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メルセデス・ベンツ GLBの鍛え方。開発期間4年、総走行距離700万kmのテストが生んだ傑作SUV

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メルセデス・ベンツ GLBの鍛え方。開発期間4年、総走行距離700万kmのテストが生んだ傑作SUV

Mercedes-Benz GLB

メルセデス・ベンツ GLB

メルセデス・ベンツ GLBの鍛え方。開発期間4年、総走行距離700万kmのテストが生んだ傑作SUV

メルセデス・ベンツ品質を実現するための過酷な試験

気が遠くなるほどの過酷なテストを経ずして、メルセデス・ベンツの新型車が市場へ送り出されることは絶対にない。それはカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーの時代から不変の伝統的なクルマづくりだ。

可能な限り最高の品質をクルマに与えるべく、新型車の開発期間中には綿密、かつ精密に系統立てられたテストを欠かさず実施する。どんな細かい部分でも、あらかじめ定められた基準に辿りかないままに生産ラインが動き出すことは決してない。たとえばドライブトレーンの耐久性を保証するためには個々のパーツの集中的なテストはもちろん、エンジン、クラッチ、トランスミッション、プロペラシャフト、ディファレンシャル、ドライブシャフト、ホイールすべての“相性”についても繰り返し繰り返し検証する。

GLBが厳しいテストを受ける理由

メルセデス・ベンツが放つ新型コンパクトSUV、GLBも厳しい試験を徹底的に繰り返して開発された。

GLBは、AクラスやGLA、CLAなどと共有する同社の新しいコンパクトカー向けプラットフォーム「MFA2(モジュラー フロントドライブ アーキテクチャー 2)をベースとした7番目のモデルだ。

先行車種ですでに膨大なテストを重ねてきたプラットフォームがベースとはいえ、GLBはもっとも大きなボディサイズであり、かつ初めての本格的なオフロード性能をもつモデルとして試さなければならない要件は山ほどあった。

アリゾナからグラナダ、ナルドまで

開発の最終段階でテスト車両が持ち込まれたのは、米アリゾナ州フェニックス。スタンフィールドにあるアリゾナ テスティング センター(ATC)における夜間の耐久テストをはじめ、広大な屋外フィールドを駆け回るハードな試験走行が繰り返された。海抜350mから2300mまで、気温20℃から40℃まで、炎天下でも土砂降りの中でもありとあらゆる環境下で鍛錬を重ねた。

フェニックスの灼熱の太陽のもと、すべてのドライブトレーンや構成パーツの静的・動的評価が行われ、高速走行、エアコンの効き具合、各ディテールの仕上げの分析などが行われたのだ。むろん酷暑下のテストはフェニックスだけではなく、インディアナ州やスペインのグラナダ、イタリアのナルドでも敢行された。

4年にわたった開発期間

GLBが行った主なテストプログラムを一部羅列してみたい。ちなみに試験はコンピュータ上が35%、現実世界が65%の割合で行われた。開発期間は4年にわたり、プロトタイプ車両は少なくとも冬と夏を2回ずつ経験してきたという。

まずはそのクルマ自体にまっとうな実現可能性があるか否かをコンピューター上で評価する。量産車としてふさわしい設計がなされているか。生産性に優れているか。十分な衝突安全性を備えているか。空力性能はどうか。音・振動性能に問題はないか。車重は適正か。それらの要件がVR装置を使って確認される。

ドイツから日本まで、GLBが走りに走った700万km

そして、公道および台上試験で車両全体の評価を行う。このプログラムでは、部品ごとに精査したものを実際に車両へ組み込んだときにきちんと正しく稼働するかどうか。また、長時間の使用に耐えうる信頼性を持ち得ているか否か、などが吟味される。

もちろんあらゆる部門のあらゆる専門家の厳しい目による評価も必須だ。関わった専門家の数は数百人におよんだという。

テスト中にGLBが走った距離は、じつに434万9598マイル(約700万km)。ドイツのインメンディゲンに新設されたテストコースを初めて使用したGLBは、オーストリア、フィンランド、フランス、スウェーデン、スペイン、イタリア、ドバイ、南アフリカ、アメリカ、メキシコ、中国、日本を駆け巡った。

長い旅路の果てに待つものは

最終的な品質確認として、各項目別に専門チームが評価を行うとともに、車両全体をテストチームがチェックを実施。開発部門の手を離れたGLBは品質保証部の難関をくぐり抜けたた後にようやく量産の承認へたどり着く。

かくしてスリーポインテッドスターを装着する権利をようやく与えられた新型GLBは、現在メキシコのアグアスカリエンテス工場、および北京(中国仕様)の生産ライン上を流れている。

ちなみに新型GLBの長い旅路はこれでは終わらない。生産ライン上を流れながらロボットや人間の厳しい目にさらされながら、最後の検査員のひとりが頷いたとしてもまだ気の休まるときはない。長い長い旅は、顧客の元へ届くまで続くのだから。

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