石川のオーナーが新車で購入したシングルナンバーのカローラ
2024年に7月28日(日)に石川県小松市の日本自動車博物館で開催された金沢クラシックカーミーティングの会場で気になる車両をチェック。今回は、新車当時に発行された「石5」ナンバーを掲げたトヨタ初代KE10型「カローラ」のオーナーに話を聞いてみました。
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親子2代で乗り続ける初代カローラ
金沢クラシックカーミーティングの会場内を歩いていると、やはり北陸3県、とくに地元・石川県からのエントリーが目立つ。そんな中でもとくに気になったのが、「石5」という古いシングルナンバーを掲げたトヨタ初代「カローラ 2ドアセダン」だ。オーナーの矢木さんにお話を伺うと、矢木さんのお父さんが新車で購入した1968年式のデラックスで、じつはいまだに名義はお父さんのままという、正真正銘のワンオーナー車なんだとか。
ちなみにこの初代カローラは1966年に登場。4速マニュアルトランスミッションやマクファーソンストラットの採用など、大衆車クラスとしては初めて採用された機構も多く、当時としては最先端の車種だった。エンジンも当時ライバルであった日産「サニー」の1000ccに対抗し、急遽1100ccを採用。このクラスをリードする車両となった。
新車当時のオプションも備わる驚きのコンディションをキープ
矢木さんのお父さんは大工さんだったそうで、このクルマで現場回りをしていたそう。頻繁に乗っていた割には非常に状態は良いが、やはり雪国だけあって外装はサビが発生しやすく、とくに下回りなどはこれまでにも小まめに補修をしてきたそうだ。
ちなみにフロントのラジエターグリルはプレス素材なので、これほど美しい状態をキープしているのは本当に奇跡に近い。他にもヘッドライトベゼルやボディ各部のモールなど、豊富に配されたクロームパーツもしっかりと輝いている。
矢木さんいわくリアゲートの「HI DELUXE」エンブレムのみがオリジナルではないのではとのこと(本来は「Deluxe」という筆記体エンブレムが備わるそうだ)。それ以外は新車当時のオプションであるウインドウバイザーやコーナーポールなどもしっかりと備わっており、当時矢木さんのお父さんが仕事で使っていたことを考えると、普段から大切に乗っていたことがよくわかるのだ。
ハチトラに水中花シフトノブ、車内は当時を思い出す空間
車内もまるでタイムスリップしたかのような空間だ。一度追突事故を起こした後に安全を考慮してヘッドレスト付きシートに交換した以外、内装は新車当時のままだ。助手席側ダッシュ下には新車当時にお父さんが装着したという8トラックのカセットが装着され、水中花のシフトノブが備わる懐かしいスタイルとなっている。
「8トラックはある時から動かなくなってしまったので、知人に分解して修理してもらいました。だから今でもちゃんと音楽を聴くことができますよ」
また美しい状態のホイールキャップは走行中に外れてしまうことを防止するため、矢木さんはあらかじめ走行時には外して保管しておき、目的地に到着してから装着するようにしているそうだ。そんな愛情ある矢木さんのおかげで、シングルナンバーの初代カローラはこれほどまでに綺麗な状態で維持されているのである。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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