2020年1~3月の販売台数では2位以下をダブルスコアで大きく引き離す
トヨタから元祖アーバンSUV「ハリアー」のフルモデルチェンジが発表されました。歴代モデルが高めてきたイメージをしっかりと踏襲したスタイリングや最新世代のプラットフォームやパワートレインなど隙のない商品力ですから、大ヒットすることでしょう。
それでも2020年の国内SUVナンバーワンの座には「トヨタ ライズ」がつくはずです。2020年が始まって3か月ですが、国内販売の数字はライズ圧勝を示しています。
・2020年1~3月SUV販売台数TOP6
1:トヨタ ライズ:3万2208台
2:トヨタRAV4:1万7574台
3:トヨタC-HR:1万2627台
4:マツダ CX-30:1万2310台
5:ダイハツ・ロッキー:1万1575台
6:ホンダ・ヴェゼル:1万1456台
※日本自動車販売協会連合会発表値をもとに集計
ひと目見ただけでライバル不在です。
2020年1月、2月と連続して登録車全体で販売ナンバーワンとなったライズにとってSUVカテゴリーは独壇場といえる状況です。兄弟車の「ダイハツ ロッキー」と合わせると実質的な販売トップも狙えるくらいの勢いといっても過言ではありません。
余談ですが、単独車種ではなくバッジ違いの兄弟モデルの合計でいうとトヨタの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」のミニバン3兄弟、コンパクトミニバンの「トヨタ ルーミー/タンク」「ダイハツ トール」「スバル ジャスティ」の4兄弟が強烈なライバルになります。実質的なトップ争いが同門内で展開されるというのは、まさにトヨタ恐るべしといったところでしょうか。
それにしても、トヨタ ライズ、ダイハツ ロッキーにはハイブリッドの設定がありません。パワーユニットはレギュラーガソリン仕様の1.0L 3気筒ターボだけの設定となっています。WLTCモード燃費は18.6km/LとSUVとしては十分なスペックですが、ハイブリッドがなくても一番売れるモデルになれてしまうのです。
「トヨタ ヤリス」の初期受注でもハイブリッド比率は約45%で、エンジン車のほうが多数派となっていました。一時期は日本市場においてはハイブリッドでなければ売れないというムードもありましたが、消費者マインドはずいぶんと変わってきた印象もあります。
とはいえ、世界的な電動化ムーブメントが減速するとも思えません。はたしてライズの躍進は一過性なのか、それともコンパクトクラスではエンジン車が主流になるのか。
また、さすがに価格帯からしてライズがハリアーの影響を受けることはないでしょうが、国内SUVラインナップの拡充が激戦のSUVマーケットにどのような変化を起こし、ライズの販売がどのように推移していくのか興味津々です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
実利を重視するようになってきたって事だね