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ドライブモードの違い フォルクスワーゲンID.4 GTX 長期テスト(7) 実際より大きく感じる

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ドライブモードの違い フォルクスワーゲンID.4 GTX 長期テスト(7) 実際より大きく感じる

積算1万2298km 複数用意されたドライブモード

フォルクスワーゲンID.4 GTXには、複数のドライブモードが用意されている。エコ、コンフォート、トラクション、スポーツ、インディビジュアルという5種類だ。

【画像】日本でも販売開始 VW ID.4 GTX ボディ違いのID.3とID.5 バズとゴルフ GTIも 全141枚

最後のインディビジュアルは、ステアリングホイールの重さや乗り心地、パワートレインのレスポンスなどを、ドライバーの好みで設定し登録できる。筆者にとっての理想的な組み合わせを求めて違いを試してきたが、ようやくほぼコレ、というのが見えてきた。

フォルクスワーゲンが設定した各ドライブモードには、長所と短所がある。エコ・モードは、駆動用バッテリーで走れる距離を最大限に伸ばしてくれるが、GTXたらしめるパワフルさが若干抑制される。

スポーツ・モードは、その名の通りステアリングホイールの重み付けが増し、反応はクイックになる。回生ブレーキの効きも強くなるが、アクセルオフでの惰性走行はできない。

トラクション・モードは、滑りやすい路面向け。19km/hまで四輪駆動状態を維持し、低速域での安定性を高めつつ、動的能力も引き上げられる。サスペンションとパワートレインは四輪駆動へ最適化され、ステアリングはコンフォート・モードと同等になる。

もっとも、トラクション・モードを選ばずとも、ID.4 GTXは悪天候時でも優れた安定性を備えている。滑りやすい路面で、不安になるようなことは殆どない。

実際より大きく感じられるボディ

それでも、グレートブリテン島の南東部、ウィルトシャー州に位置するセイバーネイク・フォレストでその能力を確かめられた。豊かな森の間を縫うように、砂利道が続いている。起伏が大きい区間も多い。

サファリラリーとまではいえないものの、日常的には走るようなことがないほどの悪路。多くのID.4 GTXのオーナーは、こんな道へ愛車を進めることはしないだろう。屋外イベントの臨時駐車場のような、ぬかるんだ草地程度だと思う。

トラクション・モードを選択し、グラベル路面へ突っ込んで見る。雪道ほど過酷ではないが、こんな条件ではID.4 GTXは実際より大きく感じられる。加速時の安定性は、著しく向上していると実感できた。

現在のフォルクスワーゲンで最大のモデル、トゥアレグより約300mm短く、130mmほど狭いが、ID.4 GTXは一般道を運転していても大きく感じる。実際の全長は4584mm、全幅は1852mmだが、それ以上あるように狭い道でのすれ違いには気を使う。

駆動用バッテリーがフラットなフロア部分に搭載され目線が高いことや、ステアリングホイールの感触が重めだからかもしれない。加速力は鋭いものの、2224kgの車重を走行中は隠すことがないことも要因だろう。

クルマとの一体感や伝わってくる感触が薄い

ID.4 GTXの操縦性には、キアEV6 GTほど惹き込まれる個性がないといえる。2022年にAUTOCARで実施した、バッテリーEVによるドライバーズカー比較でも、その事に触れられている。

カーブを得意とするようなスポーティさではなく、高速なID.4という性格付けにあるように思う。ステアリングの反応は好ましく、シャシーの懐も深い。それでも、クルマとの一体感や伝わってくる感触が薄いのだ。

高速道路を安楽に運転できるようチューニングされたクロスオーバーに、スポーティな操縦性が必要だとは限らない。ドライバーの好みにもよるだろう。ID.4 GTXはゴルフ GTIのようなホットハッチではなく、ティグアン RのようなスポーツSUVも狙われていない。

それでも、ID.4 GTXの都市部での能力を知ると、もう少し魅力を追い求められたように思う。フォルクスワーゲンのバッテリーEVとして。

ID.4 GTXは、市街地での取り回しがしやすい。最小回転直径は10.2mと、サイズが小さいフォルクスワーゲンUp!の9.8mと0.4mしか違わない。狭い道をキビキビと走ってくれるだけに、そう思えるのだろう。

積算1万3214km 収納スペースがないフロント

いくつかのバッテリーEVとは異なり、ID.4のボンネット内には収納スペースが用意されていない。実際、フロント側にはそんな余裕がないように見える。

ライバルモデルのフォード・マスタング・マッハEには、ボンネットを開くと81Lの収納スペースがあり便利そうだ。とはいえ、ID.4の実用性にはまったく不満を感じていないけれど。

テストデータ

気に入っているトコロ

見た目:ID.4 GTXの長期テストが始まってしばらく経つが、実は見た目がカッコイイと感じている。少なくとも、フロント周りは。

気に入らないトコロ

ドアハンドル:ドアを開くためのボタンがドアハンドルの下側に付いており、予め説明しないと多くの人が乗れない。運転席側から手を伸ばしてドアを開くこともしばしば。

価格

モデル名:フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)
新車価格:5万540ポンド(約808万円)
テスト車の価格:5万1225ポンド(約819万円)

テストの記録

電費:5.4km/kWh
航続距離:421km
故障:なし
出費:なし

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