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トヨタとレクサスの未来に期待する理由とは?

掲載 更新 23
トヨタとレクサスの未来に期待する理由とは?

産業界はつねに深く潜航しているものだ。自動車界もおなじで、新しい技術が、私(たち)の目が及ばないところで、広く深く、開発されている。

でももうそんな時代じゃなくなったんじゃないか? と、言い出したのがレクサスだ。「やっていることは、前広(まえびろ)にジャーナリストにも公開して評価してもらおう」と、技術のトップが言い出している。

カプリ島を100台のフェラーリで爆走した2019年──西川淳とカヴァルケード

私が2019年に感心したのは、レクサスがこっそり見せてくれた新しい技術の数々だ。書いてはいけない内容が多いので、言いたがり見せたがりが大事な職業としては残念。

現行ESは前輪駆動のみの設定。ひとつは、比較的大きな容量のバッテリーで駆動されるモーターを、後輪用に使う技術。「ES」に搭載されたプロトタイプで体験させてもらった。

モーターを積極的に使って運動性能を高めるコンセプトは、東京モーターショー2019に展示した「LF-30 Electrified」で紹介された“インホイールモーター”へとつながるものという。

LF-30 Electrifiedには新しい車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」が搭載される。前後の駆動輪を独立して制御し、走行状況に応じFWD(前輪駆動)、RWD(後輪駆動)、4WDを自在に切り替えるという。しかも、駆動ユニットは小型化&軽量化されたため、車両パッケージの自由度も拡大したという。秋に発表された「UX300e」は、大きめのバッテリーを使った電気自動車だ。量産仕様に試乗できるのはまだ少し先になるが、こちらも運動性能を重視したモデルという。

「レクサスのEVは燃費よりも操縦性です」と、エグゼクティブバイスプレジデントの佐藤恒治氏が言い切っているのが興味ぶかい。

ホンダの4輪駆動技術「SH-AWD」や日産の「ダイレクト・アダプティブステアリング」を牽制している? なんて勘ぐりたくもなるのだけれど、いちど体験すると、早く現実のものにならないかなと思ってしまった。

UX300eの航続距離はNEDCモードで400km。LYL自動車とITの融合もうひとつ、ニューテクノロジー関連で印象ぶかかった経験がある。トヨタ自動車が東京・日本橋で、12月17日から本格稼働させたという、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(TRI-AD)の見学だ。

TRI-ADは、トヨタとアイシン精機、そしてデンソーが共同出資して設立した。自動運転を含む未来の技術のソフトウェア開発をおこなう会社だ。オフィスのデザインがグーグルっぽいなあと思ったら、CEOは以前、グーグルで自走車の開発にも携わっていたという。

オフィスは「Inspiration(多彩なインスピレーションを創出する)」、「High Productivity(高い生産性を実現する)」、「Happy Work(幸せに活き活きと仕事をする)」を、3つの柱にデザインされた。「自動車かITか、これまでは職種がはっきりわかれていましたが、どちらかに軸足を置きながらも両方わかる人材が今後は重要になります」

最高技術責任者(CTO)の鯉渕健氏は、記者会見の場でそう述べていたのが印象的だった。

オフィス内にはカフェ&ラウンジスペースもある。自動車のみならずITの知識も要求されるゆえ、見学中、何人かの自動車ジャーナリストが「こんな会社で雇ってもらえる機会は一生なさそうだなぁ」という感想が、聞こえてきたのがおもしろかった。

2019年を振り返ると、いいクルマとも多く出合ったけれど、自動車がターニングポイントを迎えていることを再確認させてくれた、レクサスとトヨタの体験が、私にとっての、最大の収穫だった。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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