1年半待ち大人気「ジムニーシエラ」の後悔しないグレード選び。ジムニーと迷った時や中古車事情も解説

軽自動車サイズのコンパクトなボディでありながら、本格的な悪路走破性能をもつ「スズキジムニー」をベースに、1.5Lの直列4気筒エンジンを搭載した「ジムニーシエラ」は、ジムニーシリーズの双璧をなす存在として国内外で人気を誇っています。ここでは、そんなジムニーシエラを選ぶ際のポイントについて解説します。

ジムニーとジムニーシエラの違いは、エンジンがほぼすべて

現在販売されているジムニーシエラは、2018年に登場した4代目です。ジムニーとのおもな違いは、より大きなエンジンを搭載していることと、オーバーフェンダーが装着されていることの2点で、それ以外の装備や機能の差はほとんどありません。

＜価格＞
ジムニー・・・・・・148万5000円～190万3000円
ジムニーシエラ・・・179万3000円～208万4500円

「どちらのジムニーを選ぶか？」は、予算もしくはエンジンの大きさが決め手となると言っても過言ではありません。

1.5Lの直列4気筒エンジンを搭載するジムニーシエラは最高出力102psを発揮します。決してパワフルとは言えませんが、ジムニーシエラのボディはわずか1070kgであり、高速道路でも安定した走りを見せてくれます。

軽自動車のジムニー（最高出力64ps／XL・4ATのスズキ セーフティ サポート付で1040kg）は、高速道路ではパワー不足を感じる機会も多いため、高速道路を多用する人はジムニーシエラがおすすめです。




グレード展開は非常にシンプル
ジムニーシエラのグレード展開は非常にシンプルです。
・JL（ベースグレード）・・・・・179万3000円（5MT）／191万9500円（4AT）
・JC（上級グレード）・・・・・・195万8000円（5MT）／208万4500円（4AT）

「JC」には、クルーズコントロールシステムや15インチアルミホイール、LEDサイドターンランプ付きドアミラー、本革巻ステアリングホイール、ステアリングオーディオスイッチ、助手席バニティミラーなどが標準装備となっており、そのほかインテリアにメッキ加飾が施されています。

デュアルセンサーブレーキサポートや車線逸脱警報機能といった先進安全装備「スズキセーフティサポート」についても、「JC」は標準装備されますが、「JL」は4万4000円のオプションとなっています。

基本的には快適装備が整っている「JC」をおすすめしますが、あえてジムニーシリーズを選ぶような「通」な人は、ソリッドな「JL」を選択するのも良いかもしれません。ただし、「JL」を選ぶ際でも「スズキ セーフティ サポート」はオプション装着するべきでしょう。




いまだ長納期のジムニーシリーズ、中古車もプレミア価格に
2018年に登場したジムニーシエラですが、発売当初から異例の長納期が話題となっていました。おもに海外での需要が高いことが原因とされていますが、現在でも1年半前後の納期を覚悟しなければならないようです。

ジムニーシリーズはモデルライフが長いことで知られており、「納車される頃には新型車が登場している」といった可能性は低いですが、それでもあまりに納期が長いのは不安です。

もし納期を優先するのであれば、中古車という選択肢もあります。2022年5月現在、カービュー中古車情報サイトには、600台以上の現行ジムニーシエラが掲載されており、在庫自体はそれなりにあると見て良さそうです。

しかし、走行距離1万km未満の比較的状態の良い個体は平均270万円後半、300万円を超えるものもあります。また、走行距離が1桁台の登録済未使用車の現在の相場は、新車価格に対して100万円前後の上乗せとなっており、1年半の納期を待つか「時間を金で買う」かの選択をすることになります。




ルックスだけで選ぶのは危険!?
ただ、ジムニーシリーズを選ぶ際に最も重要なのは、「そもそもジムニーシリーズでなければならないのか？」という点です。

もし、「ジムニーシリーズ以外の選択肢はない！」と強い意志を持っているのであればもちろん問題ありません。

しかし、コンパクトなボディや愛らしいルックスだけで興味を持っているのであれば、購入後に後悔する可能性もあります。

ジムニーシリーズの持つ本格的な悪路走破性は、裏を返せば、一般道での乗り心地や燃費性能の悪さにつながります。また、室内は想像以上に狭く、後部座席も長時間のドライブには不向きです。

そのため、単にSUVらしいルックスが好みなのであれば「スズキ ハスラー」などを選んだほうが総合的な満足度は高いかもしれません。



しかし、　コンパクトなボディでありながら、ラダーフレームを採用した唯一無二の存在であるジムニーやジムニーシエラは、このクルマでしか行けない場所やできないことがあるのも事実です。

そうした特徴を十分理解した上で選択するのであれば、ジムニーやジムニーシエラは、最高の相棒になってくれることは間違いありません。




文：ピーコックブルー
写真：
1～2枚目：ジムニーシエラ JC
3枚目：ジムニーシエラ JL
4～5枚目：ジムニーシエラ JC
6～7枚目：ジムニーシエラ JL
8枚目：ジムニー XC
9枚目：ジムニー XL
10枚目：ハスラー ハイブリッドXターボ

Comments

ジムニーとシエラの一番の違いは乗り心地だと思う。
ジムニーは軽快でシエラは落ち着いている。もちろんジムニー兄弟の中での比較であり、一般の車の軽快や落ち着いたという表現とは一致しないが。
我が家は、どちらも試乗し、シエラに決めました。
軽かどうかでランニングコスト云々も判断基準の1つですが、乗り心地は大事なので、是非、試乗で乗り比べることをお勧めします。
ちなみに、シエラでも高速道路で安定して走行できるのは、時速80kmくらいまでと言うのが、オーナーの私の感覚です。記事にあるほどのアドバンテージは感じませんし、コンパクトカーなみに走ると思ったら期待を裏切られますのでご注意ください。

スズキセーフティサポートの精度の悪さ以外は満足してます。