■ドミンゴアラジンは、F40よりも希少なクルマ
スバルといえば、スポーツワゴンやSUVのイメージが強いですが、かつては個性のあるワゴンも展開していました。
ごくわずかな台数のみ販売されていたようですが、どのようなクルマなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」全長3.5mボディに7人乗れる!? 「謎のミニバン」の内部がコレです(35枚)
それは現在の車中泊ブームを先取りするようなクルマである「ドミンゴ アラジン」です。
ドミンゴアラジンは当時ではめずらしい本格キャンパーモデルで、製造年数は1996年から1998年の2年間しかなく、製造台数はわずか282台と超希少車。
この製造台数は、超高級車で知られるフェラーリの限定車である「F40」の総生産台数1311台よりも遥かに少ない台数です。
もともと、ドミンゴは1983年に同社軽トラックの「サンバー」から派生したワンボックスカーである「サンバートライ」に1リッターと1.2リッターのパワートレインを与えた普通車規格のクルマになります。
ドミンゴは全長3525mm×全幅1415mm×全高1995mmと軽規格のボディにもかかわらず、トヨタ「アルファード」と同じ7人乗り3列シートを詰め込んだ当時では珍しいモデルでした。
さらに、ワゴンでは希少なRRレイアウトを採用することにより、小回りが利くだけでなく、トラクション性能に優れ、荷室スペースも広くとれるなどメリットも多数あります。
1994年にサンバーがフルモデルチェンジをしたことをきっかけに、ドミンゴも2代目モデルにモデルチェンジしました。
2代目も軽規格のボディを継承しつつも、最高出力は61馬力まで向上し、パワーウインドウやパワーステアリングも装備されて、乗用車ライクなクルマに仕上がります。
さらに待望のCVTも採用され、取り扱い性や利便性も飛躍的に向上しました。
そして、1996年にポップアップルーフを備えた本格的キャンピングカーである、ドミンゴアラジンが誕生します。
ポップアップルーフは、大人1人と子供1人が横になれるほどの居住空間を確保し、許容重量も150kgまでと見た目からは想像できないスペースです。
運転席と助手席は90度回転する対面式で、後部座席をフラットにすると広大なベッドスペースが確保できます。
ほかにも、最上級グレードにはシャワーを備えたシンクやサイドテーブル、カセットコンロなど装備も充実したキャンパー仕様もありました。
当時の新車価格はポップアップルーフのみの仕様で、4WDのCVTが178.4万円とそこまで高価ではなかったものの、車中泊はもちろん、キャンピングカーがマイナーな存在ということもあり、わずか2年で幕を閉じることになります。
■超激レア!ドミンゴアラジンの中古車を発見!
そんなドミンゴアラジンですが、もともと製造台数が少ないこともあり中古車市場でも見かけることは稀です。
しかし2023年8月現在、福岡県北九州市の「ミハラ自動車」に1台だけ取り扱いがありました。
1999年式の1.2リッター、4WDモデルで、走行距離は8.2万kmと比較的少なく、内外装のコンディションも良好のようです。
ドミンゴアラジンを取り扱うことになった経緯について、ミハラ自動車の担当者は次のように話します。
「代表がスバルの旧車が好きということもあり、以前より同社の希少車種を取り扱っています。
過去には『アルシオネ』『レックス』、『レオーネ』なども取り扱っていましたが、今回ドミンゴアラジンをマーケットから手に入れました」
また、希少車種の販売にあたってのこだわりについては次のように話します。
「このドミンゴアラジンは1990年代のモデルですが、『当時に新車で買ったような仕上がりにして販売する』ということを意識しています。
そのため、1度バラバラにして、全塗装や板金修理などをしています。
また、当時のステッカーやエンブレムを自社で製作して装着しています。当時の状態を再現してノーマルの状態に戻せていると思います」
そんなこだわりのドミンゴアラジンですが、どのような反響があるのでしょうか。
「ドミンゴアラジンは希少車種になるため、ユーザーはマニアックなファンが多いです。
『昔、親が乗っていた思い出のクルマなので、もう一度乗りたい』という人や、東京から九州に来て商談をする人など、クルマ選びにこだわりや熱意を持っている人から反響があります」
※ ※ ※
ドミンゴアラジンは軽規格のコンパクトボディに7人乗りの3列シートとポップアップルーフで、1990年代に発売されていた希少車種です。
中古車市場でもほとんど出回ることがないため、今回販売されているモデルにもファンからの問い合わせがあったようです。
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