ホンダのライダーとしてMotoGP最高峰クラスで6回のチャンピオンを獲得したマルク・マルケス。しかしホンダのパフォーマンスが低迷の一途を辿る状況に痺れを切らし、2024年からドゥカティ陣営のグレシーニに移籍。いきなり3勝を挙げる活躍を見せると、2025年にはドゥカティのファクトリーチームに加入することになった。
そんなマルケスは、ドゥカティの脅威を食い止めるため、2019年にチームメイトとしてホルヘ・ロレンソを獲得するよう、ホンダの首脳陣に対して進言していたことを明かした。
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マルケスは2013年にMotoGP最高峰クラスにデビューすると、2019年までの7年間で6度のタイトルを獲得した。この間、タイトルを逃したのは2015年のみ。その年にチャンピオンとなったのは、当時ヤマハのマシンを走らせていたロレンソであった。
しかしロレンソは2016年限りでヤマハを離れ、2017年にはドゥカティに加入する。
今では権勢を誇っているドゥカティ勢だが、2016年当時はまだまだ発展途上。アンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネがそれぞれ1勝ずつ挙げるのが精一杯だった。
しかし2017年にはドヴィツィオーゾが6勝し、ランキング2位に躍進。ただ新加入のロレンソは、ドゥカティのマシンへの適応に苦しみ、1勝も挙げることなくシーズンを終えた。
だがさすがはチャンピオン経験者のロレンソ。ドゥカティ加入2年目の2018年にはマシンを乗りこなし、第6戦イタリアGPで勝利すると、続く第7戦カタルニアGPも優勝。オーストリアでも勝った。ところがドゥカティは、ロレンソが勝ち始める前に見切りをつけてしまっており、ロレンソとの契約を更新しなかった。
マルケスとしては、ドゥカティがロレンソを起用したこと自体が、ドゥカティがMotoGPに本腰を入れ始めた証拠だと考えていたという。危機感を覚えたマルケスは自らホンダと交渉し、ロレンソを2019年に自身のチームメイトとして迎え入れることを進言したという。
「ロレンソがドゥカティに加入しようとしたちょうどその時、僕はホンダに『彼ら(ドゥカティ)が来た』と言ったんだ」
マルケスはスペインで放送されたドキュメンタリー番組『La vida en rojo』でそう語った。
「僕はロレンソを連れてきて、ホンダで走らせるのが最善の策だと言ったんだ。そうしなければ、他のブランドのライダーたちが、ホンダを打ち負かすだろうとね。だってロレンソはロレンソ……チャンピオン経験者なんだから」
ロレンソがドゥカティに加入したのは、ジジ・ダッリーニャが新たに加入し、前述の通り勝ち始めた頃だった。しかしそのマシンを乗りこなすのは、並大抵のことではなかった。バレンティーノ・ロッシも、ヤマハからドゥカティに移籍した際に苦労したが、ロレンソもそれと同様に悩まされた。
ロレンソはドゥカティ時代について、次のように振り返っている。
「既に予感はしていた。何が起こったのかと言うと、もっと早く適応できるだろうと思っていたのかもしれない」
「直線は速いバイクだったし、ブレーキングもとても安定していた。でもヤマハのような旋回性はなかった。僕は基本的に、ドゥカティのマシンをヤマハのマシンのように乗りたかったんだ」
「2018年はもっと良いスタートを切れると思っていたけど、逆だった。それに加えてヘレスでのクラッシュや、マルケスとタイトルを争っていたドヴィツィオーゾをノックアウトしてしまうという不運もあった。そのことを、ドゥカティもあまり喜んでいなかった」
「自分が板挟みになっているのが分かった時、電話をとって(ホンダのチームマネージャーである)アルベルト・プーチに直接電話をかけたんだ」
ロレンソは2019年にマルケスのチームメイトとしてホンダに加入。しかしトップ10入りを果たすことすらできず、2年契約していたもののその年限りで契約を解除し、プロライダーとしてのキャリアを終えることになった。
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