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キャデラックの新しい時代の始まりを象徴する ピュアEV「リリック」に試乗|Cadillac

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2040年までにカーボンニュートラル化を実現するというゼネラルモーターズ。そのラグジュアリーブランド、キャデラック初となるBEV(バッテリーEV)で、2023年に日本導入予定の「リリック」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。

Cadillac Lyriq RWD|キャデラック リリックRWD

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速くて、快適で、ぜいたくなピュアEVだった

2040年までにカーボンニュートラル化を実現するというゼネラルモーターズ。そのラグジュアリーブランド、キャデラック初となるBEV(バッテリーEV)で、2023年に日本導入予定の「リリック」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by Cadillac

新開発のEVプラットフォームを採用

キャデラックがついに、という感じで、BEV「リリック」を北米で販売開始。すでに2022年5月からデリバリーが始まっていて、23年販売分まで売約済みだとか。たしかに、速くて、快適で、ぜいたく。内外装のデザインも新しく、ファンの気持ちを強く刺激してくれるではないか。

キャデラック リリックは、2020年4月にはショーモデルが公開され、21年の発売とされていた。あいにくのコロナ禍の影響で、予定が22年までズレこんでしまったそうだ。

私がリリックの実車に乗ることができたのは、22年7月のおわり。米国にキャデラックの親会社ゼネラルモーターズが所有する試験路での試乗だ。高速が出せる直線とカーブがあるだけでなく、北米を中心にさまざまな悪路が再現されている。ここで問題なければ、たいていの道で問題ない、と説明された。

リリックはファストバックスタイルのSUV。車体全長は5メートル近い。シルエットもユニークだし、LEDを多用したフロントマスクをはじめ、ディテールにも、ひと目で忘れないぐらいの個性がある。

大きくいうと、グレードは2つ。リアにモーターを1基搭載した後輪駆動の「RWD」がまず発売されて、23年に前にもモーターを載せた全輪駆動版が追加される。RWDは、100kWhという比較的大容量のバッテリー搭載で、最高出力は255kW、最大トルクは440Nm。AWDはさらに高性能、とキャデラックの開発者はしていた。

2040年までにカーボンニュートラル化を実現するというゼネラルモーターズでは、「アルティウム」と名づけたEVプラットフォームを開発。パウチ型の薄くて大容量のバッテリーセルを床下に敷き詰めるので、車両の重心高が下がり操縦性がよくなるのがメリットのひとつ。

もうひとつの利点は、モジュラー式なので、車種によって容量の調整が可能になることだ。リリックは12のモジュールを使用。参考までに書くと、1000psという超パワフルなGMCハマーEVは、同様のアルティウムでも24モジュールタイプを使う。

車体を力強く推しだしていく加速力は、EVならでは

車体を力強く推しだしていく加速力は、EVならでは

「リリックはキャデラックの新しい時代の始まりを象徴するモデルです」。そう話してくれたのは、エクステリアを担当した韓国出身のリードエクステリアデザイナーのキル・ボビン氏。「伝統を意識しつつ、新しいキャデラックとして作りあげました」。

フロントには通常のエンジン車なら大きな開口部があるはずのところには、ブラッククリスタルパネルと名づけられたパネルがはめこまれ、LEDのライトが美しい輝きを見せてくれる。一方で、たしか2009年のショーカー「コンバージ」あたりで紹介された、縦型のLEDシグネチャーライトは継続される。

室内は、一体感をもたせることを意識しました、とインテリアデザイン担当者は、説明してくれた。水平基調のダッシュボードが左右ドアのほうまで回りこんでいる印象だ。同時に33インチと大型のディスプレイが目をひく。造型と素材と技術、すべてで上質感を作りあげているのも、マーケットではウケそうだ。

走りは、これで充分、と思った。440Nmのトルクで後輪を回し、車体を力強く推しだしていく加速力は、EVならではのものだ。同時に、カーブを曲がるときの車体の傾き制御や、悪路でのサスペンションの動きなど、経験ゆたかな自動車メーカーならでは仕上がりと私は感心。

路面の凹凸が激しくても、サスペンションシステムはショックを丁寧に吸収し、乗員はフラットライド感を堪能できる。3メートルを超えるホイールベースのおかげでリムジン感覚で後席を使えるだけに、静粛性も重要な開発テーマだったという。室内のノイズを打ち消すノイズキャンセリング機構も備え、光もうまく使った演出効果をもつ室内で、乗員はリラックスしていられるのは間違いないだろう。

航続距離は480km超と発表されている。RWDの北米における価格は6万2990ドル、AWDは6万4990ドル。日本での価格は未発表。発売は2023年内を考えていると、ゼネラルモーターズ・ジャパンでは話している。

Spec

Cadillac Lyriq RWD|キャデラック リリックRWD

ボディサイズ|全長4,996×全幅1,977×全高1,623mm

ホイールベース|3,094mm

パワートレーン|電気モーター×1 後輪駆動

バッテリー容量|100kWh

最高出力| 255kW

最大トルク|440Nm

航続距離|482.8km

GMジャパン・カスタマー・センター

Tel.0120-711-276(9:00-18:00、年中無休)

https://www.cadillacjapan.com

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