■ヤバすぎる巨大「タコマ」。 ド派手カスタムの中身とは
米国アフターマーケット部品メーカーで構成される団体「SEMA Specialty Equipment Market Association」が主催する世界最大級のチューニング&カスタムカーのイベント「SEMAショー」は、2020年11月に「SEMA360」との名称で、完全オンラインでのイベントを開催しました。
そのなかから、日本では考えられないようなド派手チューニングカーを3台紹介します。
【画像】コイツらはヤバい! ド派手カスタムカーを見る!(20枚)
例年、トヨタや日産、レクサスなどの自動車メーカーやタイヤメーカー、日本でも有名なHKSやGReddyなどのカスタムメーカーなどが出展しています。
これらのメーカー以外にも海外のチューニングブランドが手掛けたカスタムされた多数の日本車が出展することでもおなじみのイベントです。
筆者(加藤久美子)は1990年代前半からSEMAショーの取材にたびたび出向いていましたが、2020年は自宅で取材することになりました。
毎日午前2時頃からパソコンの画面に張り付いて会議に参加したり、出展者とチャットしたりして取材を実施。
SEMA恒例のイベント「Battle of the BuildersR」(個人ビルダーによるカスタムカーコンテスト)に出展された日本車のなかから、とくにカッコいい3台を紹介します。
最初に紹介するのは、TRDも協力した900馬力超えのトヨタ「タコマ」です。
米国トヨタで製造・販売されるピックアップトラックには、タコマと「タンドラ」の2車種があり、いずれも大変好調な売れ行きとなっています。
アメリカ版「ハイラックス」として1990年代半ばに販売が開始されたタコマは2019年に過去最高となる24万8801台を販売。近年のSEMAショウでもカスタムされたタコマの出展が増えています。
こちらのド派手なタコマを製作したのは、ディスカバリーチャンネルにて放送されている自動車番組「Twin Turbos」にてメインパーソナリティを務めるブラッド・デバーティ氏です。
2020年モデルのタコマをベースとして、NASCARのストックカーに搭載されている自然吸気エンジンを搭載し、最高出力は900馬力超。
アクセルを踏めば回転数は一瞬で2000回転から10000回転まで上がり、そのエンジン音は「2JZエンジン3台分」ともいわれています。
ダートラリーやドリフト、ラリークロスなどのさまざまな競技に一台でチャレンジできることを目指して開発されており、6速シーケンシャルトランスミッションを採用しハンドルの切れ角は74度まで改造され、シャシもすべて独自設計のものへとカスタムされています。
エアロパーツはすべて削り出しで制作しており、TRDデザイナーの協力も得ながら、空力性能もキチンと考慮されたデザインとなっています。
インテリアはラリークロス競技などで使用されているのと同じロールケージをインストールしており、フルバケットシートは3つ配置。サイドブレーキのレバーなどはデバーティ氏がオリジナルでデザインし、実際に販売しているものを用いています。
なお、派手なボディキットに巨大なリアウィングで公道の走行は不可能かと思いきや、実際にはモンタナ州のナンバープレートが交付されており、一般車と同じように公道を走ることが可能となっています。
■コルベットのV8を搭載したマツダ「RX-7」が登場!
今回のSEMAに出展されている日本車のなかで、一際目を引くのがマジョーラカラーに仕上がったマツダ「RX-7(FD3S)」です。
カリフォルニア出身のジョン・ユバルディ氏がプロデュースしたこのFDは彼の手に渡る前、元々ヴィンテージレッドのカラーをまとったAT車でした。
カスタムを施すために2002年モデルのシボレー「コルベット」から剥ぎ取ったLS1エンジンに換装しトランスミッションもマニュアルに換装。ボディカラーも50周年記念カラーとなるレッドメタリックキャンディにラッピング塗装が施されています。
LS1エンジンを搭載しているという時点でかなり刺激的なカスタムとなっていますが、ロータリーエンジンからV8エンジンに換装したのは深い理由があります。
実はユバルディ氏はこれとは別に過去に青いFDを所有していたのですが、ロータリーエンジンからの失火によって全焼してしまい、失意のなか、同僚が所有していたLS1換装の赤いFDに乗り換えることになったのです。
LS1はFDに搭載されていた13B-REWよりもはるかに信頼性が高く、アフターマーケットパーツも出回っているため、比較的維持がしやすいとのこと。
ポートやヘッド、スプリングなどの各部品のカスタムに加え、コルベットZ06に搭載されているLS6エンジンのインテークマニホールドへと換装。純正の最高出力345馬力から415馬力を叩き出しています。
フロントバンパーは1999年型日本仕様のものとマツダスピードのカーボンフロントリップとの組み合わせで、RE雨宮のカーボンリアディフューザーや、グループAモータリング製のカーボンボンネットとカーボンワイドフェンダーなどを装着しています。
インテリアはあくまで快適性重視でエアコンもパワステも正しく作動する仕様となりカーボンファイバー製のシートもリクライニングが可能。長時間のドライブも快適にこなせそうです。
毎年多数のホンダ「シビック」の新旧モデルがSEMAショーに出展されますが、なかでもこの1000馬力超えの「Civic Type-R」(EK9型)はとんでもないスペックを持っています。
ターボから発生する熱を逃さずに圧縮に利用する「ターボブランケット」を製造・販売するPTPターボブランケッツという会社からの出展で、同社R&D部門トップを務めるマニー・イワブチ氏が手掛けています。
日本から直輸入したこのEK9の心臓部にはK20型エンジンのエンジンヘッドにK24型エンジンのエンジンブロック、そして「S2000」のクランクシャフトが組み合わされています。
ターボチャージャーはギャレット製GTX42Rを搭載し、これらを組み合わせてシャシダイナモでは1092馬力を発生。
エンジンはかなりハードな仕様となっていますが、インテリアはダッシュボードやドアパネル、フロアマットはそのままの状態となっており、カスタムされている点はロールケージとセイボン製のカーボンフルバケットシートにとどまっています。
エクステリアにはトラックライフ製のカットフェンダーに加え、PCI製のフロントスプリッターやリアディフューザー、サイドステップなどを装着。
ドラッグレース向けのセッティングとなっているため、車体後部には必要不可欠となるドラッグシュートも装備されています。
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