術で、インテリアで 車酔い防止に各社のアプローチ

 たとえば、マツダは横揺れに対する制御技術で、ドライバーや同乗者がクルマの動きを予測しやすくなることを狙っています。ドライバーや乗員が「曲がるなら、これくらいクルマが傾くだろう」と予測したとおりに、一定な動きで、傾いて元に戻るようにする技術です。逆に言うと、乗員の予想に反して、ぐらぐらしたり、傾く速度が変化したりすると、気持ち悪くなりやすいというわけです。

 ホンダの「ステップワゴン」では、クルマ酔い防止のために、インテリアのデザインに水平基調を導入しました。特に2列目、3列目に座ったとき、より水平感が得られるように配慮されています。さらに、後席ほど人の頭の位置を高くし、クルマの進行方向などが見えやすくすることで、クルマの揺れを予測しやすくしています。

 3列あるシートが、後ろほど高くなっているのは、マツダの「CX-8」も同様で、その狙いも「クルマ酔い防止」と説明されています。また、スバルの新型「クロストレック」には、頭の揺れにくいシートが採用されています。これもクルマ酔い防止には効果が期待できます。

 一方で、快適度とクルマ酔いは、また別の問題と言っていいでしょう。経験から言えば、サスペンションを硬くするほど、クルマの動きは予測しやすくなります。つまり、乗り心地の硬いクルマは、意外とクルマ酔いしにくいものです。ただし、ガタガタとした揺れが大きく、騒音も大きいクルマは、快適とはとても言えません。乗っていると疲れてしまうため、できれば乗りたくないと考える人の方が多いかもしれません。

酔わない理想のクルマとは?

 そこで、路面からのきつい衝撃を緩和しようと、サスペンションを柔らかくしていくと、こんどは揺れそのものが大きくなってしまいます。そうなると、無駄に乗員の身体が揺れてしまい、クルマ酔いの原因となってしまいます。

 つまり、クルマ酔い防止と、快適な乗り心地の両立は、けっこう難しいのです。そのため、自動車メーカーは、ボディの剛性を高め、サスペンションやシートに工夫を凝らし、最適なバランスを追求します。

 路面からの衝撃をいなしつつ、フラットで振動が少なく、運転操作に対して素直に動く。こうしたクルマが理想となりますが、その一方で、見栄えの良さや燃費の良さなどを重視した結果、理想の乗り心地が阻害されることもあります。あちらを立てれば、こちらが立ちません。いろいろな要件がせめぎ合っているのが、自動車の性能です。

 とはいえ、クルマ作りの技術は年々進化しています。昭和のクルマは、現在とは比べものにならないほど原始的な乗り物でした。特に安全性能や燃費性能は今や、驚くほど向上しています。当時は、クルマ酔い防止に対する自動車メーカーの工夫や努力なんてことは、耳にしたことはありません。

 技術が進化すれば、クルマ酔いは少なくなっていくはず。未来のクルマに期待しましょう。

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